ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

新顔ギター ヤマハFG-150 1968年製

2014年08月31日 | ギター
 久しぶりにギターを買った。ヤマハFG-150である。

 ヤマハのアコギは80年代前半に購入したFG-400Dを持っている。トップがエゾ松単板仕様で数十年の歴史を感じさせる迫力ある音量であるが、音質的には標準的という印象だ。しかし同じFGシリーズでも特に初期の150と180は再評価され人気も高い。一時期オークションなどでも高騰していたようだ。いわゆる単板仕様ではなく合板で出来ているのに「枯れた、激鳴りサウンド」などと言われている。本当にそうなのか、実際はどんな音なのか?そして高騰ブームが一段落したのか150についても価格が落ち着いてきたようなので、ここ一年はネットのサイトでチェックしていた。

 そういう中見つけ、いよいよ手元に来たのがこれ。ヘッドの標記がYAMAHAとなっているのは同じFG-150でも60年代の中期型とのことで、いわゆる赤ラベル。シリアルを見ると68年製らしい。使い込まれたレトロな木製製品に興味を覚える私としては傷の多い外観はオーケー。しかし、ペグにはくすみがなく光っているし、ネックもほぼ正常。前所有者がギターのメンテナンスを専門にやっている方で調整もばっちりである。では、実際の音はどうか。

 弦を調律して弾いてみて驚いた。私にとってこれは「暴れ馬」である。それほど音量も音色も激しい。現在メインで弾くローズウッドのマーティンM-36のまろやかさとは全然違う、本当に「激しい音」としか言えない第一印象であった。

 本器はヤマハがマーティン・ギターを研究し世に出した最初のギターの一つで、トップがスプルース、サイド&バックはマホガニー材が使われている。前述のとおり合板である。トップのスプルースは薄く作られているが、同じ材の木目を斜めにしたものを挟むことで強度を上げている、つまり「鳴り」を考慮しての合板だという。また、ボディ内部にはニスが塗られている。このこともサウンドに何か影響しているかもしれない。そして、この150を含むヤマハFGギターには愛好家が多く、ネット上でもたくさんの人が様々な話題を振りまいている。複数本を持っている人も多いようだ。

 予想以上に良い意味で驚かされた本器だが、調教する(弾きこなす)のにしばらく時間がかかりそう。新たにやるべきことが見つかって良かった。それにしてもまたギターが増えてしまった。これ以上FGの深遠な世界に落ち込まないようにしたいが、どうなることか・・・。

最近読んだミステリ関係を紹介(2014年8月その1)

2014年08月29日 | ミステリー小説
 「完全版密室ミステリの迷宮」監修・有栖川有栖(2014年5月洋泉社)
 古今東西の「密室」ものミステリを紹介している。古くはポーの「モルグ街の殺人」、横溝正史「本陣殺人事件」から近作まで幅広い。こんな密室あんな密室と図解入りを折り込みながら紹介しているが、そのトリックまでは触れられていない。当たり前の話だが、それが「あずましくない」(北海道の方言で「満足しない」意味)。すると興味を引く作品を読みたくなる。そういう仕組みのガイドブックである。
それにしても、まだまだ知らない密室ものの名作がこれほどあることを改めて知った。未読のものは片っ端から読んでみたい、そんな気持ちにさせられた。

 その中で最初に読みたいと思った作品は幡 大介「猫間地獄のわらべ歌」(2012年7月講談社文庫)である。早速古本で手に入れた。これは江戸時代の話で、ある閉ざされた蔵で自死を遂げた侍がいるが、自死ということを知られないようにあえてそれが他殺であることを証明する、つまり密室破りを考えなければならないという状況から始まる物語。他に首無し殺人、わらべ歌殺人、アリバイ崩しなどの事件も発生し、そのトリックは如何に、という展開である。ミステリとしては登場人物自らが述べているように伏線がない、つまり読者はいっさい手がかりを与えられない状況なので、単純にストーリーを追いかける読み方になるだろう。しかし、それなのに「読者への挑戦」が挿入されているし、また、最後の最後に「へぇー」と唸ってしまう予想外の展開もあった。さらに、江戸時代の語り口も意外と面白く、ギャグもあり、総じてリラックスして楽しめた作品であった。「時代物」も結構面白いのかもしれないと思った次第である。


USBコントローラー・キーボード M-AUDIOのKEYSTAION49

2014年08月17日 | シンセサイザー
 M-AUDIOのKEYSTAION49を購入した。今持っているUSBコントローラー・キーボードは息子が専用に使っているため、自分用のものが必要になったのだ。いろいろ探したが、かつてシンセサイザー・プレーヤーとして活躍した(?)自分としてはある程度の鍵盤数が欲しいと思い、そして価格的にも1万円以下のこの製品に決めた。
 到着してさわってみると、予想以上に鍵盤のタッチが柔らかく、ヤマハよりローランド系の印象だ。決して悪くはない。そしてUSBケーブルを繋ぐだけで使用できる。また、この製品には音源ソフトが付属している。ひとつはEighty Eight Ensembleというピアノを主とした音源だ。これを使用するためにはM-Audioのサイトにユーザー&製品登録をしホームページからダウンロードすることになる。その手順を踏まえると実はもうひとつXPand!2という音源もDLできることが判明。これが美しいパッド系の音色を備えたとても素晴らしいプラグインソフトでとても気に入った。いくつかの音色を重ねて記憶させることもでき、遙か昔にDX7のブラス音とJUNO106のパッド音をミックスして作ったお気に入りのサウンドを思い出した。これら二つのソフトはプラグインとしてのみ使用可能で共に単独で使うことはできない。
 こうして新たなソフトシンセを加えることができたので、ここでホームスタジオ風に自室をレイアウトしてみた。フルに使えるので4畳半の洋室でも余裕がある。iMacにはCubase7と各ソフトシンセ、オーディオ・インターファイスとしてZOOMのR16、USBコントローラーはKEYSTATION49、さらにギター関係ではフェンダー・メキシコのテレキャス+BOSS ME-25(マルチ・エフェクター)とマーティン M-36の2本。
 さて、あとは素材である。しばらく音楽制作に取り組んでいなかったのでこれが問題。これからの秋の夜長を有効活用するよう頑張ってみたい。


ザ・ビートルズ追体験その後、と「マジカル・ミステリー・ツアー」EP盤

2014年08月05日 | ザ・ビートルズ
 ビートルズファンの私はビートルズ結成50周年の昨年を記念し密かに実行を決めていたことがあった。それは50年前のリリース日と同じ日に彼らのアルバム(LP)をアナログ盤で聞きビートルズの勢いを追体験しようというものだ。

 昨年3月のPlease Please Me、11月のWith The Beatlesそして今年1月のキャピトル盤Meet The Beatlesは何とかこなしたが、異動による転勤のためこの4ヶ月は余裕がない状態で、全く対応ができなかった。この間、US盤The Beatles’ Second Album(4月10日)、UK盤 A Hard Day’s night(7月10日)、USA盤Something New(7月20日)の3枚が50年前にリリースされていて追体験しておかねばならなかったアルバムであったのだが、実行できずにとても残念であった。実はA Hard Day’s Nightはまだアナログ盤を所有していないので何とか購入しようとも思っていたのだが、その機会も逸してしまった。この後は12月4日にBeatles For Saleをターン・テーブルに乗せることが目標となる。

 さて、そんな状況の私だがこのたびMagical Mystery Tour のEP2枚組の日本盤を手に入れた。1968年3月のリリースだという。ブックレットには英語版対訳が載せられている。当時かなりのセットが売れたそうなので決して貴重盤ではないが、ファンとしては手にしておきたい1枚だと思っていた。ジャケットも盤も美品でなかなか楽しめる。追体験だと今から4年後に聞くことになるのだが、さすがにそれまでは待てず何度も針を落としている昨日今日である。

角川文庫新訳版エラリー・クィーン国名シリーズ後半が登場

2014年08月04日 | ミステリー小説

 いよいよ角川新訳の国名シリーズ刊行が再開された。先月登場したのが「アメリカ銃の秘密」。こちらの帯には「新訳決定版国名シリーズ後半刊行スタート!」のコピーが。ということで、以下7 シャム双子 8 チャイナ橙 9 スペイン岬…と続くことになるだろう。創元版に組み込まれていたニッポン樫鳥は本来国名シリーズではなかったので、恐らく含まれないと思うがどうだろう。

 さて、今まで再三触れた角川文庫の新訳だが非常に読みやすく(ついでに印字も大きめ)、その越前敏弥氏+1名の翻訳体制は変わらず。ここまで欠かさず読んできたので今回も迷わず購入。この作品も犯人指摘場面の印象が強くてよく覚えているのだが、ストーリーについてはすっかり忘れている。従って改めて楽しく読めると思う。今後の刊行も大変楽しみである。

 ちなみに、創元推理文庫版の新訳は「ギリシャ棺の謎」が出た。こちらもシリーズが続くようである。