ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

ミシェル・ルグランが指揮するミュージカル版「シェルブールの雨傘」

2016年02月06日 | 演劇
 私の愛する映画「シェルブールの雨傘」。ミュージカルとして日本でも舞台上演がなされている。そしてパリのシャトレ劇場で14年9月に行われた舞台がDVD/Blu-ray化され発売となった。この年は映画が公開されて50年後である。それを記念しての上演なのだろう。発売に気がついたのがつい最近なので遅ればせながら私はBlu-rayの方を購入した。

 舞台には大がかりなセットはなく、キャストが演じる後ろに音楽を演奏するオーケストラが配置されている。何も予備知識なしに見て驚いた、冒頭にレインコートを着て登場するのが作曲者ミシェル・ルグランその人だったからだ。凄いことだ、この作品の全曲がルグラン自らの指揮によって演奏されるのだ。かつてそんな機会があっただろうか。贅沢である。ということで最初から画面に引き込まれた。

 物語は映画と同じように進行するが、出演者は映画のイメージとだいぶ違って見える。特にロラン・カサール氏の風貌はかなり高齢に思える(それは見ていただければわかる!)。しかし全員の歌唱力は素晴らしく聞き入ってしまった。また映画の各場面をステージでどのように見せるのか期待したが、観客の想像力を借りるシンプルなセットで見事に表現していた。印象深かったのは最後のガソリンスタンドの場面。映画の演出と違って、外出から戻ってきたマドレーヌがジュヌビエーヌの姿を、ジュヌビエーヌがマドレーヌの姿を垣間見る(ように見える)シーンがあった。これによって最後の余韻が全く違って感じられた。

 ところで、1960年制作のジャック・ドゥミ初の長編映画「ローラ」の音楽をルグランが担当しており、「夢見るロラン・カサール」という曲をいくつかのCDで聴くことができる。その曲がシェルブールのカサール氏が歌う曲(後のWatch What Happens)と全く同じなのである。この映画の詳細もわからないため不思議に思っていたのだが、本作品の中でカサール氏が過去を告白する時に、かつてローラという好きな女性がいた、というフレーズがあるのにようやく気がついた。両作品は関連があると思われるがどうなのだろうか。

 日本盤でないので字幕はフランス語と英語のみである。しかし、ルグラン氏の元気な姿が見られただけでも元が取れる作品である。

キャラメル・ボックス「ブリザード・ミュージック」撮影オーケーに

2014年12月06日 | 演劇
 このたび劇団キャラメル・ボックスの「ブリザード・ミュージック」が再演されることとなり、神戸の初日公演に行ってきた。実は私は演劇が大好きで以前はよく劇場に足を運んでいた。村田雄浩氏のいたスリル&チャンスには何度も出かけたし、大好きな音楽座ミュージカルの「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」「とってもゴースト」「アイ・ラブ坊っちゃん」「リトル・プリンス」は生で見た。いまやすっかりテレビでおなじみの俳優陣がたくさん所属していた三谷幸喜氏の東京サンシャインボーイズも思い出深い。すべて今は存在しない劇団(音楽座だけは音楽座ミュージカルとして作品は上演中)。そんな中のキャラメル・ボックス。これまで一度も行ったことがなかったが、その当時から今も続いている貴重な劇団である。そして今回大阪に行く用事ができたので、これはチャンスとチケットを手配した。

 ここで話題にしたいのは、前説で「今回スマホと携帯に限って写真撮影をオーケーとしました。」と告知があったことである。日本の演劇、音楽など公演関係は一切撮影・録音が禁止となっているが、海外のライヴでは観客が平気でビデオ撮影をしている。YouTubeで見たロジャー・ウォーターズのザ・ウォールの再現ライヴで「ロジャーは公演中の撮影は許可しておりますが、フラッシュの使用は禁止です」という事前アナウンスが流れていた。著作権や肖像権などどう考えるのだろうと驚いたのだが、これだけ動画サイトが浸透している今の時代は撮影許可の方が宣伝効果も大きいということだろうか。

 そしてキャラメル・ボックス。芝居終了後のカーテンコールで「撮影OK」となり、皆さんスマホなどで撮っていた。私は電源をオフにしていたので撮影が間に合わず、最後のぎりぎりのショットとなってしまった。

 ところで私が大阪にいた11月23日よりスタートしたイエスの日本公演<YES WORLD TOUR 2014 in Japan>。こちらは「写真」ではなく“ライヴ音源お持ち帰りサービス”「Re-Live (リライヴ)powered by LIVEtoGO」が実施された模様。これは、全6公演会場のみで限定販売される「Re-Live (リライヴ)パッケージ」を3,500円で購入することで、11月25日東京・TOKYO DOME CITY HALL公演のライヴ音源をお持ち帰りできるサービスで、配信期間内でダウンロードする仕組みとのこと。ネットを当たり前に利用する今ならではの新しいサービス。これからどう展開するのだろうか。

 さて「ブリザード・ミュージック」再演初日の方は、4回のカーテンコール。主役の西川浩幸氏も「想定外で動揺しています…」ととても驚いた様子。私は久しぶりの芝居だったが生は良いなぁと改めて感じた。