ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

8トラック・オープンリール・テープレコーダー "Fostex R8"

2022年05月21日 | 音楽制作

 アナログ・サウンドが再人気のこの頃だが、私の持つオープンリール・テープデッキはフォステクスのR8である。8チャンネル・マルチトラック・レコーダーとしてデモテープ作りに貢献してくれたことはかつてここで紹介した。

 だが、その後数十年ぶりに電源を入れテープの再生を図ったところでリールが回らなくなるという不調を起こし、長らく放置することになってしまった。その故障に関してはコメントもいただいたのだが、私自身ではどうすることも出来ず、後年購入した専用のミキサーも手放す事態に。そしてさらに数年が過ぎたのだが、ここに来て個人的にデッキの修理を生業にされている方に修理の依頼をした。結果、いろいろ試行錯誤されたようだが見事復活してここに戻って来たのである。

   

 再び故障しないうちにと、テープ内のデモ曲をCubaseに移行する作業を敢行した。我が家の機材では直接の音源移行が出来ないため、一度ZOOMのR16にダビングし、そこからiMac上のCubaseにデータを移植する。その結果無事に音源移行は完了したのだが、気になる現象が。

 まずは、オープンのテープが経年劣化のためかテープ表面の剥がれを起こし、ヘッドやピンチローラーなどテープに接触する部分がすぐに汚れてしまうこと。これはその都度クリーニングすることで何とかしのげるのだが、テープの磁性体が剥がれると音源の再生に悪影響があるはずだ。

 もう一点は、アナログテープからデジタル化した音源では、特にヴォーカルのカキクケコの発音が異常に強調されること。ダビングした事による音質の変化なのか、アナログ・サウンドがデジタル化されることで生じる現象なのかは不明だが、この音は明らかに耳につく。シンセサイザーのベル系のサウンドも鳴り始めにそのような傾向が感じられた。これについてはできるだけ修正するよう努めたが、ヴォーカルについては難しかった。まあ、あくまで自分の趣味の範疇なので良しとしたい。

 ということで、R8から移植して仕上げた曲で94年録音「夜空の近くで」をYouTubeに上げた。本来はデモ曲だったが、30年前の声が今は出るはずもなく、加えて意外に聴けるかもしれない(?)と自己満足できたのでアップしてみた。

   

 もう一曲は、私の高校教師時代に某勤務校の生徒達の間で最大のヒット曲となった「黄昏のシルエット」。今もクラス会の時に話題にしてくれる曲である。こちらはR8ではなくTEAC ポータスタジオ244カセット4チャンネルからの音源移植。最後のギターソロのみ新たに差し替えた。エレキギター練習中の私としては、その演奏もまだまだではあるが、教え子達が聞いてくれればと思い公開した。

   

 (どちらも画像がYouTube とリンクしています。)

 こうした作業は自分の楽曲が徐々にアーカイブ化されているということだが、今後も楽しみたいと思う。


大学時代のバンドLamb(ラム) について〜曲のリミックス・ヴァージョンをアップしました。

2022年03月28日 | 音楽制作

 東京での学生時代の最大の思い出はバンド活動である。2年生から軽音楽同好会に所属した私は3年生の頃、その後も縁を持ち続けることとなったメンバーとバンドを結成した。本来プログレ好きの自分だが、まさにその手のコピーバンドとして活動を開始。当初はイエスやジェネシスなどのコピーだったが、その後オリジナルにも着手して、集大成として卒業までにアルバムを作ろうということになった。それが写真にある「招待夢」(しょうたいむ)である。主たる録音が1980年3月と記載されているので、42年前の今頃頑張って制作していたことになる。

    

 バンドのメンバーはドラムのYくん、キーボードのKさん、そしてヴォーカル担当の私の3人。ギター・メンバーがなかなか定着せず、結局私が高校時代に一緒にやっていた他大学のTくんにお願いした。これが見事にマッチング。そしてベースは飛び入りで練習に参加してくれたベーシストSくんを皆がとても気に入り、口説いて何とか加入してもらった。

 その他このアルバムには多くの人達の協力を頂いた。今考えると皆さんよくぞそこまで力を注いでくれたと感謝に堪えない。まずは録音にエンジニアとして携わってくれたMさん。当時某レコード会社の社員で、個人的に4チャンネルのオープンテープ・デッキを所有しておりそれを惜しげも無く使用させてくれた。三田にあったMusic Studio OUR HOUSEのYさんも、趣味だからということで無償で8チャンネルのテープレコーダーで演奏を録音してくれた。この方々の協力がレコードのベーシック・トラック音源になっている。さらに、「晩秋」という曲ではヴァイブラフォンのソロを入れたのだが、その奏者は、これまた高校時代のドラム担当メンバーだった他大学のAくん。そのヴァイブラフォン自体は楽器店から無償で貸してもらい、彼の自宅で録音した。ベースのS君が加入する前に暫定的にベースで参加してくれたTくんも彼の友人。さらに、アルバムジャケットや各楽曲をイメージしたイラストの数々。これらは当時の女子高校生達の手によるものだ。

 アルバムの制作はその後、オーバーダビングやマスタリングなどの処理があり、結局卒業までには完成しなかった。バンド・メンバーも社会人としてそれぞれの道に進んだ。私は北海道立の高校教員となり某地域に赴任。そこで出会った生徒達にイラストや歌詞のタイピングなどをお願いした。これは決して教師としての立場を利用したのではない、と釈明させて頂く。明らかに才能のある美術部員の生徒2名、そして商業科の生徒にレコード制作の話をしたら、とても興味を持ってくれたのである。特に、当時はワープロやパソコンなどない時代だから、和文をタイプするのは「和文タイプライター」という特殊な機器と技術が必要だった。商業科の生徒はそれが当たり前のようにできた。Fさんは一生懸命歌詞を打ってくれ、そしてSさんとKさんの手によるイラストと共に立派な歌詞カードが完成した。アルバムジャケットのイラストも、「招待夢」という言葉からの連想をイメージ化したものだが、全体の楽曲が持つトーンを端的に表した秀作だと思う。本当に感謝である。

 さて、前置きが長くなったが、この度このアルバムのリミックスに着手した。最初に仕上げたのがA面3曲目の「晩秋」である。これは私の曲であるが、主な編曲も自分で行った。学生最後、バンド活動最後だからという思いで、やりたいこと全てをつぎ込み、とても過重なアレンジとなっている。だが、それらを見事に演奏しているメンバーの力量が凄い。この曲では、大学のサークルで女の子バンドのヴォーカルをしていたRさんにソプラノボイスでの参加を依頼。彼女も無償で協力してくれた。YouTubeにアップしたので、ぜひお聴きください。

    

    「晩秋」はこちらから。

 続いて、「真夏のかげろう」。ギターのT君の曲に私が作詞した作品。実はこの曲はアルバム未収録。私が北海道に戻ってしまったなか、東京在住の残りのメンバーで伴奏パートを録音。その後私の歌を仮に入れたがそのまま放置されていた。今回、そのヴォーカル・パートはそのまま使い、ハモりや12弦ギターなどを加えて形にしてみた。40年ぶりの完成である。

    

    「真夏のかげろう」はこちらから。

 他の楽曲も暇を見つけてリミックスに取り組む予定である。今回、40年ぶりに自分たちの作品、アルバムを見つめ直し、当時のメンバーの意気込み、努力、そしてその成果である演奏力を思い出すことができた。何よりも、繰り返しになるが、周りの皆さんの多大な協力があったことを改めて実感。もう連絡も取れない人も多いが、この場を借りて心から感謝申し上げたい。ありがとうございました。


令和4年1月にあえて MacBook Air 整備済製品を買う(その2)

2022年01月12日 | 音楽制作

 年末年始に当地は豪雪地帯になってしまった。今日も昨晩から降雪が続き、その降り方はご覧のとおり。これが水分を多く含んだ重たい雪で、対処するのに汗だくになった。除雪は良い運動、という言葉を遙かに超える今日この頃である。

   

 さて、前回ご紹介したM1 MacBook Air、使ってみてその早さに驚いた。快適である。まだ重たいソフト使用や作業をしていないのだが、感覚的にはiMacのIntel Core i7より遙かに早い。ついでに内蔵スピーカーから出る音も素晴らしい。しばらく動画サイトの音楽を聴き続けるほどであった。

  

  そして前回言及したように、HDMI接続、SDカードスロット使用対策として注文したUSB-Cハブが到着。品はExcutyというブランドの 7-in-2 USB Type C ハブである。USB 3.0ポート3個、Thunderbolt 3 ポート1個、4K HDMIポート1個、Micro SDカードリーダー 1個、SDカードリーダー1個という構成だ。本体に装着すると色合い的にはぴったりである。そして、HDMIのみまだ試していないが各ポートの反応に問題はない。ただ、SDカードやUSBメモリを繋げると写真のようにかなり横長になってしまう。そして、パソコン本体の蓋を閉じてスリープ状態にしても左端のライトが点灯したままなので、多分その間充電が消耗している。試しに装着したままスリープ状態にして一晩様子を見たが、充電がかなり減っていたので、スリープの時は外した方が良いと思われる。だが、USB-Cポート2カ所とイヤホンジャック1カ所しかないAirにはこのようなハブは必須だろう。値段も3,680円とそれほど高価ではなかったので重宝すると思う。

  

 ついでにと言っては語弊があるかもしれないが、Inateckというブランドのポーチ付きケースも購入。こちらは1,600円ほどであった。サイズ的にAirにピッタリで、十分なクッション付き。色合いも良いのでこちらも活用していこうと思う。

  


令和4年1月にあえて MacBook Air 整備済製品を買う

2022年01月05日 | 音楽制作

 令和4年最初の買い物はM1 MacBook Air のデフォルト・モデルである。本当は昨年、新型MacBook Pro 14インチの発売を待ち購入する予定であった。だが、いざリリースされると価格が25万ほどすることがわかり、その夢は瞬時に消えた。それでも、Macのノートパソコンは手元に置きたく、Air の基本モデルがアップルの整備済製品として9万7千円台で発売されていた(1月2日現在)ので、いろいろ考えた末これに決めた。

  

  

 今年MacBook Air の新型が登場すると言われている。様々にリーク情報が出ているが、同時に現行のこのM1 Air も最高のコスパ商品として評価が高い。基本的にYouTubeチャンネルのインフルエンサーの多くが褒めちぎっているということで、この期に及んでではあるが心が動いた。恐らく私が今の仕事において必要なことの範疇であれば、この1台で十分なはずだ。

 当初、MacBook Pro を考えていたのは、外部ポートにHDMI端子が復活したこと*と外でDTMをやる見込みがあったからである。具体的には趣味でやっている音楽制作でヴォーカルをお願いしている相方の歌を外のスタジオで録音するという思惑があったのだ。このご時世なので自宅まで来てもらうのも難しいだろう。Proなら重たい音源があってもサクサク動くはず。だが、調べてみると、その程度ならこの最低スペックでも充分のようだ。使用するソフトはCubase 11 なのだが、不要な音源はなるべく入れないようにしつつM1でどう動くのか、今後検証してみようと思っている**。

 そして、もう一つは、私はかつて2009年という遙か昔だが13インチMacBook Proをメインで使っていた。スペースグレーの色合い、持ち運びやすい大きさ、そして性能の良さに満足していたのだが、数年後突然起動しなくなった。いろいろ調べたらロジックボードが破損したことがわかり、修理には7〜8万かかるだろうと言われ使用を断念。今までアップル製品をたくさん使っていたが、唯一の故障品となった。その思いがスペースグレーのノートパソコン購入に繋がっている。新型Air(もうAirの名称は消えるかも)はカラーが増えるらしいがスペースグレイ色が残るかどうかはわからないからという判断もあった。

 実はMacBook Air の同じものを妻がすでに持っている。ノートのマックは多分4台目だと思うが、本製品はバッテリーの持ちが長くてとても快適とのこと。そして、注文して2日後に届いた私のこれは、OSはMonterey(12.0)になっていた。整備済製品と言っても、全く新品を購入したのと同じようにシールドされた箱に入り、本体も全く問題なし。今メインで使っているインテルiMacはCore i7のCatalina(10.15)。OSもM1チップも私にとっては初めて。今後いろいろ試してみようと思う。
*HDMI接続に加えてSDカード使用対策としてUSB-Cハブを別途注文中。到着次第検証してみる。

**Cubase 11が現在MacOS Montereyに未対応である。しばらく待つしかない。


オフコース・カバー第3弾「水曜日の午後」完成

2021年05月09日 | 音楽制作

 時間の合間を見て取り組んでいるオフコースのカバー。第3弾が完成し、YouTubeにアップした。YouTubeの私のサイトはいつの間にか「限定公開」から「公開」にしてしまったのでどなたでも見られます。
 この曲は、悩んだり落ち込んでいるけれど、やがて前向きな気持ちになっていくという歌詞で、今の時代の応援歌とも言えるかも。今回はバックコーラスとハーモニーでY'isさんという大学生ミュージシャンの協力を得ながら取り組んだが、私自身はまだまだな感じ。ですがよろしければお聞きください。Y'is さんの応援もよろしくお願いします。

YouTube「水曜日の午後」

Y'is  さんの新曲「10:26」はこちら


JUNO-106 のソフトシンセDCO-106 が秀逸!

2021年01月12日 | 音楽制作

 昨年末の黒金曜日やクリスマス・セールの時期にシンセ音源関係のソフトウェアのアナウンスが登録しているサイトから多数送られてきた。その中で特に目を引いたのがCherry Audio社のDCO-106である。インターフェイスを見て紛れもなくこれはローランドのJUNO-106を再現したものであろう。それが割引価格で約3000円。本家のシンセサイザーを持っているにもかかわらず思わず買ってしまった。今日はそれの試奏レポートである。

  

 このソフトは64ビットなので最新のCubaseにも対応する。それにスタンドアローン(単体)での使用が可能だ。そこがまず良い。インストールして立ち上げてみた。ご覧のようなレイアウトになっているが、実機のJUNO-106より操作スイッチが多い。例えば、アルペジオやディレイ、リバーブなどは本家にはない。DCOのRANGEの数も増えているなど、さらに進化した機能を有する。画面の左上に、B11 Strings と記載されているところがあるが、ここをクリックするとプリセットされた音色が多数見られる。そしてこのA~、B~というのはファクトリー・プリセットの音色で、このStringsは実機と全く同じに聞こえる。この上なく再現率が高いと感じた。その他、ブラス系やアナログシンセ特有の音色もJUNOらしいと思う。それらを元にスライダーを上下したりボタンを押すなどのアナログ感覚で幅広く音作りができる。まさに本家本物と同じ操作性である。加えて最大16音ポリフォニック(実機は6音)。入手したばかりでまだ把握し切れてはいないが、自分の音楽作りに充分対応してくれるソフトだろう。何よりも使っていて楽しい。今ホームページを見たら定価39ドル(元もそんなに高くない)が現在も25ドルで販売中である。この圧倒的な安値はとても魅力的でしょう!と最後は宣伝風になってしまったが、私としては大変満足できたソフトである。現在オフコースのカバー第3弾に挑戦中、どこかに使ってみよう。


オフコースのカバーを動画サイトにアップ(とうとう)

2020年07月18日 | 音楽制作
 4月6日の本ブログにてオフコースの名曲「きかせて」のカバーをやってみた、と記載した。その後、我が息子からの指導と、それによる自分自身のささやかな進歩でその音源に映像(画像)をつけて動画を作成、YouTubeにアップロードするに至った。そのブログでも書いたが、昨年3月に録音しながらも歌詞を間違えていたオフコース「I LOVE YOU」の方も何とか録り直し同時にアップした。こちらは医療従事者の皆さんへの応援の気持ちを込めさせていただいた。
 私のように音源が主である者にとって動画サイトへの投稿は、画像をつける必要があるためハードルが高いと感じる。音に合わせて演奏している場面を撮影してもみたが、その姿がとってもショボい(=カッコ良くない)。それを補うためフリーの画像サイトにたくさんお世話になった。ということで、まだ決心がつかず、今のところ限定公開。そのような状況ですが、よろしければご覧ください。

  
   オフコース・カバー「きかせて」

  
   オフコース・カバー「I LOVE YOU」




この3ヶ月〜オフコース「きかせて」をカバー

2020年04月06日 | 音楽制作
 2020年を迎えて今日に至るまで本ブログの更新を怠っていた。この間、新型コロナウィルスの蔓延など世の中が大変な状況になっている。だが、ブログの更新が出来なかったのは我が家が12回目の引越をしたためである。急に決めた事だったので荷造りに集中しなければならず、また体力も相当使ってしまった。そして今、新居に入りようやく落ち着いたところだ。

 というわけで久しぶりにブログをしたためている。3ヶ月半も休んでいたら、goo ブログでは「60日間更新がなければリアルタイムのアクセス分析がされない」ことがわかった。これはまずい。では何を書こう。世の中のことを考えるとなかなか前向きになれないのだが、この3ヶ月は引越以外に何をしていたのだろうかと振り返る。まずディクスン・カーの作品を何冊か読み終えた。創元推理文庫新刊のアンリ・バンコラン最終作「四つの凶器」、これにつられて処女作「夜歩く」再読、ポケミス版「死人を起こす」、「嘲るものの座」、図書刊行会単行本「一角獣殺人事件」、ケン・ブレイクつながりで「黒死荘の殺人」再読。
     

 ビートルズ関係では50年前の2月26日がキャピトル編集アルバム「ヘイ・ジュード」のリリース日だったので、当日アナログ盤視聴。
    

 購入していた2月28日のKIRINJI札幌ライブは行くことを躊躇していたら2日前に延期が決定。2月中旬には、日仏共同制作の某映画にエキストラ参加。しかし、何と言っても年明けの1月から2月にかけてオフコースの「きかせて」をカバー録音したことがここまでの一番大きな出来事である。

 オフコースについては「ここ」 で述べたが、実は4曲ほど「カバーに挑戦!」として取り組んでいる。第1弾は I LOVE YOU で、これは90年代の始めにリズムトラックとバックコーラスだけを録音していた素材に、昨年3月他の楽器やリードヴォーカルを加え完成させていた。ところが、歌詞の一部を間違って録音したことがわかって、今後歌の録り直しを考えている。そして第2弾が「きかせて」である。1980年のアルバムWe are の最後に収録されている隠れた名曲だ。
    
 今回この曲をカバーするにあたり、YAMAHAのミュージック・シーケンサーである QY300 を活用してみた。とても安易なのだが、プリセットされたバッキングをそのまま使ってバックトラックを作成。それにエレキギターのカッティングとフレーズ、さらにシンセのエレピとストリングスを加味した。問題は歌、特にバックのコーラスである。本物を慎重にコピーし再現しようと試みたが難しい!とりわけ中盤以降は4声のハーモニーなのだが、その各パートを3回重ねて録音してみた。それでも小田和正と鈴木康博の二人が紡ぎ出すハーモニーにかなうわけがなく、あくまで自己満足である。原曲の雰囲気を壊すことになるが QY300 のバッキング・アレンジがラテン風でもあるのでエンディングはエレガット・ギターのソロを入れてみた。フレーズを考えながらの慣れない音入れで20回くらいやり直し苦労した。そうして何とか完成したところで力尽きた。各トラックの音質補正などマスタリングは後ほど手がけることにしよう。
 今後動画サイトに作品をアップしたいと考えているが、いつになるやら。そして、QY300を使ったオフコース・カバー第3弾を準備中であるが、こちらも当分先の話になりそう。

メロトロン・サウンドを求めて5〜M-TronとSampleTronのデモ音源

2019年04月13日 | 音楽制作
 以前に本ブログで紹介したメロトロンのソフトシンセ・サウンド(M-Tron, SampleTron)をここで紹介する。ジェネシスの Wacher Of The Skies イントロの一部を Cubase にて打ち込みした音源である。3番目のデモは両方をミックスした。
1 SampleTron版(以前のここに記事あり)
  Watcher Of The Skies-SampleTron version
  
2 M-Tron版(以前のここに記事あり)
   Watcher Of The Skies-M-Tron version
  
3 両音源ミックス版(左=SampleTron、右=M-Tron。SampleMoog の Taurus Bass 音を加味。)
  Watcher Of The Skies-Mix version
  




’86年の自分と共演する4〜Cubase上での最終調整

2019年04月07日 | 音楽制作

・手順6: 「音を足す・音を引く」
     
 今回初めてエレキギターのソロを本格的に入れてみた。使用したのはYAMAHAのSG2000で、今までの練習の成果を発揮する時であった。だが不慣れなためか、なかなか思ったようにいかない。おまけにハモリのあるフレーズを考えて何とか録音したのに、プレイバックしてみたら1音だけコードと一致していない!これは録り直しだ、と落胆した時にVariAudioのことを思い出した。ヴォーカルで修正ができるのだから、ギター音も同じでは? 結果として修正ができた。これも「魔法」の力である。
 このように、オリジナル音源にはなかった新たな音を足していく作業はとても楽しかった。しかし調子に乗ると様々な音色による装飾に溢れ過ぎて、曲の骨格が損なわれやすい。そこで今度は不要と思われる音を削っていく。これがとても難しい。足すのは積極的にできるのだが、引くのはそうではない。まあ、これで商売をしているわけではないので、やりたいようにやって良いのだろうとは思うが、やりすぎない程度にまとめてみた。

・最後に: 「ミックス・ダウン」が最大の難関
 ‘86年の自分と共演する取組は一応の完結を見た。趣味の世界(=自己満足)とはいえ、ここで音源を紹介できないのは残念だ。(本ブログにはmp3などのファイルがアップできない?ので。)
 最後に一言加えるなら、数多くなってしまったトラックをまとめるミックス・ダウンの作業がとても大変であるということだ。各トラックの音を最適な音質に補正し、それらをバランス良くまとめるのは、曲を作り演奏するのと別のスキルが必要であると今回つくづく感じた。それを専門とするお仕事の人がいるのも納得である。素人なりに今後はその辺も勉強していこうと思う。
 さらにもう一言。ZOOMのR16はとても使い勝手の良い機材であることが今回の取組をとおしてわかった。
 次は90年頃に244で録ったオフコースのI LOVE YOUを完成させたいと思う。

<追 記>
 上では音源を紹介できないと書いたのだが、2年近くが経過した21年3月YouTubeに動画としてアップしました。あまり見られていないのですが、カセット録音ならではのLo-Fiなサウンドは気に入っています。よろしければどうぞご覧ください。

「Invocation(祈祷)〜もうひとつの心象風景」


 


’86年の自分と共演する3〜Cubaseへ移植された音源の整理・修正と再録

2019年04月05日 | 音楽制作
 前回の作業では音源をダビングするのではなく、R16の入力とカセットプレーヤCMX100を繋げ、R16をオーディオインターファイスとしてiMacと接続することでテープから直接音源をCubaseに移植することができたかもしれない。だが、一度R16にダビングしておく方が便利であることがわかった。それについては後述する。

・手順3:「Cubase上の4トラックの音源を整理する」
 カセット244で録音したデモ作「もうひとつの風景」は導入となるインストゥルメンタルのイントロ部分(Invocationと名付けた)と本編のあるメドレー曲である。各トラックを確認すると、ドラムマシーンの打ち込み音に手弾きのベースとバッキングとなるシンセのコードのミックスしたものがトラック1に、ヴォーカルがトラック2に録音されているが、残りの2トラックには、エレクトリックギター、シンセのブラスとパッド、ハープなどが隙間を埋めるようにいろいろ入っている。ヴォーカルトラックのイントロとコーダ部分にもシンセの和音が録音されていた。少ないトラック数を最大限に活用しようとしたかつての自分の姿を思い出す。
 Cubaseでは新たにオーディオ・トラックをいくつか起こし、コピー&ペイストにて楽器音ごとのトラックを作成し整理した。同時に最初のサビには入っていたが、他の音を入れたがために2回目のサビでは消えていたシンセをコピペで足すなどの作業も行った。
 ドラム+ベース+シンセがミックスされているトラック1の扱いは音的にやっかいである。しかし、これはこのまま使うしかない。Cubaseの音質補正を使って多少のイコライジングを施したが、逆にアナログ録音としての不安定な音のうねりが迫力を増している気もする。

・手順4:「ヴォーカルの音程を補正する」
 自分のヴォーカルを改めて聞いて音程の不安定な部分がある。ここで、「モノフォニック (単音)のヴォーカル録音で、個々のノートのピッチを編集」する機能であるVariAudioを使って音程等の修正は可能だろうか?もちろんできるはずという予想で進めたのだが、案の定、可能であった。オーディオ・トラックにマイクを使って録音した場合と同じなので当然である。細かくピッチの修正を行い、より聞きやすいヴォーカルとなった。30年前には考えられなかった「魔法」である。

・手順5:「イントロ曲を再録する」
    
 実は今回の作業に着手するに当たり、イントロ部分を新たに録り直したいなと考えていた。86年当時使っていたシンセはDX7とJUNO-106だったので、今も手元にあるその2台を使って音色を再現することと、それにマイクロコルグのアルペジエーターやソフトシンセの音色を加えモダンな雰囲気を出してみたいと思った。そして、吹奏楽で打楽器を担当していた息子にドラムをたたいてもらうこと、これが最大のねらいだった。
 そこでR16の再登場である。息子のエレドラの出力とR16の入力を繋げて、すでにカセットからダビングしてあるR16の音源を聴きながら自己流に叩いてもらい録音する。その後は手順2と同じようにドラム音のwavファイルのみを取り込む。すると頭がぴったりと合う形でCubaseにエレドラの音が移植される。これが前述したR16へダビングしておくことのメリットである。
 さらに、オリジナルの音源に重ねる形で当時と同じようにキーボードを弾いてみた。こうして新たに完成したイントロInvocationだが、その仕上がりは音質の悪いオリジナル音源の方が迫力があり、再録の方は音はクリアだがこぢんまりしてしまった印象だ。ただ、ドラムのフレーズは圧倒的に再録の方が良い。やはり人による感性・演奏は素晴らしいものである。(以下続く)

’86年の自分と共演する2〜昔のカセット・デモ音源をZOOM R16からCubaseへ

2019年03月25日 | 音楽制作
・手順その2:「ZOOM R16からCubaseへ音源を取り込む」(Macパソコン)
 次はR16にダビングした音源データをパソコン(iMac)のCubaseに流し込む作業である。R16はマルチトラックのレコーダーの他にオーディオ・インターファイスとカード・リーダーとしての機能を併せ持つ。手順2においてはカード・リーダーとしてiMacに繋げることでデータを取り込むことができる。以下の手順は以前にこちらのページで簡単に述べているが、改めて。
  
 事前準備としてR16とiMacをUSBで接続するが、この場合R16はiMacから電力が供給されるので電源アダプターは不要。接続するとR16の液晶画面にAUDIO INTERFACE? との表示が出るので「→」キーでCARD READERを選びenterで確定する。するとiMacの画面にR16のアイコンが表示される。
①Cubaseの新規ファイルを立ち上げる。「ファイル」→「読み込み」→「オーディオファイル」を選択する。
  

②選択画面でR16を選ぶと PROJ001などのフォルダーが表示されるが、これはR16内に保存された各プロジェクトの音源である。このままだと、どれが何の曲なのか迷うので、あらかじめプロジェクトごとの内容をメモしておくとわかりやすい。
  

③PROJ00XX→AUDIOと進み、MONO-000など全てのWAVファイルを選択する。
  

④次に表示されるこの画面では、マルチトラックで編集をするため、「異なるトラック」を選択する。
  

⑤次に表示される「読み込みオプション」にちょっと注意。一番上の「プロジェクトフォルダーにファイルをコピー」を選択する。ここにチェックを入れないとR16のWAVファイルがCubaseにコピーされず、R16との接続を切るとWAVファイルが失われてしまうようだ。最初その意味がわからずにこのメッセージを無視していたら、2回目の作業時に音源が見あたらなくなって慌てた。
  

⑥WAVファイルがコピーされているところ。
  

⑦マルチ・カセットの4トラック音源がCubaseに取り込まれた。自動的にオーディオ・トラックとなる。
  
(以下続く)



’86年の自分と共演する1〜昔のカセット・デモ音源をCubaseへ

2019年03月21日 | 音楽制作
 前々回の投稿を受けて、これからの記事はCubaseについて触れてはいるが、その使い方は現在勉強中の自分であるので、他の皆様にはあまり参考にもならない内容だということをまずはお断りしておく。即ち自分の記録用として本ブログに載せるものである。

 発端は昨年末発売になったカーペンターズのアルバム。昔のカレンの声だけを生かし各曲のバックの演奏を新たに差し替え新譜としてリリースした。過去と現在、数十年の時の流れが各曲の中に共存している。そして私自身も30年以上前に4チャンネルのカセットテープに録音した自作のデモ作品がたくさんあり、何とかそれを甦らせたいと思っていた。リチャード・カーペンターも恐らく過去の作品をデジタル的に取り込んで再構築したと思われるが、私もカセットテープの音をCubaseに移して手を加えようと考えたのである。

 30年前の私は社会人としてある程度の機材を揃え、TASCAM PORTASTUDIO 244をメインの録音機としていた。倍速駆動でdbx搭載の4チャンネル・カセット・テープレコーダーである。これを駆使して曲作りやデモテープ作りに勤しんでいた。その中で今回選んだのは、「もうひとつの風景」というタイトルのプログレ風の曲である。メモでは1986年1月録音となっている。作品として一応形になっており結構気に入っている曲だが、何と若々しい自分のヴォーカルが最後まで録音されている。バッキングもシンセを中心に4チャンネルという制限の中でいろいろな音を入れている。その上、全く自信なさげな私のエレキギターの音も録音されており、当時は自分なりに頑張ったものだと感心した。高音もしっかり出ているこのヴォーカルを生かし、さらに各楽器の音を整理して楽曲らしくまとめてみるというのが今回の作業である。

・手順その1: 「カセットテープ音源をZOOM R16にダビングする」
     
 244はもう手元にない。それに代わる4chカセットデッキYAMAHA CMX100を調達した(その記事はこちら)。カセットの4チャンネル出力をR16の入力に繋げ、テープの再生音をR16で録音する。CMX100にはスピード・コントロール機能があるので、この時に出力側でできるだけピッチを正しく再生することが重要だ。(注: Cubaseにもピッチ調整機能があるので録音後の音源で実践してみたが、不自然な感じになってしまった。やはり最初のダビングが肝心である。) チューニングしたギターを抱え音程を耳でチェックしながらダビングを開始。R16は最大8チャンネル同時録音が可能なので、4チャンネルの録音は余裕だ。無事終了。これで、R16の中にカセットテープの音源がWAVファイルとしてコピーされた。(以下続く)

寒い! そしてCubase Proについて残念なこと〜32ビットのVSTプラグインが使えない

2019年02月11日 | 音楽制作
 今の仕事は1〜2月が一番忙しい時期で、新年になってから1月中はブログの更新がひとつもできなかった。そして今月、北海道は久しくなかった低温に見舞われ、いくつかの地域でマイナス30度以下を記録した。札幌地方もマイナス10度以下というあまりの寒さに、我が家の居間の窓には氷の結晶が模様をなしていた。この現象は依然住んでいたオホーツク地域ではけっこう頻繁に見られたものであるが、だからといって慣れるものではない。寒い!
     

 そうこうしているうちに仕事も一段落し、数年ぶりに音楽制作の趣味に気が回るようになり音楽ソフトCubaseを立ち上げてみた。本ソフトに関しては7.0を購入してから8.0にアップグレードし、その後あまり使用する暇がないのに8.5 、9.5とアップグレードし続けてきた。9.5を購入した時期は割と最近だったので、実は無償で10.0をダウンロードすることもできた。しかし、ここに至るまで紆余曲折があった。

 その一つは、Cubase Pro10を動かすためにはMacのOSを10.12 Sierra以上にしなければならないことであった。私はずっとMac OS 10.10 Yosemiteを使い続けてきた。それはひとえにソフトシンセ音源のM-Tron(ソフトの詳細はこちら)を使いためであった。2006年頃に購入したソフトだがメロトロンを再現したその音はとても気に入っていて重宝していた。時代の流れでこのソフトもM-Tron Proへ進化したが、アップグレードでも結構な出費となるので購入は躊躇していた。できればM-Tronのまま使っていきたい。だが、サポートが終了しているのでMac OSを上げると使用できない可能性があった。Cubaseを8.5にアップする時も不安はあったが、それは大丈夫だった。最終的には外付けHD にOS 10.12をインストールし、同時にM-Tronの方もインストールし駆動するかどうかを確かめた。何とか音が出るようだったのでとうとう私のiMac本体にもSierraをインストールすることを決断した。これでCubase も最新の10が使用できる!と思ったのであるが、、、。
     
 ここで新たな問題が。ソフトシンセのVST音源がことごとくブラックリストという場所に収まり、使用できませんとなったのである。最初は意味がわからず、ネットで調べてみたら「Cubase 9からは64ビット版のみのリリース」となり、加えて「32ビットのプラグインは使えない」ということである。そして私が小遣いの大部分を費やした今ある音源の半分は32ビットであるらしい。往年のアナログ・シンセをソフト化したお気に入りのAnalog Labは違ったが、一番使いたいメロトロン音源のM-TronやIK Maltimedia社の Sample Tronなどは使用不可であった。それらのソフトが無償で64ビット化できるのかどうかは不明であり、結果として今はCubase 8.5を使い続けている。まあ、自分のつたない音楽センスや環境ではこれでも充分過ぎるほどなのだが、せっかくの10が使えないのも残念ではある。こうした状況に対処できるjBridgeというソフトもあるようなのだがあまり気も向かず、当分は現状維持でやってみようと思っている。

 さて、今私が取り組んでいるのは、何十年も前にTEACのTASCAMシリーズ244(4チャンネル・カセットレコーダー)で録音した音源をCubaseに取り込み、いろいろ手を加えてみようという作業である。今後、その状況をレポートしたい。


アナログ・サウンドへの回帰4~FOSTEX R8(8チャンネル・オープンリール・テープレコーダー)

2015年10月05日 | 音楽制作
 FOSTEXのR8、こちらは高額商品として89年頃思い切って購入したものだ。これを入手するということは、ミキサーや録音テープも必要ということで、大変コストがかかる。それにもかかわらず私のルーム・スタジオには必要だと思ったのだ。後年ネット・オークションでようやく同じFOSTEX製の8チャンネルミキサー454を手に入れたのだが、購入当時はやはりそこまで手が回らず、手持ちのキーボード用ミキサーを使って録音していた。

 それ以前はカセットの244を使用していたので、音質的にはこのR8で録った音は素晴らしく良く聞こえた。実際テープ幅もスピードも違うのだから(38cm/sec)当然である。加えて8トラック録音が可能だから、私の音楽制作は無限に広がったように感じた。ただ録音に必要なオープンリール・テープが高額でなかなか買えない。主にAMPEXの456と457を使っていたが38(サンパチ)で回すと1本に付き20分程度しか録音できないので、テープは貴重だった。

 そのような状況でもとうとう念願の8チャンネル・レコーダーを手に入れたのだから、その後はこれを駆使し音楽制作に没頭することになった、はずだったのだが…。何と間もなくMDというデジタルで録音のできる機器が登場し、その後そのMDを使ったマルチトラック・レコーダーが発売された。結局4チャンネルMDレコーダーに目移りしてしまい、SONY MDM-X4を購入したためR8の使用は短期間に終わった。しかしR8のようにアナログかつアマチュア・レベルでの高音質なレコーディング機材は、アナログ回帰の今最良のものと言える。テープの入手や部品の調達が難しいというハンディはあるが、今後DAWと同時並行で上手に使っていけたら良いと思う。