ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

ザ・ビートルズ「The U.S. Albums」のペーパースリーブ

2013年12月27日 | ザ・ビートルズ
 1964年ビートルズがアメリカ上陸を果たし、またアルバムMEET THE BEATLES が発売されてから来年が50周年にあたる、ということでアメリカ・リリースの作品が来月発売になるそうだ。発売の50年後の同日にLP追っかけ視聴をしている私としてもそう言われて初めて気がついた。

 そして前回この話題に触れて以降も紙ジャケットの作りが気になっていたが、商品説明をよく見ると、国内盤も「US制作」となっていた。ということは、前回のリマスターTHE BEATLES IN MONO や THE CAPITOL ALBUMS VOL.2 の国内盤とは違って、日本製作紙ジャケではない。従って日本語解説の不要な私としてはこのボックスセットも輸入盤で購入して良さそうだ。その後の価格を見ると、国内盤の31,500円に対し輸入盤は18.000円台になっているので、その差は大きい。

 それにしても THE CAPITOL ALBUMS VOL.2 国内盤の日本製紙ジャケは素晴らしかった(写真)。直接パッケージに印刷されるのではなく土台となる紙に印刷されたカバーが貼られている、いわゆるA(アメリカ)式ジャケットがしっかり再現されている。これを手に取りながらすべての紙ジャケ&ビートルズファンは至福の時を過ごしたことだろう。私もその一人だが、今回のThe U.S. Albumsでのペーパースリーブの完成度に期待したい。リリースまであと1ヶ月である。


THE U.S. BOX ザ・ビートルズのアメリカ盤アルバム・ボックスセット発売

2013年12月13日 | ザ・ビートルズ
 この年末年始に、またまた懐が軽くなりそうな話題が届いた。ザ・ビートルズのアメリカ・リリースの各アルバムがCD発売されることになったのだ。それが単体のみならず、THE U.S. BOXというタイトルでボックスセットとして来年1月22日に国内発売となるそうだ。(ユニバーサル ミュージック合同会社 公式サイト http://um-llc.jp/beatles/ )

 最近アマゾンのサイトを見ていたら、Yesterday and Today などのキャピトル盤のCDが発売予定として掲載されていたので、あ、出るんだ、くらいにしか思っていなかった。公式サイトによるとこのボックスセットには64年のMeet The Beatlesから70年のHey Judeまで13枚のアルバムを収めるという。つまり、キャピトル・レーベルにとらわれず、ユナイティド・アーティストから出たA HARD DAY’S NIGHTのサントラ盤も含まれているのだ。(私はこのアルバムが欲しかった!)さらにTHE BEATLES STORY, YESTERDAY AND TODAY, REVOLVER(アメリカ版), HEY JUDEは初CD化となる。PVを見ると、YESTERDAY~は、あのブッチャーカバーも同包されているかのように見える(未確認)。

 以前にも書いたが、私にとってのビートルズはキャピトル盤から始まった。よって愛着が深くアナログ盤も買い集めている。当然、かつて出た64BOXも65BOXも中古だが手に入れた。その後このシリーズは続かず残念に思っていたところ、今回の発売である。前回のボックス同様、ステレオとモノの両バージョンが同時収録されるとのこと。また、09年の全曲リマスターを行ったスタッフ等によって今回も新たなリマスターがされているそうだ。

 65BOXでは国内盤の紙ジャケが素晴らしかった。前回のモノマスターのジャケットもオリジナルのレプリカだった。今回もその作りに期待するところだが、現在アマゾン・ジャパンで見られる国内仕様と輸入盤(こちらのボックスはThe U.S. Albumsとの表示)の写真を比較すると微妙にパッケージの厚さが違うようにも見える。もし65BOX時のようなジャケ違いがあるとしたらどちらが良いのか迷ってしまう。輸入盤の価格が5千円ほど安いからだ。いずれにせよ、この急な出費にどう対応するか思案することになりそうだ。


Walkmanへの転送ソフトがMac OS対応に!

2013年12月07日 | 音響製品

 本日、新しいWalkmanのラインアップが発売された。そしてその中のひとつ、MシリーズのNW-M505ブラックが昨日手元に届きフライング・ゲットした。サイズは16GBである。こちらの製品はスティック型と言おうか、全く新しいタイプのWalkmanで次のような特徴がある。
1 ソニーの高音質技術S-Master MXを搭載。臨場感あふれるサウンドが楽しめる。
2 デジタルノイズキャンセリング機能は従来どおり。
3 ワイアレスステレオヘッドセット機能を搭載し、1と2の機能でスマートフォンの音楽をWalkmanで再生できる。
4 再生中にかかってきた電話への対応もWalkmanで操作可能。

 しかし、今回のアナウンスで一番嬉しかったのは、楽曲を転送するソフトが新たにMac OSに対応したことである。私はマック・ユーザーなのだが今までNW-E063というWalkmanを使い、ノイズキャンセル機能を駆使しながらその音の良さを楽しんでいたのだが、曲を転送するために改めてWindows PCを立ち上げてCDを読み込んでから転送するという作業を行っていた。これが大変面倒であった。ところが、この度それがMac PCでも可能となったのである。ということは、これまで自分が貯めた豊富な楽曲がそのままWalkmanで再生できる訳である。マック上にWindowsを立ち上げない環境にいる者にとって今回の対応を歓迎し、それがこの製品購入に至った最大の理由である。

 NW-M505 が届き早速私のMacと繋げてみる。デスクトップにWalkmanが表示され、その中にContents Transfer for Macというソフトのインストラーが置かれている。インストールが終了するとContenrs Transferというソフトが立ち上がる。ここにiTuneのミュージックライブラリー画面からドラッグ&ドロップするとWalkmanに曲が転送される。もしプレイリストを選んでそのままドラッグ&ドロップするとそのままプレイリスト名もWalkman上で表示される。ただし、旧製品はMacに繋げてもこのソフトにおいては無反応。Mac OSで可能なのは今回の新製品からと思われる。

 スマートフォン(私の場合はiPhone5S)の音再生はBluetoothを利用する。お互いに機器を認識させるとすぐに再生ができる。On-offなどのコントロールもWalkman側で可能。私はiPhoneに音楽をほとんど入れることはなかったが、今後はせっかくのこの機能を有効活用してみようという気になった。

 再生中の曲表示などは3行程度の小さな文字のみなのであるが、純粋に音楽を楽しみ、必要に応じてスマートフォントとの連動をさせる程度の楽しみ方で良ければ充分満足できる今回の新製品である。

<追記>
 こちらの製品はギャップレス再生に対応していない。使用してみて判明。ライブ盤などを聴く機会の多い私には大変残念だ。この場合、ギャップレスに対応するiPhoneで再生しwalkmanに飛ばして聴けば良いのだろうが、この部分は改善して欲しいものだ。
 また、macの利用は以前からできるという指摘もいただいた。だとしたら今回の話題は私の認識不足としてご容赦願いたい。確認する余裕なしですみません、、、


'On Air' LIVE AT THE BBC VOLUME2/ザ・ビートルズ

2013年12月06日 | ザ・ビートルズ
 購入前に疑問に思っていたダイアログ・トラック。このアルバムがラジオ番組であるという設定(on airは放送中の意味)から、番組風に曲の前後になされる紹介、あるいはメンバーの声ということだ。これはBBCライブVol.1も同じなのでもっと早く気がつくべきだった。しかし、そんなことはたいしたことではない。やはりビートルズはイイ。演奏がカッコイイし歌もうまい、特にAsk Me WhyやThis Boyでのハーモニーは見事。演奏しながら歌っているのだから、当時の勢いを感じる。シングルヒットした曲もたくさん聞かれ、公式録音にはない曲もあるようだが、関係なく一気に聴けてしまう。ライブバンドとしてのザ・ビートルズを堪能できる。
 各ディスクの最後にはメンバー4人それぞれのインタビューが入っている。日本版には対訳が載っているそうだが、私が買ったのは輸入盤なので聞き取るしかない。良い訓練だ。ジャケット写真の4人の姿も気に入ったが、背景とは合成かもしれない。
 ちなみにVol.1の方、手元の94年版CDとリマスター盤のクレジットを見比べるとトラックス数が増えている。ダイアログ・トラックが2本新たに加わったようだが、私は購入していないので詳細はわからない。
 レコードコレクターズ12月号の特集では、Vol.1とon air収録の全曲解説が載っているので、これを見ながら聞くとより理解が深まるだろう。


イエス「危機」Blu-ray & DVDと2013ミックス

2013年12月04日 | プログレ
 サラウンドミックスされたイエスの「危機/Close To The Edge」DVD盤と Blu-ray盤はそれぞれCDとの2枚組で、そのCDは両者同じ仕様である。Steven Wilsonが手がけた新たなステレオ・ミックスによる「危機」全曲とサイモン&ガーファンクルのAmerica、そしてClose To The Edgeの初期ラフミックスが収録されている。2013ミックスによるCTTEの印象は、今までのものより音がクリアになり、各楽器がより鮮明に聞かれとてもすっきりとした全体像となっていると感じる。その分、初めてLPで聴いた時の荒削りな迫力感に欠けているような気もするが。冒頭の「アー」というヴォイスは中央定位から両サイドに分かれ聞こえるなど若干の相違はあるが基本的に従来の音像どおりの作りとなっているようだ。良い音で、より細部まで聞き込みたいという場合にはこのミックスは良いのではないだろうか。40年前の作品を前に新鮮な気持ちになれるのも確か。

 さて、Blu-ray盤にはいくつかのフォーマットが収録されている。その違いを調べてみたが、まず5.1サラウンドミックスによる曲はリニアPCM(圧縮なし最高音質)とDTS-HD(スタジオマスターのクオリティを再現するDTS音声最高品位)の両方で収録されている。リニアPCMでは24bit/96kHzで2013ステレオ、オリジナルのステレオミックス、ヴォーカルなしの演奏のみヴァージョン(つまりカラオケ)、マトリックスA1/B1であるヴィニール盤を起こしたUK vinyl transferが。そしてAmericaのオリジナルミックスとシングル化されたボーナスコンテンツは24bit/192kHzで収録。
 DVDの方はDTS96/24(DVDによる24bit/96kHz フォーマット)で5.1サラウンドの全曲、そしてMLPロスレス(PCMオーディオデータを圧縮しCDより高音質)フォーマットでも5.1サラウンド全曲と2013ステレオミックスが収録されている。

 収録の状況は以上のとおり。我が家の装置は一応各フォーマットを再生できるが、高額のスピーカーを使っているわけではないので(それでも音の良さは実感できるが)、ただ単純に発表当時の頃を懐かしみながら、大好きな「危機」を楽しんでいる。


「東西ミステリーベスト100」より4作③「11枚のトランプ」

2013年12月03日 | ミステリー小説
 子どもの頃はだれしも手品にあこがれるものだろう。人を驚かす快感は大人になっても変わらない。そして、特別な器具を揃えずにそれが可能なのがトランプである。私も小学生の頃、トランプ・マジックの子ども向け指導書を買って熱中した時期があった(写真右)。単純なタネであればあるほど、ばれずに驚かれるという経験もあり、けっこうはまった。だから、本書「11枚のトランプ」(泡坂妻夫)というタイトルに私が惹かれたのも無理はない。かなり若い頃に一読しているのだが中身はすっかり忘れていた。今回再読して知ったトリックとその伏線の置き方には改めて感心した。
 作者自身も一流の奇術師だったという。そして、この作品の素晴らしさのひとつは、「11枚のトランプ」という作中小説にある。登場人物一人ひとりに関わる、決して一般的には披露できない限定的な手品・マジックが合計11本用意されている。マジックのノウハウも述べられながら、一見不思議と思われる現象があっさり種明かしされている。この部分だけでもとても読み応えがあるのだが、これがこの物語の一部として、実は犯人解明につながる手がかりとなっているのだ。そして探偵役の人物が解明した真実も最後の最後で大逆転される。何とも鮮やかな終わり方であった。手品に夢中になった幼い日の頃を思い出しながら読むことができた。なお著者には美貌の女奇術探偵「曾我佳城(そがかじょう)」を主人公とした奇術にまつわる短編集が2冊出ている(秘の巻・戯の巻)。私は未読だが、古本で手に入れている。これから読むのが楽しみだ。

 以上、4作品を紹介したが、どれも昭和の香りのする、古き良き時代のミステリーであった。「東西ミステリーベスト100」には未読の素晴らしい作品がまだまだたくさんあるということで、ミステリー小説ファンとしての私の探求はこれからも続く。


「東西ミステリーベスト100」より4作②「人形はなぜ殺される」「黒いトランク」

2013年12月02日 | ミステリー小説
 御手洗探偵と同様に有名な神津恭介が登場する「人形はなぜ殺される」(高木彬光)は、このタイトル自体がとても挑戦的だ。著者は序詞の中で「この題名はそのまま、…読者諸君への挑戦の言葉」であることを示し、そして実際その意味・理由がわかった時、全ての真相が明らかになる。さらにこの作品では、魔術・奇術・降霊術などの要素が絡んでおり、ジョン・ディクスン・カーのような怪奇趣味の雰囲気を味わうこともできる。この光文社文庫版では「彬光とカー」というタイトルで二階堂黎人氏が一筆寄せているが、そこでは高木彬光もカーを愛読し翻訳さえしたと紹介している。確か「刺青殺人事件」は密室ものだったから、著者とカーの思いには似たところがあったのだろう。そして本格ものを扱ったという意味では「読者への挑戦」が二度もなされていることから、この作品は著者にとって自信作であったに違いない。私自身は限定された怪しい人物達の中で作者のミスディレクションにまんまとひっかかり、犯人を特定することはできなかったが、「意外な犯人」、それを示す伏線など推理小説の醍醐味を感じることのできる、存分に楽しめるストーリーだった。

 「黒いトランク」(鮎川哲也)は「ミステリーベスト100」を見るまで知らない作品だった。たまたま光文社文庫版を古本で見つけたので読んでみた。これはアリバイ崩しのミステリーだ。この手の物語は犯人の目星がつき、その行動を追い、どうしてもアリバイが成立するのを何度も仮説を挙げては崩そうと推理する、そしてそれを実証するために足を使って捜査するというのが定番だ。特にこの作品は「樽」と比較されるという。確かにフレンチ警部で有名なクロフツの作品もそのような筋立てだった印象があり、急な展開はないけれど少しずつ真相に近づいていくという地味な面白さがあった。本作はある意味主人公の「トランク」がどのような動きだったのかが問題となり、しっかり考えないとついていくのが難しい。メモを取りながら読んだというレビューもあったほどだ。ただ、他の3作品と違って事件を追う警部の過去の恋という要素が盛り込まれているのが全体の緊張感を和らげている。この作品は警察署間の情報のやり取りを含め、確かに足で稼ぐ作品だ。しかし、少しずつ真相に近づいていく中で、最後の大きな謎が立ちはだかる。その解決を待つことができずに最後まで読んでしまうという、通好みの良作である。