ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

森高千里「ザ・森高」のアナログ盤が到着!

2017年11月06日 | 森高千里
      

 2016年7月に発売された森高の映像作品「ザ・森高」ツアー1991.8.22 at 渋谷公会堂6枚組完全初回生産限定BOXに含まれていた2枚組LPが単発で発売された。これは91年リリースのリミックスやアルバム・ヴァージョンを集めたベスト・アルバム「ザ・森高」をLPレコード化し、そのBOXにて初お目見えしたものである。アナログ・ファンであり森高ファンである私は買わないわけにはいかない。そして本日届いた次第である。

 このアルバム、なかなか面白い。曲を当時流行のエレ・ダンス風に味付けしたアレンジが多いが、中でも「ザ・のぞかないで」が以前ここで述べたように「ドスケベ・チカン・変態」などのワードを用いた最大級の怒りソングとして存在感があまりにも凄い。他に「臭いものにはフタをしろ!!」というとんでもないタイトルの2ヴァージョン・ロックンロール、「だいて」「雨」「この街」などの名曲、寸劇入りの「ザ・ストレス」などなど聞き所満載である。それが180g重量盤レコードで味わうことができる。そして、帯を見て知ったのだが、本LPは「2017年最新リマスター」であるとのこと。ということは、昨年のBOXとは違うアナログ盤なのか???
      
 ともかく、まずはLPサイズのジャケット。小さなCDのブックレットとは全く違うその大きさ、重量感!とりわけ中ジャケの20人の森高、素晴らしい!残念なのは帯にも説明書きがあるが、歌詞カードやCDに付属していた写真集がまったくないこと。これはCDの方で我慢するしかない。

 そしてレコードに針を落とす。リマスターのせいなのか、全体的にシャープで耳に真っ直ぐ届いてくるようなサウンド。私のシステムでは低音不足があるのだが、それをもカバーする素晴らしい音質である。2枚組4面にわたって音が刻まれているから、盤を裏返し、取り替えながら聴く作法も実に良いではないか。盤の中心のレーベルが各サイド色違いなのも楽しい。

 彼女の若々しい歌声(時には一言)をこのようにレコードで聴くことができ、大変満足した私である。明らかに森高に対しては私も「ただのミーハー」なのであった。

森高千里がライブ活動再開

2012年12月28日 | 森高千里
 9月20日のブログで森高千里について書いたが、その後もセルフカバー200曲に挑戦している彼女の単独ライブがいよいよ行われることになった。結婚・出産等で活動を休止した後、たまに音楽イベントのステージに立つ姿を見たり、最近はテレビの歌番組に出ることもあったが、自身のライブ活動は98年以来15年ぶりである。(妻と私が最後に見てからもうそんなに経つのか…!)先日「渡瀬橋」の歌詞に出てきた八雲神社の本殿が全焼してしまったというニュースが報道されたが、その足利市にて3月に行うそうだ。これは全面的に応援したい。と言っても実際に今回のライブには行けないので、精神的に応援する。40歳代になり、そろそろ「私がおばさんになる」頃でもアーティスト魂を忘れることなく頑張ってほしい。できれば新曲のリリースもお願いしたい。

 さて、最新のベスト盤では3枚組3期に構成されていた森高の楽曲だが、私は大きく2期に分けられると思う。デビューからアルバム「ラッキー7」までを前期とした打ち込み中心サウンド、そして「ペパーランド」からが後期としてバンド的サウンド。後期は森高自らが楽器をプレイするようになり、前期とは全く違った音づくりをしている。前期の中で私が好きなのは「ザ・森高」という準ベスト・リミックス・アルバム。この中の「ザ・のぞかないで」という曲は歌詞がかなりショッキングである。今でいうとセクハラを訴えた怒りソングなのだが、最近のアイドル、例えばAKBなどは絶対に歌わないだろうなと思われる内容の歌だ。また、「非実力派宣言」というアルバムも良い。出世作の「17才」が2バージョン収録されている上に、「夜の煙突」はカーネーションというバンドが曲と演奏を担当しており、エッジの効いたノリの良い曲だ。他にも好きな曲はたくさんあるが省略する。後期の曲は、たくさんヒットチャートを賑わせたのでそれらについて触れるまでもないが、派手な衣装の視覚的イメージがだんだんとなくなり、よりアーティスト志向が高い落ち着いた雰囲気の曲が増えたと思う。逆に言うと、前期の奇抜さや、ちょっと他とは違うという面白さに欠ける気はするが。

 主婦となりママとなった森高が今後どのような音楽活動をするのか。現在が中期だと言えるように、これからも長く活動をしてほしいと思う。


アーティストとしての森高千里

2012年09月20日 | 森高千里
 私は森高千里が好きである。彼女は単なるアイドルではなかった。初期の頃から作詞をし、それもミーハーだのストレスだの、ちょっとありきたりではない視点での歌詞を書いていた。「ザ・のぞかないで」「ハエ男」などのいわゆる「怒りソング」や子供の日常的にあり得る出来事を歌った「みつけたサイフ」、ゴキブリ退治の苦労話をネタにした「バスターズ・ブルース」、私自身の仕事でも活用させてもらった「勉強の歌」などなど、その独自の言葉世界には目をみはるものがあった。やがて、レコーディングにおいてドラムを自ら担当するようになり、それもリンゴ・スターに影響を受け、ビートルズサウンドの自らの楽曲へのオマージュを追求した。こうした、何だかちょっと変わっててイイ部分とルックスの派手さや美しさが微妙にミックスされ、私は長年彼女のファンを務めることとなる。何と、私が全てのCD(オリジナル・アルバム)を所有しているアーティストは森高千里とジェネシスである。最新の3枚組シングルコレクションももちろん購入。加えて、森高については2枚を除きほとんどレーザー・ディスクを持っている(写真~含アナログ盤LP)。

 私が彼女の曲を聴き始めたのは、かの名曲「私がおばさんになっても」の頃で、アルバムはRock Alive のあたり。それ以前のアルバムは、写真集付きの初回限定盤はプレミアがついていて、金銭的にはなかなか手に入れるのに苦労したが、とうとうコンプリートしてしまった。

 実は、家内が先に森高好きになり、ファンクラブに入っていた。ライブも、Rock Aliveツアーから出向き、ファンクラブ優先販売でチケットを購入し続けていたのだが、ある時ついに最前列が当たり、喜んで出かけた。すると何と、「今日は男の方も女の方もいらして、とてもうれしいです。そちらはカップルですか?」と森高から話しかけられたのである。我々が、夫婦です!と叫ぶと、「お子さんはいらっしゃるんですか?」とさらに聞かれ、しかし言いよどんでいると「あ、余計なお世話ですよね。」と自己完結し、会場の笑いを誘うという技に出た。その時の状況を、私は森高と話したことがあるんだ、と後々周囲に自慢することとなる。

 森高の特記すべき点はまだある。ライブで歌詞を忘れたり、衣装に引っかかり転んでしまう場面をビデオに収録したままリリースしてしまうのである。普通ならカットするだろう。そして、ライブ終了後のトーク場面において、またまたやってしまいましたねぇ、と堂々とコメントもするのだ。これら全てがアーティストしての森高千里のコンセプトなのだ。今はYouTube にセルフカバーした一連の曲を投稿しているようだが、音楽活動再開のプロローグとして、頑張って欲しいと思う。

 最後に、辛口の感想をひとつ。せっかくの優れたオリジナル曲が多い中で、アレンジ的に当時のはやりを借用した部分がなきにしもあらず。例えば、名曲「ストレス」はM・ジャクソン「スリラー」の、「鬼たいじ」は同じく「ビート・イット」の、「コンサートの夜」はボストン「ドント・ルック・バック」の影響をモロに感じる。もう少し工夫があっても良かったのではないか。いや、実はそれも狙いだったのだろうか? ただし、ボサノバ好きの私としては、「ボッサ・マリーン」「星の王子様」両曲の夢弦(むげん)サウンドについては秀悦と感じている。