宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話
何年か前に中古店で見つけた。当時予備知識も何もなく、MXRの歪み系を使ってみたかっただけの理由で購入。ただ、電源アダプターの差し込み口が通常と違っていることにはすぐ気がついた。差し込み口の極性がミニプラグによるセンタープラスである。このDistortion+には現行型、ジムダンロップ型、初期型の3種類があり、形状から私が購入したのはダンロップ型と思われる。ただ、中を開けると手書きの数字があり、推測するに95年製のようなのだが、、、。
ネットを探ると人によってこの3種類での好みが分かれるようだ。それだけサウンドが微妙に違うらしい。比べようがないのだが、私のはホワイトノイズ的なザラザラした音色が歪みとして加味される。他の音と混ざるとマイルドな感じがする。その意味ではBOSS製と比べて個性的である。
ディストーションとのネーミングがされているが、基盤的にはオーバードライブに相当するらしい。弱めにかけてカッティングした時の音がとても気持ち良い。歪み系のエフェクターはいくつか持っていたいと思うのだが、やはり加えておきたいひとつである。
手持ちのコンパクト・エフェクターを紹介しようと思う。小さく様々な色合いを持つエフェクター達は、並べて眺めるだけでも楽しい。以前、ビンテージとなっているBOSSのコーラスとフェイザーについてはこちら(CE-2)とこちら(PH-1R)で紹介した。それ以外のものについて触れていきたい。
なお、ギターやアンプに関する知識や経験はほとんどなく、形から入り練習中である者の単なる感想であることを最初にお断りします。
まず最初は MXR dyna comp“ダイナコンプ”である。昔、ジェネシスが初来日した時の雑誌記事に、ツアーギタリストのダリル・ストゥーマーのボードが写真入りで紹介されていた。その中でひときわ赤く目立ったのがこのダイナコンプだった。私自身はアコギの12弦ギターとフルートの担当だったので直接は関係なかったのだが、その写真を鮮明に覚えている。かなり高価だったことも。そして、ここ数年エレキギターを弾くようになり当時の憧れの一品として新品を購入した。
入手の動機はそういうことだったが、実際使ってみると実に気持ちの良いギターサウンドになる。コンプレッサーがかかりコツンとかカクーンというようなアタック音が、乏しい私の演奏技術をカバーしてくれる。欠かすことのできないエフェクターである。何よりもこの落ち着いた深紅の色合い、存在感が大きく気に入っている。
久しぶりに「季刊アコースティック・ギター・マガジン」を買った。といっても7月に最新刊が出たひとつ前の号である。これがアコギ用の「弦」を総特集していることを知ってバックナンバーを買い求めた。
実はアコギに凝り出してから弦についてはずっと気になっていた。地方にいるとプロのミュージシャンと話す機会もあったのだが、その時に「弦は何を使っているのですか?」「どのくらいで張り換えます?」という質問をしたいのに、なかなか言い出せないのが実情だった。何となくくだらない話かと思ってしまうのだ。ところが、この雑誌はそんな私の疑念を見事払拭してくれた。いや、なぜ今までこのような特集を組むことがなかったのだろうか。編集後記を見ると、「長年会議に上がりつつも実現できていなかった弦の大特集、、、」とあるので、業界でも話題にはなるが取り上げることのできない何かの理由があったのだろう。それも当然かもしれない。これだけたくさんの種類があるのだから、全てを取り上げながら実演するだけで相当な労力、手間暇がかかるだろう。しかし、この雑誌はやり遂げたのである!
ここまではリットーミュージック社に対する私の賞賛の声である。前置きが長くなってしまったが、この特集は二部構成になっており、圧巻は後半の第二部だ。そこでは新素材とコーティングされた19種類の弦の試奏、20種類のフォスファーブロンズ弦の比較、16種類のナイロン弦の比較、そして現在日本で入手できる184種類の弦の紹介が写真入りでなされている。その写真を見るだけでも楽しいが、試奏者が全てを張り替えながら挑んだ試奏レポートには感心したし、とても参考になった。さらに85名のプロのギタリストに、愛用のギター弦(その理由)、弦交換のタイミング(その理由)について聞いたアンケート結果が掲載されている。小野リサさんから、以前住んでいたオホーツクでは常連であった吉川忠英氏まで多彩な顔ぶれである。そしてそれがとても興味深かった。意外にもプライベートや公演時にはそんなに頻繁に弦を換えない人が少なからずいるのである。南こうせつ氏曰く、弾き語り用のギターは優しい音にしたいので、あえて毎回は交換しない、伊藤ゴロ−氏曰く、家で弾く時はあまりブライトじゃない方が好みなのでずっと張りっぱなしです、等々。
皆さん、自分の好む音にこだわりを持ち、自分なりの対応をしていることがよくわかった。弦は月に一回は換えた方が良い、という常識めいた言葉は無視し、自分の好きな音色の弦を探し求め、自分が思うタイミングで交換していこう。目から鱗の特集であった。
ちなみに特集をとおして私が今後使ってみたいと思った弦は、フォスファーブロンズもナイロンともアーニーボールである。エレキ弦の他にナイロン弦も出しているとは知らなかったし、ずばり財布に優しい価格でコストパフォーマンスが良さそう。早速探してみよう。