ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

DeepMind12シンセサイザー〜平成最後の大買物

2019年04月28日 | シンセサイザー
   
 今世の中では「平成最後の、、、」という枕詞が何度も聞かれている。それには食傷気味だったが、ここに来て自分自身もやってしまった。平成最後の大買物である。behringer社のアナログ・シンセサイザー、DeepMind12を買ってしまったのだ。ハードウェアとしてのシンセはすでに5台も所有しているから、当初は新たに購入するとは思ってもいなかったのだが、これがまた素晴らしい楽器なのである。

 最近では13年にMicroKORGというボコーダー付きのアナログ・シンセを買った私だが、アルペジエーターやエフェクター内蔵のそのサウンドに、ミニサイズながら大きな驚きを覚えた。明らかに進歩している。そしてJuno106を触っているうちに、パネル操作をして音を作っていくことにも改めて喜びを見いだしていた。そんな状況下で見つけたのがこのDeepMindだ。

 behringerブランドとしては初のシンセサイザーとのこと。DeepMind6と12があり49鍵盤の12は操作パネルがJuno106とよく似ている。実際に両者を比較した動画サイトを見ると、寸分違わない音を聞くことができる。だが、アルペジエーターや豊富な内蔵エフェクターが加わり、そのスペーシーなサウンドはJuno以上に果てしない。プリセットされている音色だけで1,024種類もあるとは驚きだ。
    
 アナログの暖かいpadサウンドが大好きな私としてはネット上で知ることができるDeepMindの音色に完全に心を動かされてしまった。さらに発売当初は13万くらいの高額価格が最近サウンドハウスさんで6万円台になっていることも気持ちを動かした。今現在はパネルを動かしながら様々に変わる音色を楽しんでいる状況である。また、独自に作ったサウンド・パッチのデータを有料で提供している人達もいて、そこで聞かれるアンビエント・サウンドもなかなかのものだ。そのようなことが自分自身でできれば拡張性もあると思う。本ブログでは、プリセットの音を重ねたデモ音源を下にアップしておく。

  deepmind12〜サウンド・デモ

 それにしても「平成最後の」というべき大きな買い物があったということは、当然「令和最初の」買い物もあり得るということ。どうなることやら、恐ろしい、、、、

メロトロン・サウンドを求めて5〜M-TronとSampleTronのデモ音源

2019年04月13日 | 音楽制作
 以前に本ブログで紹介したメロトロンのソフトシンセ・サウンド(M-Tron, SampleTron)をここで紹介する。ジェネシスの Wacher Of The Skies イントロの一部を Cubase にて打ち込みした音源である。3番目のデモは両方をミックスした。
1 SampleTron版(以前のここに記事あり)
  Watcher Of The Skies-SampleTron version
  
2 M-Tron版(以前のここに記事あり)
   Watcher Of The Skies-M-Tron version
  
3 両音源ミックス版(左=SampleTron、右=M-Tron。SampleMoog の Taurus Bass 音を加味。)
  Watcher Of The Skies-Mix version
  




’86年の自分と共演する4〜Cubase上での最終調整

2019年04月07日 | 音楽制作

・手順6: 「音を足す・音を引く」
     
 今回初めてエレキギターのソロを本格的に入れてみた。使用したのはYAMAHAのSG2000で、今までの練習の成果を発揮する時であった。だが不慣れなためか、なかなか思ったようにいかない。おまけにハモリのあるフレーズを考えて何とか録音したのに、プレイバックしてみたら1音だけコードと一致していない!これは録り直しだ、と落胆した時にVariAudioのことを思い出した。ヴォーカルで修正ができるのだから、ギター音も同じでは? 結果として修正ができた。これも「魔法」の力である。
 このように、オリジナル音源にはなかった新たな音を足していく作業はとても楽しかった。しかし調子に乗ると様々な音色による装飾に溢れ過ぎて、曲の骨格が損なわれやすい。そこで今度は不要と思われる音を削っていく。これがとても難しい。足すのは積極的にできるのだが、引くのはそうではない。まあ、これで商売をしているわけではないので、やりたいようにやって良いのだろうとは思うが、やりすぎない程度にまとめてみた。

・最後に: 「ミックス・ダウン」が最大の難関
 ‘86年の自分と共演する取組は一応の完結を見た。趣味の世界(=自己満足)とはいえ、ここで音源を紹介できないのは残念だ。(本ブログにはmp3などのファイルがアップできない?ので。)
 最後に一言加えるなら、数多くなってしまったトラックをまとめるミックス・ダウンの作業がとても大変であるということだ。各トラックの音を最適な音質に補正し、それらをバランス良くまとめるのは、曲を作り演奏するのと別のスキルが必要であると今回つくづく感じた。それを専門とするお仕事の人がいるのも納得である。素人なりに今後はその辺も勉強していこうと思う。
 さらにもう一言。ZOOMのR16はとても使い勝手の良い機材であることが今回の取組をとおしてわかった。
 次は90年頃に244で録ったオフコースのI LOVE YOUを完成させたいと思う。

<追 記>
 上では音源を紹介できないと書いたのだが、2年近くが経過した21年3月YouTubeに動画としてアップしました。あまり見られていないのですが、カセット録音ならではのLo-Fiなサウンドは気に入っています。よろしければどうぞご覧ください。

「Invocation(祈祷)〜もうひとつの心象風景」


 


’86年の自分と共演する3〜Cubaseへ移植された音源の整理・修正と再録

2019年04月05日 | 音楽制作
 前回の作業では音源をダビングするのではなく、R16の入力とカセットプレーヤCMX100を繋げ、R16をオーディオインターファイスとしてiMacと接続することでテープから直接音源をCubaseに移植することができたかもしれない。だが、一度R16にダビングしておく方が便利であることがわかった。それについては後述する。

・手順3:「Cubase上の4トラックの音源を整理する」
 カセット244で録音したデモ作「もうひとつの風景」は導入となるインストゥルメンタルのイントロ部分(Invocationと名付けた)と本編のあるメドレー曲である。各トラックを確認すると、ドラムマシーンの打ち込み音に手弾きのベースとバッキングとなるシンセのコードのミックスしたものがトラック1に、ヴォーカルがトラック2に録音されているが、残りの2トラックには、エレクトリックギター、シンセのブラスとパッド、ハープなどが隙間を埋めるようにいろいろ入っている。ヴォーカルトラックのイントロとコーダ部分にもシンセの和音が録音されていた。少ないトラック数を最大限に活用しようとしたかつての自分の姿を思い出す。
 Cubaseでは新たにオーディオ・トラックをいくつか起こし、コピー&ペイストにて楽器音ごとのトラックを作成し整理した。同時に最初のサビには入っていたが、他の音を入れたがために2回目のサビでは消えていたシンセをコピペで足すなどの作業も行った。
 ドラム+ベース+シンセがミックスされているトラック1の扱いは音的にやっかいである。しかし、これはこのまま使うしかない。Cubaseの音質補正を使って多少のイコライジングを施したが、逆にアナログ録音としての不安定な音のうねりが迫力を増している気もする。

・手順4:「ヴォーカルの音程を補正する」
 自分のヴォーカルを改めて聞いて音程の不安定な部分がある。ここで、「モノフォニック (単音)のヴォーカル録音で、個々のノートのピッチを編集」する機能であるVariAudioを使って音程等の修正は可能だろうか?もちろんできるはずという予想で進めたのだが、案の定、可能であった。オーディオ・トラックにマイクを使って録音した場合と同じなので当然である。細かくピッチの修正を行い、より聞きやすいヴォーカルとなった。30年前には考えられなかった「魔法」である。

・手順5:「イントロ曲を再録する」
    
 実は今回の作業に着手するに当たり、イントロ部分を新たに録り直したいなと考えていた。86年当時使っていたシンセはDX7とJUNO-106だったので、今も手元にあるその2台を使って音色を再現することと、それにマイクロコルグのアルペジエーターやソフトシンセの音色を加えモダンな雰囲気を出してみたいと思った。そして、吹奏楽で打楽器を担当していた息子にドラムをたたいてもらうこと、これが最大のねらいだった。
 そこでR16の再登場である。息子のエレドラの出力とR16の入力を繋げて、すでにカセットからダビングしてあるR16の音源を聴きながら自己流に叩いてもらい録音する。その後は手順2と同じようにドラム音のwavファイルのみを取り込む。すると頭がぴったりと合う形でCubaseにエレドラの音が移植される。これが前述したR16へダビングしておくことのメリットである。
 さらに、オリジナルの音源に重ねる形で当時と同じようにキーボードを弾いてみた。こうして新たに完成したイントロInvocationだが、その仕上がりは音質の悪いオリジナル音源の方が迫力があり、再録の方は音はクリアだがこぢんまりしてしまった印象だ。ただ、ドラムのフレーズは圧倒的に再録の方が良い。やはり人による感性・演奏は素晴らしいものである。(以下続く)