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ネコちゃん 安らかに…

2021-08-30 19:23:56 | Weblog

保護した野良ねこが、30日の朝 息をひきとった…
多臓器不全によるものだった。
朝、獣医さんから連絡があり、午前の診療後にお花とお供えを買って、
動物病院へ亡骸にお別れをしにいってきた。
亡骸によくがんばったね 安らかにねむってね と
冷たくなった体や頭をいっぱいなでてあげたら、、、
堪えていたが、とめどめなく涙が溢れてしまった…
保健所に持っていくと、合同火葬と慰霊をしてくれるということであったが
私は何かやりきれない感じがして、個別火葬と慰霊してくれる所を探し、
その業者に連絡して、午後から供養と火葬をしてもらった。
お骨は私が引き取ることにした。
どんな野良生活をおくっていたのか知らないが
このネコが世に生をうけた証を残してあげたい
そんな気持ちからである。
名前も「くろちゃん」とつけてあげた。
午後の診療中、業者さんがお骨を医院まで届けてくれた。

今日はかなり元気がなく仕事をしていた私であった。

獣医の先生 そして病院のスタッフさんにはとても感謝している。

生きとし生けるものへの慈愛に溢れた世の中になってほしい
そんな願いも込めてこの記事を書いている。

合掌


野良ねこ・・・

2021-08-28 12:41:57 | Weblog

昨日車で走っていたら道路に黒い物体を見つけ、
気になり戻ってみると、横たわって動かない黒猫だった。
車から降りて見ると、口を開けてよだれを垂れ流して呼吸してた。
まだ生きてる…  とりあえず道路わきにネコをずらしたが、
瀕死の状態だ、、ネコの体にいっぱい蚊がたかり、
ハエも数匹よっているため追い払いながら、どうしよう、、
私の中でいろいろ考えた。
しかし私の目を横たわりながらもじっと見つめ、目を細めながら
絞るように「にゃー」て声を出した。
自分勝手な判断であるが、「助けて」と言っているように聞こえ
ほってはおけないと思った。このまま見放してしまうと私はきっと後悔する、
そう直感的に思ったため、車に乗せて近くの動物病院に連れていってあげた。

「レントゲン検査の結果、骨盤が複雑骨折しており、腎臓も破裂してるかもしれない。
車にはねられたみたいですね」と獣医の先生が言う。
正直、数日生きられるかどうかという状態とのこと。
状態が落ち着いたとしても、骨盤を整復する手術が必要で、猫のこの手術をできる
獣医は少ないとのことだが、紹介はできると続けてお話されていた。

しかし野良猫である分、獣医の先生はこのネコをどうするか困っていた。
要は治療費の問題である。それは私も同じであった。
しかし人間によって瀕死の状態にされたネコ。私が見つけるまで
おそらく何人かの人が、その横たわった状況をみていたであろう。
それでも気にすることなく・気にしていても自分が関わりたくない・
どうしていいかわからない、などいろいろな理由があったかもしれないが、
非情であることに変わりはない。
あのまま道路で虫にまみれになりながら野垂れ死にしてしまうより
野良でも人の優しさに少しでも触れて病床の上で息を引き取る方がまだましだし、
そしてもし窮地を脱することができたら、完治までもっていってあげることが
せめてもの同じ人間としての償いであると思った。

ゆえ私は先生に
治療費のことはなんとかするので、できる限りの治療をしてあげてほしいとお願いをした。
先生も私の判断に対して、全力を尽くすと言ってくれた。
数日入院となるようで高圧酸素のボックスに入れられた野良の頭をなでて「生きろよ!」と
声をかけて私はこのネコの生死を獣医に委ねた。
銭金の問題でない手を差し伸べるときが必要な命。小動物でも人の命の大切さと同じである。

本日昼休みに動物病院に様子を見に行ってきたが
反応はほとんどなく寝たきりの状態であった… 
どうかこの野良猫に生きるチャンスが舞い降りますように 祈 


2021年8月24日 PGI名古屋月例会

2021-08-25 08:14:31 | Weblog

昨日の夜はPGI名古屋の月例会。
今月は兵庫の田中宏幸先生と私。
田中宏幸先生からはCADCAMについての内容について。
ACやCADを用いる補綴治療について、成書や研修会でいわれていることについて
臨床でその内容を考察、応用する勘所や、
材料についての彼自身が臨床研究したことについてきめ細やかに解説されていた。
内容はすばらしく私自身も興味深く勉強になった。

私からは症例検討を行った。
十人十色の治療計画になるであろう症例を提示し、
何人かの先生から自分だったらこうする、といった治療計画や
その考え方を討論したが、やはりこういう症例検討は良いと思う。

今回も充実した月例会であった。


私の日常臨床 Vol.50

2021-08-16 07:44:36 | Weblog

色々雑用が多く、すっかり更新するのを忘れていた。

今回提示する症例は、欠損部にインプラント治療を希望された事例。
一見、1歯欠損で骨量も十分あり、単純埋入ですぐに欠損治療が行える症例である。
しかしこのような事例は、クロスセクショナルな治療計画では危険である。
なぜなら欠損部は、以前根破折が起こったため抜歯に至った経緯があるため、
なぜ破折が起こってしまったかを考察する必要がある。
当院での診査時に、顎運動機能に問題があり、これが破折の原因であることがわかる。
また、筋触診を行ってみると、咀嚼筋群に問題があることが浮き彫りになった。
いわゆる不定愁訴を持っていた。
このような事例は、筋安静を図るというより、咀嚼筋群の異常に対して
顎運動機能の正常化を図る必要があるため、当院の通法の手順で
生理的に調和した顎運動機能とそれを維持する咬合位の構築を行った。
(スタビライズスプリントによる治療ではない)
その後、常に裏首の張った感じや偏頭痛などの不定愁訴の消失を確認し
最終的に必要な箇所への修復補綴治療を行った。
欠損部のインプラント治療は、先述した通り単純埋入で行ったが、
簡単なインプラント補綴でも、その処置に至るまでの総合診断からの対処を行い、
適切な咬合治療を行うことで、インプラントを含む全顎の長期的安定につながる。