ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

祝!JUNO-106 復活の時

2022年07月14日 | シンセサイザー

 ローランドのシンセJUNO-106については、2019年3月の当ブログでメモリ用の内蔵電池不調で音色の保存ができなくなった旨記載した(こちら)。恐る恐るハンダ付けを試み何とか自分で補修できた!はずだったのだが少し時間を置いたら何と再び音色が消えてしまっていた。もう世の中に報告する気力も失せその後3年ほど放置することとなった。

 先日思い立って再度電源を入れてみたのだが、変わらず音色メモリは飛んだままであった。データをロードすると正常に音は鳴ったので、やはり内蔵電池の不備がどこかで生じているらしい。改めて修理対応してくれそうな所を探した。そして、結果として無事復活して戻ってきた。数日経つが、今のところ電源を切っても音色は保存されている状況だ。久しぶりの完動状態に感動!とついダジャレを言ってしまった、、、。

    

 今回お願いしたのは「楽器ソムリエ」さんという東京の会社である。そこによると、この度の修理は基板に「グランドジャンプ処理」をしたとのこと。初期の JUNO-106 には設計不良で電池の消耗が激しくなるものがあり、私のものもそれに該当したらしい。具体的にはpin4, 5 がグランドに接続されていない個体があり、その場合、バッテリーが直ぐに切れるということであった。電子や基板に全く疎い私はよくは理解できなかったが、結局はハード的な初期不良があったということなのだろう。今回はその修理のために改造し、さらにバッテリー用のソケット取り付けも行ってくれた。これで今後の電池交換がしやすくなる。ということで、今度こそ無事に復活したわがJUNO-106である。

    

 古いシンセは本当に手間がかかる。ここまで一難去ってまた一難である。でもこうして弾いてみるとやはり良い音がする。このストリングスやブラスの音は大好きだ。アナログ的なレバー操作や押しボタンも実にわかりやすい。好みの薄いパッド系の音もFREQとRES、ENVのADSRのツマミを触るだけでできてしまう。今のところ、ボリュームに少しガリが出るだけで、どのレバーも正常に反応していると思われる。ただ、6個ある発信器の調子が悪くなりやすいという話もよく聞くので、大切に使いたいものだがいつ不調が生じるか、ちょっと怖い気もしている。

 その中、ローランドからJUNO-XというJUNO-106が超進化したシンセが登場した。ルックスは106と似ているのだが、新たな機能が満載のようで何とも食指を動かされる存在である。私はこの10年間でコルグのmicroKORGとbehringerのDeepMind12という2台のシンセを購入し、ソフトシンセは十数種類入手し(正直使いこなせていない!)ので金銭的にも物理的にも所有することは叶わないが、このようなJUNO-106を彷彿させる楽器が登場し続けるということは初期のこのシリーズがいかに素晴らしいか、そして人気が続いていることの証であると理解する。よって自分のJUNOを大事にしていこうと思う。

<追伸>たまにはαJUNO2も弾いてあげねば、、、。


DeepMind12シンセサイザー〜平成最後の大買物

2019年04月28日 | シンセサイザー
   
 今世の中では「平成最後の、、、」という枕詞が何度も聞かれている。それには食傷気味だったが、ここに来て自分自身もやってしまった。平成最後の大買物である。behringer社のアナログ・シンセサイザー、DeepMind12を買ってしまったのだ。ハードウェアとしてのシンセはすでに5台も所有しているから、当初は新たに購入するとは思ってもいなかったのだが、これがまた素晴らしい楽器なのである。

 最近では13年にMicroKORGというボコーダー付きのアナログ・シンセを買った私だが、アルペジエーターやエフェクター内蔵のそのサウンドに、ミニサイズながら大きな驚きを覚えた。明らかに進歩している。そしてJuno106を触っているうちに、パネル操作をして音を作っていくことにも改めて喜びを見いだしていた。そんな状況下で見つけたのがこのDeepMindだ。

 behringerブランドとしては初のシンセサイザーとのこと。DeepMind6と12があり49鍵盤の12は操作パネルがJuno106とよく似ている。実際に両者を比較した動画サイトを見ると、寸分違わない音を聞くことができる。だが、アルペジエーターや豊富な内蔵エフェクターが加わり、そのスペーシーなサウンドはJuno以上に果てしない。プリセットされている音色だけで1,024種類もあるとは驚きだ。
    
 アナログの暖かいpadサウンドが大好きな私としてはネット上で知ることができるDeepMindの音色に完全に心を動かされてしまった。さらに発売当初は13万くらいの高額価格が最近サウンドハウスさんで6万円台になっていることも気持ちを動かした。今現在はパネルを動かしながら様々に変わる音色を楽しんでいる状況である。また、独自に作ったサウンド・パッチのデータを有料で提供している人達もいて、そこで聞かれるアンビエント・サウンドもなかなかのものだ。そのようなことが自分自身でできれば拡張性もあると思う。本ブログでは、プリセットの音を重ねたデモ音源を下にアップしておく。

  deepmind12〜サウンド・デモ

 それにしても「平成最後の」というべき大きな買い物があったということは、当然「令和最初の」買い物もあり得るということ。どうなることやら、恐ろしい、、、、

【緊急事態】JUNO-106の音が鳴らなくなった!どうしよう!?

2019年03月19日 | シンセサイザー
 2年前に修理業者に出しメンテナンスをしてもらったJUNO-106。前回の最後にふれた録音作業で30年前のサウンドを再現しようと考え、DX7とのMIDI接続で使うため久しぶりに電源を入れたところ音が鳴らない。メモリーパッチの音色が全部消えてしまっている状況なのだ。マニュアル・モードでは6音ポリフォニックの音が問題なく出るので根本的な故障ではなさそうだ。一応音色データのwavファイルをネットから保存していたのでパソコンと本体を繋いでロードしてみた。バンクAもBも問題なく取り込めた。すべての音色が鳴る。しかし、一度電源を切るとまた元の状態に、、、、。
 原因として最初に考えられるのはメモリ保存用の内蔵電池が切れたこと。でもわずか2年前に換えてもらったばかり。はたしてそうなのか?このままでは埒があかないので電池の交換を自分でしてみようと決断。以下にその状況を述べる。
 JUNOのボタン電池は基板にハンダ付けされている。今後のことを考えると電池のみ簡単に入れ換えることのできる状態にするのが良いと思い、ボタン電池基板ホルダーというのを注文した(送料込2コで460円)。同時にハンダ付けの作業が必要なためハンダごて、電子工作用はんだ、そしてハンダの吸い取り線を別途調達。そう、私は今までハンダ付け作業をほとんどしたことがないのである。
  大きな不安を抱えたまま作業に取りかかる。一応動画サイトのここでそつなく行っている作業を見てイメージトレーニングをあらかじめしておいた。
     
①横のネジを外し前面のカバーを開ける。
②電池の配置されている基板を外す。そのためには13ほどあるコネクターを全て外す必要がある。これは軽く上に力を入れると簡単に外れた。
③基板を固定しているネジを外す。
④基板を裏返しにして、ボタン電池を固定させている2カ所のハンダを吸い取り電池を取り除く。
⑤新しい電池ホルダーを取り付ける。
 さて、ここで電池ホルダーの2カ所ある爪がうまく基板の穴に収まらないことに気がついた。爪の間の長さが足りないのである。計測してみると基板の設置部分の距離は約2.1ミリ、それに対し電池ホルダーの爪の距離は1.9ミリ。全く気がつかなかったが、これは致命的である。作業を中断し、再度サイズの合うホルダーを探すことにした。
     
 結論から言うとサイズの合う電池ホルダーが見つからず、結局「タブ付きコイン電池-端子間隔2.05ミリ」というのを購入。これは2コで400円だった。到着して作業を再開。今度はぴったり装着できた。手順に戻り、
⑤(恐る恐る)ハンダ付けをする。
     
 こうして元の状態に復元できた(かもしれない)。改めてデータをロード。音色は復活したが問題はそれが維持できるかどうか。電源を切って消えてしまう状況なら電池交換作業が失敗だったか、内蔵電池以外の所に不備が生じているということだ。電源を切りしばらしくしてオンすると、何と音色は無事に保持されていた!念のため、数回繰り返してみたが、大丈夫だった。つまり今回の症状は内蔵電池の消耗が原因だったということである。
 コイン電池の寿命がどのくらいなのかははっきりしないが、10年くらいは持つのではないかと勝手に思い込んでいた。このJUNO-106に関してはそうもいかないらしい。数年ごとに中を覗くことになりそうだ。ビンテージ・シンセなのでそれも良いのかもしれない。それにしてもほぼ初めてのハンダ作業は何とかうまくできたようだが、冷や汗ものであった、、、。
     

<追記>
 その後このシンセについては紆余曲折あったが、最終的に落ち着いている。その顛末をここに記したのでぜひご覧ください。

ローランド・アナログシンセサイザー JUNO-106

2017年05月03日 | シンセサイザー
 これが最近入手した楽器である。今現在もテクノ系に人気が高い、アナログの6音ポリフォニック・シンセサイザーJUNO-106。三十数年前、この楽器を借りてしばらく使ったことがある。その所有者から、このたび引っ越しすることになり、不要だからもらってくれ!との申し出があった。何とも嘘のような話である。もちろん喜んでその話を受け入れ、そして今目の前にこれがある。もしこれがオークションで入手したものだとしたら、大変な美品と言えるだろう。何よりもかつて自分が実際に使用した思い出の一品でもある。
   

 ここ数十年は全く電源も入れず使用していなかったそうだ。そして経年劣化によって不調になりやすいのがこのシンセの特徴である。現象としては6音ポリなので6つあるカスタム・チップ(発信器)がだめになる場合が多いそう。そんな情報が耳に入っていたため電源を入れるまで不安が大きかったが、幸い問題なく発音してくれた。しかし、プリセット音がすべてクリアされていて、また作った音色の保存ができなくなっていた。これは内蔵電池の消耗と考えられた。実際にカバーを開けて中を見てみると丸形電池を見つけることができるのだが、これが基盤に直付けされていて、交換するためには技術と工夫が必要。さすがに力不足であった。自前の修理は無理であると判断し、東京のオープンエアースタジオさんに依頼した。本工房はJUNOの修理に関しては様々に対応できるとのことで、見事復活して戻ってきた。
   

 JUNO-106は前面パネルのスライダーやスイッチを操作して音を作るシンプルさがとても良い。ソフトシンセを含めデジタル系のシンセはほとんど音を作ることがなくプリセット音のみを使用していたが、この106では音色作りが実感できるのである。ADSRの波形やフィルターの掛け具合など、かつてはこの楽器をとおして学んだものである。そして、内蔵されたコーラス。それによって作られたパッド系、ストリングス系の音が抜群に良い。DX7のブラス音とMIDIでミックスしたサウンドは本当に素晴らしいと思う。このパッド音が好きで後にα-JUNO 2を購入した私だが、今2台を聞き比べてみるとよく似た音色を出すということが改めてわかった。従ってα-JUNO 2も一生キープである。(何でも"フーバー音"というシュパシュパした音を生み出すシンセとして一部のミュージシャンから重宝されていると言う。)
   


 SE-50 による空間エフェクトを加えながら、古き良き時代の良きサウンドを奏でてくれるJUNO-106。いつ壊れるかわからないというスリルを感じながら、大切に使っていこうと思う。

USBコントローラー・キーボード M-AUDIOのKEYSTAION49

2014年08月17日 | シンセサイザー
 M-AUDIOのKEYSTAION49を購入した。今持っているUSBコントローラー・キーボードは息子が専用に使っているため、自分用のものが必要になったのだ。いろいろ探したが、かつてシンセサイザー・プレーヤーとして活躍した(?)自分としてはある程度の鍵盤数が欲しいと思い、そして価格的にも1万円以下のこの製品に決めた。
 到着してさわってみると、予想以上に鍵盤のタッチが柔らかく、ヤマハよりローランド系の印象だ。決して悪くはない。そしてUSBケーブルを繋ぐだけで使用できる。また、この製品には音源ソフトが付属している。ひとつはEighty Eight Ensembleというピアノを主とした音源だ。これを使用するためにはM-Audioのサイトにユーザー&製品登録をしホームページからダウンロードすることになる。その手順を踏まえると実はもうひとつXPand!2という音源もDLできることが判明。これが美しいパッド系の音色を備えたとても素晴らしいプラグインソフトでとても気に入った。いくつかの音色を重ねて記憶させることもでき、遙か昔にDX7のブラス音とJUNO106のパッド音をミックスして作ったお気に入りのサウンドを思い出した。これら二つのソフトはプラグインとしてのみ使用可能で共に単独で使うことはできない。
 こうして新たなソフトシンセを加えることができたので、ここでホームスタジオ風に自室をレイアウトしてみた。フルに使えるので4畳半の洋室でも余裕がある。iMacにはCubase7と各ソフトシンセ、オーディオ・インターファイスとしてZOOMのR16、USBコントローラーはKEYSTATION49、さらにギター関係ではフェンダー・メキシコのテレキャス+BOSS ME-25(マルチ・エフェクター)とマーティン M-36の2本。
 さて、あとは素材である。しばらく音楽制作に取り組んでいなかったのでこれが問題。これからの秋の夜長を有効活用するよう頑張ってみたい。


宅録:ボコーダーが欲しくて microKORG

2013年08月01日 | シンセサイザー
 最近M-Tron 、ANALOG LABなどアナログ系のシンセサウンドに凝ってしまった自分だが、実は以前から欲しいと思う楽器があった。ボコーダーである。かつては高額でなかなか手を出せずにいたのだが、最近調べてみるとシンセの開発では定評のあるコルグから製品が出ていることがわかった。microKORGである。実売価格も2万円台。そして私は今までコルグのキーボードを買ったことがなかったので一度は手にしたいと常々思っていた。これを見て、いよいよその時が来たかと感じた。ということで、数日後にモノが到着した次第。

 microKORGには通常の白鍵盤の他に、ブラックとレッドを基調とした3種類があり、たまたまブラックが安かったこともありそちらを選択。この製品はMIDIコントローラーではなく単体のシンセサイザーなので、音源が内蔵されている。また独自のエディットも可能だ。音色バンクとしてTECHNO、 HIPHOP、 RETOROなど8種がありさらにそれらには各16種類の音がプリセットされている。本体パネルには、往年のアナログシンセによく見られたADSR波形調節やcutoff frequency Resonanceなどのフィルター調整ツマミなどがあるので回しながら簡単に音を変えることができる。音色的にもDX7のようなFM音源や生音をサンプリングしたPCM音源とも違う実にアナログ的なオシレーター音である。アルペジオレーターも内蔵しているので、シンセソロのみならずテクノポップ的サウンドを作るのにも適しているのではないだろうか。個人的には昔借りたJuno-106で作った薄めのパッド系ストリングス・サウンドが忘れられないので、そんな音づくりにも挑戦してみたいと思う。

 さて、付属のマイク(ちょっと心許ない作りだが)によるボコーダー機能は、まさしくボコーダー・サウンドで感動的だった。これが欲しかったのだ。ようやく希望を叶えることができた。おかげでANALOG LAB同様しばらく遊べそうな気がする。辛口を言うなら、同時発信音数が4音なので弾き方に工夫がいること、それと鍵盤の作りがミニサイズなので指の太い自分には少々弾きづらいこと。しかし、値段の割に十分活用できるシンセだと思う。またまたオモチャが増えてしまった…。


宅録:MiniLab+ANALOG LAB

2013年07月29日 | シンセサイザー
 M-Tronのようなソフト・シンセを弾くためにはPC上の操作よりも鍵盤があった方が便利だ。PCとシンセをMIDIでつなぐオーディオ・インターファイス(EDIROLのUA-4FX)もはるか昔に購入済みなので配線はできるのだが、手元のシンセを持ち出すと部屋のスペースがとられてしまい、不便である。そこでミニ鍵盤型MIDIコントローラーを揃えることにした。

 いろいろ調べた結果決めたのがArturia製のMiniLab25鍵盤である。価格的には1万以上するので高めだが、この製品にはANALOG LABというソフトシンセが同胞されている。MODULAR(moog) V / MINI(moog) V / ARP 2600 V / CS-80 V / JUPITER-8 V / PROPHET V / OBERHEIM SEM V / WURLITZER Vなど往年の名器といわれるアナログシンセやエレピのサウンドが5000種類も含まれており、実は単体での販売がされていない。これが決め手となった。25鍵盤は演奏するためには支障もあるが、入力専用と考えると自分の小さな机にも置けるのでかえって好ましい。USB接続なので電源も不要。と考えて注文。

 届いて早速ANALOG LABをインストール。これはサイトからのDLとなる。立ち上がると、5000種類の音色がずらりと並ぶ。楽器ごと、音の種類ごとのソートもできる。各音色にはエディット者の名前が表記されているので、各楽器の本来のプリセット音がそのまま置かれているわけではなさそうだ。MiniLab鍵盤もUSB接続で順調に反応している。とりあえずCS-80Vのサウンドを鳴らしてみる。この楽器はヤマハで開発されたポリフォニック・シンセで、当時UKというプログレ・スーパーバンドのキーボード兼ヴァイオリン奏者エディ・ジョブスンが愛用していた。ここで聞かれる基本的なサウンドも私にはUKサウンドを思い起こさせる。また、パット・メセニーグループのキーボード奏者ライル・メイズが弾くARPシンセサイザーのサウンドもお気に入りであるが、それを彷彿させる美しいパッド系ストリングスも含め、多彩な音が用意されている。一通りのチェックには相当時間がかかるだろう。変わったサウンド(それはいかにもシンセで作った音という感じではあるが)も多数あるので、自分の求めるサウンドを決めるのが大変そうだが、逆に楽しくもある。

 MiniLabは単なる鍵盤ではなく、選んだ音色のエディットを本体から行うことができる。例えば昔のアナログシンセのようにCutoffやResonanceのツマミがあり、それを回すことでビョ~ンなどという音の調整をはかることが簡単。当然エディットの保存も可能。5000色のサウンドと言っても使える音(好きな音)は限られてくるだろうから、当面いろいろ探っていくことになりそうだ。


80年代シンセサイザー

2012年10月17日 | シンセサイザー
 「私の宝物」と題して自分の持っている(いた)いろいろなものを紹介していると、何だか欲しいものを手当たり次第に買いまくっているような印象を読み手に与えているかもしれない。実際には、働いてから給料の大半を趣味に費やしたということで、ローンを組んだり、買うために貯めたりとの苦労はあったのだ。決して自分が金持ちで自慢している訳ではない。だから、今日のシンセサイザーの話も、10年以上を経て揃えたものだが、一気に述べると次のようになる。

 私はシンセサイザー、いわゆる鍵盤付きのキーボードを3台所有している。最初に買ったのがヤマハDX7、2台目がローランドαJuno2(写真上)、そして3台目が同じくローランドのD-70(写真下)である。その他、鍵盤なしの音源としてはローランドU-110、ヤマハQY300(音源付きのシーケンサー)などもあるのだが、U-110は処分してしまった。

 DX7は初リリースの頃、店頭で見て聞いてさわって、これは素晴らしいシンセだと実感した。実際、それまでにはないFM音源による音色はその後一斉を風靡するキラキラした金属音やエレピ風の音など、たぐいまれなモノであった。早速予約をし、実際に手に入るまでかなりの期間を待たされたと思う。しかし、購入後は16音も和音が発信され、多彩な音色、エディットやプリセットも可能ということで、長期間これ1台を愛用した。

 その後、知り合いがローランドのJuno106を持っていて、少しの間借りて使用したところ、MIDIで繋げて同時に弾く(例えばDXのブラスとJunoのストリングス)と、デジタルとアナログの音が絶妙に重なった素晴らしい音色となることがわかり、このことがαJunoを購入するきっかけとなったのである。Juno106の特にパッド系の音は、本当に素晴らしかった。αの方はそこまでではないとしても、ローランドらしいアナログサウンドでストリングス系の音色はとても暖かく良い音であった。

 D-70は76鍵盤の当時としては高級なシンセだった。それにも拘わらず購入してしまったのは、その音色の美しさだった。重厚なアコースティック・ピアノから女声コーラス風のパッド音まで自分好みの音が溢れていた。中でもPrologueというプリセット音は、プログレバンドUKの「アラスカ」という曲の音とそっくりで、これだけで1曲できてしまったほどである。そして発信音がダブルになっているらしく、とてもリッチで重い音を出してくれる。さらに、前述のU-110に使う音色カードがこの楽器にも使え、音色的拡張性があった。大変弾きがいのある楽器である。

 難を言えば、数年してから内部からブーンというハム音?がしていてうるさい。機械だからある程度は仕方ないのかもしれないが、ヤマハではそのようなことがなかったのでどうしても比較してしまう。自分で音づくりもできるのだが、ちょっと難しい。が、プリセット音だけで充分遊べるシンセだと思う。現在は息子の部屋にその大きな身体を君臨させている。