リキデンタルオフィス 医療関係者向けブログ

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私の日常臨床 39

2018-12-21 07:33:34 | Weblog
Vol37、38はそれぞれ違う歯科医院からだが、今回も別の歯科医院からの処置依頼症例を紹介しよう。
重度の開口障害をずっと治療しているが、なかなか改善しないため、診てほしいというのが依頼内容。
患者は19歳女性 当院初診時の状態でも開口量は20mmほどであった。
同日、当院における通法の方法を行い、約5分ほどで開口量を47mmまで回復させた。
その後、口腔内写真を撮り、いろいろ問題点について患者に説明を行った。

2回目の受診時、開口量は保持できているが、顎機能についてはまだ十分とは言えないため
この日、処置依頼されてきた主治医の先生が見学に来られていたので
今後、どのように顎機能回復を行うべきかを説明し、今後は主治医の所で
処置を続けることを指示した。
(来院可能曜日が限定され、患者の交通手段が電車しかないため、当院の通院は困難だから)

重度の開口障害がみられるケースで、修復、補綴処置がされていない天然歯ばかりの症例は
診断と処置はけっこう難しい。
見よう見まね、なんとなくの知識や技術では病態はなにも変えることはできない。
そのため、今回は主治医には処置の理由と根拠と具体的に行う手技についてきめ細やかに説明を行った。
彼は優秀でまじめな歯科医だから大丈夫だろう。

ちなみに今年は、ちょっとした症例を含めると、他院からの紹介患者(処置依頼)が結構多かったな。。。

2018年12月15日 PGI定例勉強会

2018-12-17 07:54:14 | Weblog
先週末は土曜日に相模大野、日曜日に名古屋で学会とあわただしい週末を過ごした。
土曜日、PGI定例勉強会では、PGI名古屋の柴田先生の会員発表があり
柴田先生らしい、実直で丁寧な治療を行っている臨床報告を拝見することができた。
多科にかかっても原因不明とされていた症状を、見事に改善さし、その機能を
安定さしている治療手技は地味だが、これぞ臨床歯科治療という内容であった。

また本年の総括として、西川先生のお話もあり、
今年一年もPGIは非常に活発に活動していたが、来年も福歯大やICOIなどの
行事もあり、あわただしい一年となるが、親分をどんどんサポートしていきたいと思う。

私の日常臨床38

2018-12-13 07:57:00 | Weblog
今回の症例も、前回に続き他院からの処置依頼症例。
患者は58歳女性 主訴はかみ合わせと顎の調子が悪い。

紹介元の歯科医からのメールでは、紹介元の医局の症例検討において、
『前歯をプロビに置き換えた上で矯正をし、欠損部にインプラントは可能か』というテーマで資料採得と分析を行ったが
前歯の状態も悪くTEKに置き換えるのもリスクがあり、矯正もかなり困難ということでなしになり、
歯周治療をメインとした治療を行い、希望があればSPTで経過観察をして前歯を保たせるだけ保たせるという方針で
専門的歯周治療を開始したとのこと。
再評価時、前より顎位が不安定な印象を受け、患者に聞いたところ、
『最近どこで噛めばいいかさらにわからない。ずれてる感じ。右では体積があって厚みのあるものしか潰せない。
                                意識しながらでないとモノが噛み切れない』
とのことであったらしい。そこで、その医院でスプリントや咬合調整による治療を提案したとのことだが、
これ以上歯を失うリスクなどをかなり心配されており、もっと専門的な医院での処置を希望されたとのことで、当院を紹介したとのこと。

そこそこの長い期間、この症状になやまされているとのことだが、
私は紹介元の先生からの送られてきたメールの内容を拝見し、何が原因で何をするべきかは
すぐに予測はできたが、予約来院時の口腔内を観察したところやはり想像していた状態だったため
2時間ほどかけて、その日のうちに90%ほどの症状を改善してあげた。
初診時、紹介元の歯科医が見学させてほしいとのことで、
私がどのように処置するか目の前で補助につきながらみておられ、
患者がずっと悩んでいた症状があっという間になくなっている様相をみて、かなり衝撃をうけていたが
この症例も難症例にとらえられがちだが、原因がすぐに対処できるものは難症例ではない。
このような症例はスタビスプリントを用いるのは時間の無駄である。
この症例、患者が話す症状に、診査診断に必要なすべてのヒントがある。

名古屋方面から1時間半かけて当院にこられているので、
短い時間の診療は失礼にあたるため、毎回2時間くらいかけて処置を行っている。
提示してる写真は初診時と3回目の来院時の口腔内写真である。

コンポジットレジン治療 by須崎明

2018-12-10 07:43:51 | Weblog
先週末は須崎先生のコンポジットレジン治療の勉強会。

去年くらいから須崎先生に私はいろいろリクエストしていたが
更に進化した内容、リクエスト以上の構成でレジン充填治療について
非常に多くの症例を用いて解説されていた。
参加された先生方も、今まで学んだことがない切り口なためなのか
熱心に聞き入っておられ、質疑も非常に多かった。

今年の初めに、レジン治療に対する考え方は最近こう考えてているんだけど
この内容で話を展開してほしい、という私の提案が、須崎先生いわく、
目新しく、コンポジット治療に関する講演では今後新たなテーマとなる
重要な項目らしい。そのため自分の講演内容の見つめ直しができたとのことで
逆に感謝されてしまったが、
私の提案した内容が須崎先生にとって大いに役に立ってくれるならこれほど光栄なことはない。
私も須崎先生に感謝してるし幸せである。

この先生とは10年ほど交流があるが、変わらず本当に勉強家であり、まじめな人だ。
須崎先生をみていてもそうだが、よくよく考えてみると
便宜的関係で近寄らず、筋道を通した道義のある人だけが、
近年私を慕ってくれ集まってくれるようになっている。
そんな仲間達を大切にしたいと心底思う。


ちなみに須崎先生、
オクルーザルインデックスを用いたレジン充填法を
ちゃんと寿谷先生の手法だという内容を紹介した上でお話してくれていた。

2018年12月2日 PGI名古屋2018年秋例会

2018-12-03 07:53:56 | Weblog
先週末はPGI名古屋の本年度秋例会が行われた。
今回の基調講演は、私と15年程交流がある、
大阪府開業の伊藤雄策先生にお願いをして、
長期症例からみるトラブルのないインプラント治療について
伊藤先生が考える近年のインプラント治療に対する考え方を、
多くの臨床を交えてお話をいただけた。
相変わらずアカデミックな臨床の中でも、洗練された学術の基に
行っている治療には思わず見とれてしまった。

午前中の会員発表では、稲熊先生 塩原先生 鳥居先生 小池先生の
実直で丁寧な治療をシンプルにまとめ上げたプレゼンを拝聴でき
質疑も非常に活発だった。顧問の西川洋二先生と井上先生のコメントも
鋭く、親分(西川先生)の知識の広さも毎回驚かされるばかりである。

参加者の皆さま お疲れさまでした。