リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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困ったもんだ…

2021-05-27 08:36:49 | Weblog

添付するメール、この類の企業からの広告は、皆さんの医院によく届くと思う。
ネット社会を利用した口コミ宣伝効果を利用しているものだが、
これって本当に良いものであろうか? 皆さんはどう思う?

自院の評判や人気や注目を集めるために
この様な業社を利用する歯科医の気持ちがどうしても分からない、、
医療人としてのプライドがあるとこんなものに興味を持たないし、頼る必要ない。
(直接患者にネットで高評価のコメントをお願いする医院まであるという)
このような類のビジネスに頼る者がいるから、この商売が成り立っているのだが、
我々医療人が毅然とした姿勢で、しっかりとした医療を患者に提供し続けると、
自然にこのようなビジネスは淘汰されていくであろう。
こういうビジネスを考える企業も、本当に社会に役立つ内容を企画してほしい。
質のよい医療の方向性を導けるのも、IT企業の強みではないか。

我々医院側も、
費用を投じて評判や名声をとるという情けないことはやめるべきである。
医療の質自体を下げてしまう。
目の前の個々の臨床に一生懸命取り組むことにこだわる方が大切でしょ。
宣伝するなら自分のフィロソフィーを述べながら、臨床例をたくさん列挙する方が
患者にとって最も分かりやすいと思うのだが…

ちなみにメールに案内されてる内容で
「人員工数的に」って サクラ人員のことじゃんww
(口コミがやたら多い医院ってこの類の業社使ってるのか??)
経営セミナーなどでは、この様な業社に投資することも教え
それぞれの投稿に「こんな感じで返事を書くようにすること」ということも
教えているらしい。。。 
困った世の中になったものである

私の師匠(西川洋二)の名言:
「経営にこだわれば、ちゃんとした医療は提供できない」
「経営にこだわる者が立てる治療プランは、ただのエゴイズム(利己主義)プランである」
この名言、本当にそう思う。。。


治療計画について

2021-05-24 08:21:15 | Weblog

欠損補綴を伴う症例において我々は
一般的に治療計画を立てる場合、口腔内の状態から
長期的に予後が望める治療計画を立てることが多い。
そして治療計画において、患者背景(全身的既往歴や経済的背景)も
考慮するべきということは周知のことであろう。

しかし実際の臨床ではどうであろうか?
当院に転院してくる症例の多くは
医院の経営性が優先された治療や治療計画を立案されてきた事例である。

20代~40代の家庭がある患者への自費治療をすすめる場合、
職業、子供の人数、子供の年齢、計画的資金(学費、家のローンなど)等の背景は
十分に考慮してあげなければならないと考える。
そのため事例によっては、我々の治療計画に沿わすための費用に
デンタルローンを組ますことは、私的にはいかがなものかと考える。
(ローンを組ますざるえない事例でもできる限り最低限の計画にするべき)
本当の地域医療とは、総合的な局面で勘案し、限られた条件の中で
よい結果をだせるように我々が最大限努力することである。

例えば提示する症例のレントゲンをみてもらいたい。
患者は40代の既婚男性会社員 
主訴は左上5の腫れ、破折のため抜歯処置となったが
口腔内所見では、咬合力とクレンチングが強いことが伺える事例である。

治療計画を立てる場合、この事例なら、おそらくほとんどの歯科医なら
左上56にインプラント治療を進めるであろう。私でも同じである。
しかし患者背景の問診から、患者にとっては経済的に難しい決断であった。
ならば④56⑦のブリッジを計画した場合、予後にどういうことが起こるかは
簡単に予想がつく。では56のRPD? これも同様である。
なら、どのような治療計画を立てることが最善か?
この症例では、高額な費用をかけさせないで、必要な保険外治療は
できる限り費用を抑えた方法を私は立案して、患者から承諾を得た。 

皆さんなら患者背景を重視した場合、どのような治療計画を立てますか?

この症例、PGI名古屋の月例会で同じテーマで
私が考えたことと治療を提示するつもりある。


2021年5月18日 PGI名古屋月例会

2021-05-19 07:50:33 | Weblog

今月の月例会は、松井先生による歯内療法第4弾
歯内療法外科の話。
根尖病変への病巣ソウハと根切の注意するべき点や
成功するためのちょっとした勘所などの
詳細な説明があった。
今回は動画も多く、見ごたえある内容であった。

来月は症例相談と症例検討会
検討会では兵庫の田中宏幸先生がパネラーとなってくれる。
興味深い症例を提示してくるだろうと予想する。


水平半埋伏智歯の思いやり抜歯

2021-05-02 07:44:42 | Weblog

親知らずの抜歯というものは、術後に腫れてとても痛いイメージが多い。
特に下顎の横にはえている親知らず(智歯)は抜歯するとき
術式の外科的侵襲が大きくなるため、術後はとても痛い。
私自身も水平埋伏智歯を1時間ぐらいかけて抜歯してもらったことがあり、
しかも術後ドライソケットになり、数週間痛みに苦しんだ経験がある。
それゆえ、智歯の抜歯を要する患者に対しては、
術後の痛みがどんなものか理解できるため、
出来る限り処置時間は短く、外科的侵襲を少なくするように心がけている。

例えば提示している症例
この程度であれば、歯肉切開、フラップなど開けず
この状態のまま抜歯した。処置時間は18分であった。
この手法で抜歯すれば、術後の腫れは殆どなく、痛みも少ない。
今までの私の臨床で、同様の事例はすべて腫れはなかった臨床実感でも
この処置法は有意性が高いと思う。思いやりのある抜歯術式である。

水平に萌出している智歯は、上位にある場合は半埋伏の状態である。
一般的に臨床では、この様な状態の智歯でも抜歯時は歯肉切開を行い
全層弁フラップ下で抜歯処置を行う。そのため処置時間は
必然的に30分以上はかかってしまうだろう。
術後の腫れの程度と痛みの度合いは、処置時間と侵襲エリアの範囲に比例する。
ゆえ、・フラップをなるべく大きく開けない ・手際よく処置する ことが
臨床では何より優先することと考える。

ちなみにこの症例、右下の水平埋伏も抜歯したが
さすがにフラップを開けて抜歯した。
当然、腫れて数日痛みに悩まされたとのこと…