ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

「2025本格ミステリ・ベスト10(原書房)」を読んで

2025年01月21日 | ミステリー小説

 2025年が明けて早くも1月の下旬に差し掛かってしまった。投稿が久しぶりであることをお許しください。ここまでの間何もやっていなかったわけではなく、先週まで音楽活動に取りかかっていた。「かあこ&橙水車」というユニットでこのたび松田聖子の「瑠璃色の地球」という曲をカバーさせて頂いた。これに2ヶ月くらい集中して、ようやく一息ついたところである。よければ下のリンク先(YouTube)でお聞きください。

 さて、私が好きなのはプログレッシブ・ロックとミステリ小説である。昨年末に恒例の「このミス」が発刊されたが、実は私は原書房から発売された「2025本格ミステリ・ベスト10」(探偵小説研究会・編集)の方を見ている。この「本格」というのがミソである。色々なタイプのミステリがあると思うが、ロジック・トリック・伏線・意外性そして謎解きなどがちりばめられた本格ものこそ私が求める作品なのである。

   

 この中で最初に「2024国内本格ミステリ・ランキング」として30冊の小説が紹介されている。だが、何とそれらの中で読んだ作品は26位の「明智恭介の奔走」(今村昌弘)のただ1冊のみであった。この1年の間に自分の知らない優れた本格ものが他に29冊もあるとは!今となって知る事実にあまりにも悔しかったものだから、第9位「冬期限定ボンボンショコラ事件」(米澤穂信)、第10位「案山子の村の殺人」(楠谷佑)、第17位「日本扇の謎」(有栖川有栖)の3冊を立て続けに購入。現在「日本扇…」を読んでいる最中である。

   

   

 新刊に対してしっかりとアンテナを張り巡らせていた訳でもないのでこのような状況は仕方がないのかもしれない。だからこそこうした参考書が必要なのだ。案の定、解説を読むとぜひ読んでみたい!と思わせる作品ばかりであるから財布が痛い。

 一方「2024海外本格ミステリ・ランキング」では10冊が紹介されているのだが、読了したのは第6位の「白薔薇殺人事件」(クリスティン・ペリン)のみで、あと第1位の「死はすぐそばに」(アンソニー・ホロヴィッツ)は購入してあるが未読という状況。わたしは普段は海外物を読むことが多いので他の作品もタイトルだけは見たことのあるものが多くあった。

   

 結局新刊にばかり目を向けていたわけではないからなあ、と思っていたら「2000年代クオータリー・ベスト本格ランキング」というコーナーがあった。これは国内作品の2000年から2013年までの24年間の優れた本格作品をアンケート形式で選出し発表したものだが、トップ10の中に5冊、さらに11から28位までの中で5冊所有する作品が含まれていた。特に第2位「首無の如き祟るもの」(三津田信三)と第8位「medium」(相沢沙呼)は本当に面白かった。前者はホラー+本格ミステリーという大好きなジャンルだし後者は「すべてが伏線」という帯のキャッチコピー以上に驚いたことを覚えている。横溝正史作品のように何度も読んでみたいと思える小説だと思う。そう、結局は読みたいから買って読んだだけなのだが、上位作品の中の10冊を体感できているというこの感覚はちょっとした自己満足である。ただ、圧倒的に高評価の第1位「名探偵のいけにえ」(白井智之)という作品は失礼ながら作家も含めてまったく知らなかった。今後チェックしなければ。

 本格ミステリーの旅は今年も続く。

   

 



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