ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

ザ・ビートルズ「サージェント・ペパー」の2017ニュー・ステレオ・ミックス盤

2017年05月29日 | ザ・ビートルズ
 「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」発売50周年を目前にした今日、注文していたリミックス盤が到着した。一聴しただけだが、このニュー・ミックス盤は特筆すべき出来である。

 私が購入したのは2CD ANNIVERSARY EDITION。ボックスの中にブックレイトと2枚のCDが紙ジャケットに収められている。組み立てのオマケもミニヴァージョンで付属している。CDは1枚が本編のリミックス(ニュー・ステレオ・ミックス)で2枚目はリハーサルの音源がアルバムの曲順に収録されているのに加え、「ストロベリー・フィールズ」の2015年ミックスと「ペニー・レイン」のニューミックスが収められている。

 本編のニュー・ステレオ・ミックスに向けて、ジャイルス・マーティンは限られた素材に対しとても丁寧に処理をしたのだろう。かつてYellow Submarine Songtrack でのリミックスを聴いた経験はあったが、サージェント・ペパー・アルバムにおいて左右のバランスが良く、そしてヴォーカルが自然に中央から聞こえてくるなんて感動ものである。また、ベースやドラムのリズム・セクションもくっきりかつ安定したサウンドだ。どの曲も今の時代のバンドCDを聴くような仕上がりに思える。さらに聞き込むと音的に今まで気がつかなかった新しい発見があるかもしれない。

 モノ盤とステレオ盤において大きな違いが聞かれたタイトル曲のリプライズの素材は、モノラル・ヴァージョンの方を採用しているようだ。SHE'S LEAVING HOMEのテンポもモノラルの方だろう。つまり今回の50周年アルバムはオリジナル・モノラル盤がステレオ化された全く新しい作品であるとも言える。LOVEでのリミックスによるビートルズ・ナンバーを聴いた時の驚きと同様の感覚である。何度も聴いてきた本アルバムだが、当分の間ヘビー・ローティションとなりそうだ。

 そして、来る6月1日がいよいよ「サージェント・ペパー」の50周年である。

アナログ・コレクション:サントラLP「パリのめぐり逢い」フランシス・レイ

2017年05月27日 | ミュージック
 「男と女」同様、小学生の頃に聴いた一連のフランシス・レイ作品は「あの愛をふたたび」「個人教授〜愛のレッスン」「さらば夏の日」など。特に「愛の〜」と「さらば〜」はラジオのチャート番組でも人気が高く、よくかかっていたものだ。そして、もうひとつ印象的だったのが「パリのめぐり逢い」である。私はこの映画を一度も見ていないのだが、当時関光男氏のラジオ番組で頻繁に紹介されていた記憶があり、曲はすっかりお馴染みになっていた。レイの弾くボタン式アコーディオンと思われるイントロから始まる美しいメインテーマの他に「キャンディスのテーマ」「カトリーヌのテーマ」の3曲がよく放送され、これらを元に私の想像の中では映画が完成されていた。

 こちらに紹介するのはUS盤サントラ。本国盤ではないためかネットで安く手に入ったが、アナログ盤としての音はとても良いと思う。安心して聴くことができるので、時々ターンテーブルに置いて楽しんでいる。米タイトルはフランス語VIVRE POUR VIVREをそのまま英訳したLIVE FOR LIFE。が、日本題の「パリのめぐり逢い」は全く異なったロマンチックな印象をもたらしているので、かなり日本人受けしたのではないだろうか。こうしたセンスはさすがである。


「男と女」フランシス・レイ/サウンドトラック・リマスター盤CD

2017年05月21日 | ミュージック
 フランシス・レイの映画音楽は自分が小学生の頃から大好きな存在であった。なかでも「男と女」は名曲だ。昨年そのサントラのリマスター盤が発売された。私は数十年前にパリにて購入した「パリのめぐり逢い」とのカップリングCDとフランス本国発売のアナログ盤(レーベルから後発プレスと思われる)を持っているのでその購入をどうしようかと迷っていた。

 カップリング版は、これまた名曲である「パリの〜」のサントラ作品も同時に楽しめるため、かなりお得なCDである。ところが、冒頭の「男と女」のメインテーマ曲の最後がLP版と違ってフェードアウトするという不思議な処理がなされていた。もしリマスター盤が修正されているなら間違いなく買いである。その実情はわからなかったが、各ネットショップで若干ディスカウントされている状況もあり思い切って注文してみた。

 結果としては1曲目のフェードアウトはなし。そして、音がとても良い。「今日、あなたが」「あらがえないもの(別訳:愛は私達より強く)」などしっとりとした雰囲気のある曲も新たな魅力で耳に入る。リマスターの恩恵が実感できた。また、リーフレットには写真、解説、歌詞・訳詞も掲載され充実している。

アナログ・コレクション:プライベート盤LPジェネシス …live・from the mouth of the monster…(2枚組)

2017年05月11日 | プログレ
 ジェネシスのフィル・コリンズ・ヴォイス時代ブートレグ盤として紹介したい次のアルバムがこれ。録音が1978年10月のシカゴで、翌年初来日した彼らの「そして3人が残ったツアー」の模様を聴くことができる。つまりツアー・ギタリストのダリル・スターマーが初めて加わった演奏と曲目として、日本公演と重なる内容なのだ。音質もサウンドボード録音で良い。日本公演で演奏されなかったDANCING WITH THE MOONLIT KNIGHTなどもここではプレイされており、大変聴き応えのあるアルバムだ。

 記憶がはっきりしないのだが、恐らく来日公演に行った後で購入したと思う。その頃にはジェネシスのコピー・バンドもやっていたので、このアルバムをメンバーに貸してコピーの参考にした。特にRipplesなどは2台の12弦ギターの重なり方を解読するのに大いに役立ったものである。当時、何度も繰り返し聴いた貴重な音源である。(後の94年にこの公演の全曲版CDがイタリアのレーベルから出ている。)

アナログ・コレクション:プライベート盤LPジェネシス WHITE MOUNTAIN U.K. TOUR 1976

2017年05月07日 | プログレ
  

 ジェネシスのフィル・コリンズ・ヴォイス時代のブートレグ盤として名作なのはまずこの一枚。1976年のA TRICK OF THE TAIL ツアーとして、ドラムスにビル・ブルフォードが参加した時期のもの(公演場所・日付等詳細の記載なし)。これを購入した当時はオフィシャルのライブ・アルバムSECONDS OUTがリリースされていたが、ブルフォードの演奏は1曲のみの収録であった。そのため店頭でこれを見つけた時には即購入。サウンドボード録音のため音質も良く、また演奏が素晴らしい。特に初期のアルバムTRESPASSに収録されていたWHITE MOUNTAINが取り上げられていて、この曲の良さを再評価することになった。さらにクレジットにはないがFLY ON A WINDSHIELDが歌詞なしのツインドラムスで演奏されているのも感動的だった。
  
 A面B面びっしりと収録されているがLP1枚では全曲をまかないきれないだろう。そのため後に同じ日の音源のCD盤を探したが、「恐らく」これと思われるのが、ロンドンのハマースミス・オデオン、1976年7月10日録音盤。全13曲が収録されている。

ローランド・アナログシンセサイザー JUNO-106

2017年05月03日 | シンセサイザー
 これが最近入手した楽器である。今現在もテクノ系に人気が高い、アナログの6音ポリフォニック・シンセサイザーJUNO-106。三十数年前、この楽器を借りてしばらく使ったことがある。その所有者から、このたび引っ越しすることになり、不要だからもらってくれ!との申し出があった。何とも嘘のような話である。もちろん喜んでその話を受け入れ、そして今目の前にこれがある。もしこれがオークションで入手したものだとしたら、大変な美品と言えるだろう。何よりもかつて自分が実際に使用した思い出の一品でもある。
   

 ここ数十年は全く電源も入れず使用していなかったそうだ。そして経年劣化によって不調になりやすいのがこのシンセの特徴である。現象としては6音ポリなので6つあるカスタム・チップ(発信器)がだめになる場合が多いそう。そんな情報が耳に入っていたため電源を入れるまで不安が大きかったが、幸い問題なく発音してくれた。しかし、プリセット音がすべてクリアされていて、また作った音色の保存ができなくなっていた。これは内蔵電池の消耗と考えられた。実際にカバーを開けて中を見てみると丸形電池を見つけることができるのだが、これが基盤に直付けされていて、交換するためには技術と工夫が必要。さすがに力不足であった。自前の修理は無理であると判断し、東京のオープンエアースタジオさんに依頼した。本工房はJUNOの修理に関しては様々に対応できるとのことで、見事復活して戻ってきた。
   

 JUNO-106は前面パネルのスライダーやスイッチを操作して音を作るシンプルさがとても良い。ソフトシンセを含めデジタル系のシンセはほとんど音を作ることがなくプリセット音のみを使用していたが、この106では音色作りが実感できるのである。ADSRの波形やフィルターの掛け具合など、かつてはこの楽器をとおして学んだものである。そして、内蔵されたコーラス。それによって作られたパッド系、ストリングス系の音が抜群に良い。DX7のブラス音とMIDIでミックスしたサウンドは本当に素晴らしいと思う。このパッド音が好きで後にα-JUNO 2を購入した私だが、今2台を聞き比べてみるとよく似た音色を出すということが改めてわかった。従ってα-JUNO 2も一生キープである。(何でも"フーバー音"というシュパシュパした音を生み出すシンセとして一部のミュージシャンから重宝されていると言う。)
   


 SE-50 による空間エフェクトを加えながら、古き良き時代の良きサウンドを奏でてくれるJUNO-106。いつ壊れるかわからないというスリルを感じながら、大切に使っていこうと思う。