ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

My Guitar #16 マーティン D-35

2012年11月26日 | ギター
 買ってしまった。もうこれでギターは最後だとの思いで。マーティンD-35である。マーティンについてはサイド&バックがマホガニー製のOOO-1を持っていて、思いの外良い音で鳴っている。現在それは息子が頑張って弾いているギターなので、マーティンのローズウッド製、それもドレッドノートが欲しいと密かに思っていた。すると00年製のこれが、少しお安く販売されていた。マーティンには定番のD-28というギターが存在するが、それと比べるとバックの作りが3ピースであったりトップのブレージングの違いなどが影響するのかとても暖かなバランスの良い音色とのこと。ネットで調べると実際に持っている人達の評判はすこぶる良い。販売店主氏に問い合わせると、「良く鳴るとは言えないが良い音です」と、とても正直な回答。良く鳴らすためには弾き込むことが重要と考え、ここで購入することを決意した。
 そして到着。トップの外見は12年の時間経過からアメ色に変わり、サイドも含めてラッカー塗装上のクラックが数カ所あるが、それほど気にはならない。全体的に経年劣化的な雰囲気ではあるが、大きな破損等はなくネックの状態は全く問題なし。そして音。良い音である。「全音域でバランスの良いサウンドと、優しく柔らかい深みのある音色が特徴的」と言われるが、店主氏の言葉とは逆に良く鳴っている。D-28を実際に弾いたことがないので比較できないが、綺麗な高音と太い中低音を感じ、音量も豊かで存在感のある音色だと思う。12年の時間経過も感じさせる。今後弾き込んでいくことでより自分の手にもなじむだろう。メインのJ-45も気に入っているが、どちらかというとマーチン・ギターの音の方が自分好みである気が徐々にしている。
 ところが、ここで問題が発生したのである。
 D-35が手元に届き、販売店が張った弦がマーティンとのことだったが好みのDR弦に交換。しばらく弾き込んだ。ところが、どう言って良いのかわからないが、高音部分1、2弦のチューニングがなかなか合わない感じなのだ。電子チューナーで合わせるのだが、弾くとすぐ狂って和音が不快に響く感覚である。これは、J-45にもエアーズのO-7にもなかった感触。いったいこのギターに何が起きているのか?しばらく私は悩み続けることとなる。原因が分からなくてこの間、返品や買い換えを考えるまでに至ってしまったのだが…
 結論としては、どうもゲージが細すぎて、このギターのナットの幅に合わず、弦が遊んでしまっているのではということ。以前、あるメンテナンスの専門家からそういう現象が起きることを聞いたのを思い出したのだ。今回張ったDRは私の好みの011~050の細いゲージであった。しかし、例えば4フレットあたりにカポタストをつけて演奏すると極めて安定した美しい音を奏でる。この場合ナットは影響外なので、そうなるのではと推測したのだ。こうなると、弦を張り替えてみる必要がある。とりあえず1、2弦を手元にあったマーティンのミディアム(013~017) に変えてみた。するとどうだろう、今までの現象が嘘のように消え、恐らくD-35本来の、ローズウッドらしい美しく安定した音が聞かれたのだ。
 D-35はピッキングもフィンガーも両方いけるギターと聞いていたので、何も考えずいつもの好みの弦を張ったのだが、こんなに小さく細いナットにおいて10分の1ミリ単位の微妙な違いが少なからず影響するのだということ、そしてこのギターにはあまり細い弦は使えないという教訓を得ることとなった。
 果たしてこの結論が正しいのかどうかはわからない。しかし、今現在私のD-35はようやく本来の音色を奏でつつある。ギターとは何と奥深い世界なのだろうか。

 さて、このブログでここまで私の購入したギターを紹介した。この件についてはこれで打ち止めである。今後もどのギターも大事に弾いていこうと思う。ただ、仕事が忙しいとなかなかその時間も取れないのだが、手指を動かすことで脳が活性化される、というのが私の根拠のない持論なので、演奏力の向上も目指して練習しようと思う。


祭典の日(奇跡のライブ)/レッド・ツェッペリン

2012年11月24日 | ミュージック
 レッド・ツェッペリンの07年リユニオン・コンサートの模様を収録した最新版CD+DVDが到着した。
 私にとってツェッペリンは、かつてはうるさいだけの騒音音楽であった。確か中学時代の同級生の家にファーストアルバムが置かれていて、兄貴がすごい良いって言ってるよ、みたいなことで聞かせてもらったのだが、とても聞く気にならない音楽であった。当時はクリムズンの音楽にはまっていた時期だったのだ。しかし、時は流れ、彼らの5枚目「聖なる館」がリリースされ、その中の2曲目「レインソング」が私に与えた衝撃は大きかった。変則チューニング(これは後で知ったことだが)のギターにメロトロンが加わり奏でられるこの曲の美しさはまるで「プログレ」並に私の心を捕らえたのだ。その結果、このアルバムのA面だけ何度も聞くことになる。その頃からツェッペリンに対する興味が芽生え始め、そういえば中学校の昼の放送で「胸いっぱいの愛を」がかかっていたことなどが懐かしく思い出されるようにもなった。最初の紙ジャケCDがリリースされた時に、3枚目から5枚目までを購入した。3枚目は円盤式のジャケットの面白さ、4枚目は歴史的な名盤であり、5枚目は言うまでもなくという理由だ。3枚目の後半にアコースティック・ナンバーが多くて意外な気がした。そして、紙ジャケのボックスセットが発売されると、SHM-CD ではないアメリカ盤を購入。その後に国内盤SHM-CD の1から5作目を中古などで買い足した。という状況で、私は相当後になってツェッペリンの音楽にのめり込んだ訳だ。かつて渋谷陽一氏が「ツェッペリンの音楽はリフの音楽である。」と言っていた記憶があるが、なるほど彼らのリフは確かにかっこいい。最近ギターを弾くようになり尚更感じるところである。
 07年のリユニオン・コンサートはアトランティック・レコードの創始者へのトリビュート・コンサートとして開催された。当時とても評判になったし、You Tube でも映像を見ることができる。今回のアルバムはもちろん音質的にも映像的にも申し分ない。ロバート・プラントのためキーを下げての演奏とのことだが、それに関係なく楽しめるライブだ。ギターもベースも、そしてジョン・ボーナムの息子ジェイソンのドラムもタイトで乗りの良い素晴らしい演奏だ。プラントも年齢の割に頑張っているではないか。何よりも時々ジェイソンを見る時の他のメンバーの表情が、子供を見る時のような優しに満ちているようで微笑ましい。アルバム「プレゼンス」収録のFor Your Loveという初ライブ披露の曲もある。私は輸入盤2CD+DVDのCDサイズパッケージ版を購入したのだが、映像ではペイジのダブルネック・ギター、テルミンの演奏、「幻惑されて」での弓奏法などの見所もあり、あっという間の2時間であった。5年前の一大イベントが昨日の出来事のように体感できると思う。


ザ・ビートルズ50周年記念#2 アナログ盤再発

2012年11月12日 | ザ・ビートルズ
 この度、2009年版リマスター音源によるビートルズのアナログ盤(LP)が新たにリリースされ、私が注文した2枚が本日届いた。当初、これの告知を見た時、購入するかどうかとても迷った。なぜなら、来年早々にモノラル版のアナログがリリースされるらしいと聞いたからだ。ステレオ版ビートルズを聴いて育った私はモノラルの方に購入意欲がそそられる。実際リマスターCDの方はモノラル・ボックスの方のみ購入した。今回のステレオ版も単品と全品集合+特別ブックレット付きボックスセットが発売となるが私としては、買うならやっぱりモノラル版ボックス!と思った次第である。しかしながら、ディスク・ユニオンさんやアマゾン・ジャパンさんの当該ページを見ると、ファンとしてはやはりステレオ盤のアルバムも手にしたいとの誘惑に耐えきれず、特に好きなこの2枚 Sgt. Peppers と Rubber Soul をディスク・ユニオンに注文してしまった。注文時期が遅かったため、入荷枚数未定により購入できない場合もあるとの但し書きがあったのであまり期待せず待っていたところ、無事に発送のメールをいただき、本日到着したわけだ。
 特に Sgt. Peppers の方は写真のとおり付属品が豪華だ。これから届く人のために小出しだが、サイケなインナー、カットアウト・シート、新たなインサート・リーフレットが封入されていた。また、盤は180グラムの重量があり、黒地に黄色のPARPHONE文字とロゴが美しい。まだ試聴していないが、とても楽しみだ。ちなみに私が購入したのはUSA盤で、一番安価だった上に、DUでは予約割引として10%Offであった。
 そして、右下の写真は50周年記念でリリースされたビートルズのデビュー・シングル Love Me Do/P.S. I Love You のカップリングEPである。入れ物にアーティストの写真がないのだが、これが当時のレプリカなのだそうだ。こちらはアマゾン・ジャパンさんで690円であった。
 さて、問題はモノラル仕様のアナログ盤のリリース時期と特に価格である。こちらも気長に待っていようと思う。

届かなかった「タルカス」

2012年11月02日 | プログレ
 洋楽のCDを購入するときによく利用するのがアマゾンのマーケット・プレイス海外店だ。到着までに最大2週間ほどかかるが値段が安い。というわけで、この度エマーソン・レイク&パーマーの初期のオリジナルアルバム2枚が5.1チャンネル・サラウンド化されたので、某海外ショップに注文した。
 値段を見てこの2枚を別々の店に注文したのだが、ファースト・アルバムの方は順調に到着した。が、2枚目の「タルカス」が、到着期限の2週間目になっても届かない。アマゾンのホームページでは、海外注文の商品は追跡調査ができないようなので、特に何も行動せず、さらに数日待ってみた。とうとう3週間が過ぎた。仕方がないのでショップに問い合わせのメールを送った。即座に返答が来て、結局は輸送途中の事故と判断され、全額返金の措置となった。私にとってこのような状況は初めてであった。いつもはアメリカの某ショップを利用することが多く、今まで一度もトラブルはなかった。今回はヨーロッパのショップで、初めて利用したのだが、このようなことになってとても残念である。いくら安くても、今後この店を使うことはないだろう。結局、タルカスは別の海外店に注文し、約2週間後に届いた。最初に注文してから1ヶ月以上かかった計算になる。
 さて、肝心の内容であるが、このリミックス盤はCD2枚+DVD1枚の3枚組である。クリムズンの最新リミックス(含5.1サラウンド)を行ったスティーヴン・ウィルソンが制作を担当している。その内容は、
・ディスク1:オリジナル・ミックスCD。・ディスク2:ウィルソン自身による変更や曲追加も行った2012年新ミックスCD。・ディスク3:2012年新ミックスによる5.1ch音源とハイレゾ音源のDVD-Audio。
 そして、ファースト・アルバムのDisc2と3では、4曲目の「運命の3人の女神」と5曲目の「タンク」がとんでもないことになっている。即ち、原曲の一部がまったく別のものと差し替えられているのだ。何と、「展覧会の絵」の「プロムナード(歌入り)」が加わっている。付属リーフレットのスティーヴン・ウィルソンの言葉によると、Disc1 はオリジナル盤のリマスターがセットされているが、ニューリミックスを行うにあたって、前述の2曲のマスターが紛失してしまっていた、従って苦肉の策として当時の録音で残っていたものに差し替えたとのこと。Rave Up とタイトルされたその部分は、後のタルカスの一部を感じさせるなかなか乗りの良い演奏ではある。
 肝心のサラウンド・サウンドは、ELPのような3人編成のバンドはもともと音数もそう多くはないので、あまり空間的な広がりは感じられなかった。実際に制作当時は8チャンネル録音だったそうだ。リミックスにより今まで埋もれていた音が新たに加えられたという部分があるやに聞いたが、私としてはオリジナルのイメージで聞き通せた。
 ところで、私が使用しているDVD-audio再生可能の器機(パイオニアDV-610AV)では、なぜかこのディスクのDTS5.1サウンドを選択すると再生が停止してしまう。ハイレゾの方は問題ないのだが。ブルーレイ・プレーヤーではハイレゾの再生は元々できないが、DTSは普通に再生できた。この現象はファースト、セカンド両ディスクとも発生している。相性の問題なのか原因がわからない。一応聞くことはできているので良しとするしかないが、原因がはっきりしないのは気持ちが悪いものだ。
 ということで、購入から再生までちょっとしたトラブルがあった今回のELP作品。決して彼らが悪いわけではない。とりあえず、初来日記念盤として73年にリリースされ、私もリアルタイムで購入した思い出深いアルバム「トリロジー」までは同様にリリースされることを期待している。