ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

フォーカスのCDボックス・セット: HOCUS POCUS BOX 13枚組

2018年05月31日 | プログレ
久々にCDのボックス・セットを2種購入。その一つめはオランダのバンド「フォーカス」のHOCUS POCUS BOX。これは随分前から目を付けていたのだが、5000円を切る価格でベストを含む13枚のアルバムが網羅されている。
     

 フォーカスに関しては傑作のセカンド・アルバムMOVING WAVESを中心とした記事を過去に載せている(こちら)。それだけ思い入れの深いバンドであるが、私は彼らが70年代に残したアルバムしか聴いていなかった。その後、今世紀に入ってからトリビュート・バンドがきっかけで結成された新生フォーカスは全く知らない。Focus8からX(10)まで3枚リリースされているそうだが、改めてそれを聴いてみたいという気持ちもあった。そうした理由でこの格安ボックスを購入した。

 付属の英文ブックレットはバンドの歴史を大まかに述べている。中で、メンバーの交代に関する記述が興味深かった。まず、セカンド・アルバムMOVING WAVES時のベーシスト、シリル・ハーヴァーマンスは自分の演奏に全く自信が持てなかったらしい。他のメンバーのようなジャズ・クラシック的素養がなかったからだ。さらにギタリストのヤン・アッカーマンがベースのパートをほとんど弾くことができ、屈辱的な気分になった彼はバンドを去ったという。同じように、5枚目のアルバムHAMBURGER CONCERTで加入したドラムスのコリン・アレンも、バンドに合わないという理由でこの1枚だけで突然解雇された。ロック的なドラミングで結構私は好きだったのだが、今更ながらそんな事情を知った。

 さて、肝心の後期のアルバムであるが、唯一のオリジナ・ルメンバー、タイス・ファン・レアーが相変わらずの独特な歌唱を披露したり、テクニシャンの若手のメンバーが昔の名曲のフレーズを奏でたりと中々面白く聴けた。メロディアスな良い曲もあるので、これから聞き込むとさらにその良さがわかるかもしれない。

 言うまでもなく、70年代の作品はやはり素晴らしい!ちなみに一番お気に入りの曲は、Ship of Memories 収録のFocus Vである。そして、CDで持っていなかったMOTHER FOCUSを入手したことが一番嬉しい私である。

ハヤカワ・SF・シリーズ「タイムトンネル」

2018年05月23日 | 
 ここ2回ほどハヤカワのポケミスについて触れたが、書棚を探すと唯一リアルタイムで購入したものを見つけた。厳密に言うとポケミスではなくHAYAKAWA S-F SERIESと箱に書かれている一冊で、「タイム・トンネル」である。これは当時NHKで放送されていて毎週家族総出で見ていた外国のテレビドラマをノベライズしたもの。定価250円で、発行日を見ると昭和44年7月31日とある。多分私が小学生の頃買ったものだ。今や箱製カバーも汚れ、本も年期が入った状態だが実に懐かしい。当時はこの番組の他、「宇宙家族ロビンソン」など居間で親と一緒に楽しんでいた外国ドラマが結構あった気がする。そんなことも思い出させてくれる一冊である。

二階堂黎人「名探偵の肖像」での白熱「カー問答」とポケミスの訳

2018年05月21日 | ミステリー小説
     
 二階堂黎人氏の「名探偵の肖像」(講談社文庫)という一冊がある。有名ミステリ作家へのオマージュというか贋作が並んでいるのだが、「赤死荘の殺人」というディクスン・カーの雰囲気で一杯の作品も収録されている。カー・ファンには一読の価値があるとお薦めしたいが、見逃せないのが「地上最大のカー問答」という二階堂氏と芦辺拓氏による対談、そして「ジョン・ディクスン・カーの全作品を論じる」という二編である。
     
 前回にブックバードで購入したカーのハヤカワ・ポケミスについて紹介したが、それについて触れている箇所がある。それらをまとめると、カーの多くの作品はポケミスで訳されたが早い時期に絶版になっていたこと、特に悪名高い幾人かの訳者がいること、そのため全訳ではなく抄訳となっているものがあること、あるいは直訳調すぎる訳者もいて非常に読みづらい印象を与えること、など。つまり、こうした状況が不幸にも初期の日本にカー作品の面白さが浸透しなかった要因なのではという指摘である。もしそうなら、先日私が購入したポケミスの中に、まさにそうした訳者のものもあるので、これは心して読まねばならないようだ。

 本問答では、その他カー作品の魅力について両作家が白熱したトークを展開しており、もう一編の「…の全作品を論じる」と併せ読めばますますカーが好きになること間違いなし。そして何よりもうれしいのは、この文庫本が発行された2002年から後、カーの新訳が次々刊行されていることだ。ありがたい時代になったものである。

江別の古書店「ブックバード」さんとハヤカワ・ポケット・ミステリ

2018年05月09日 | ミステリー小説
 地元にブックバードという古書店がある。様々なジャンルの本を置いているが、私のようなミステリ好きも満足できる品揃えがなされていて、これまで何冊か購入している。そして嬉しいことに、この連休中にジョン・ディクスン・カーのコーナーができた。事前にその話を聞いていたので早速行ってみた。
 ハヤカワ文庫、創元推理文庫の作品が予想以上にたくさん並んでおり、全く知らないものも多く、目移りしてしまった。まずは、その中でかねてから手にしたいと思っていた文庫本6冊をセレクト。「白い僧院の殺人」「赤後家の殺人」「死者はよみがえる」「弓弦城殺人事件」などである。
    
 特記すべきは、この書店ではハヤカワ・ポケット・ミステリ(通称ポケミス)が充実していることである。色々な作家のポケミスが並んでいるのだが、今回カーの作品も多くあり、結局6冊のディクスン・カー、カーター・ディクスンを購入。これらの中で、「剣の八」と「死人を起す」(この作品は「「死者はよみがえる」と同作※)は、1600番突破記念と記された箱製のカバーに収納されていて、とても驚いたことに本自体も新刊本と同じくらいに綺麗な状態なのであった。どちらも再版として93年に発行されているのだが。いや、他の4冊もほとんど汚れのない美品で、これから読むのがとても楽しみとなった。ブックバードさんはこれらの本をどこで入手したのかと思うほど素晴らしい品揃えであった。
    
    
 ちなみにこちらのお店には日本版ビートルズ・ファンクラブの会報も置いており、かなり面白い古書店なのである。

あかね書房の少年少女世界推理文学全集No.6「魔女のかくれ家」において、「二つの腕輪」とのタイトルでも紹介されている。


アナログ・コレクション: CBSソニー・レコードはキャップ型帯

2018年05月05日 | ミュージック
 5月に入って久しぶりの投稿である。先月は投稿ゼロ。私の人生において最初で最後という出来事があり、生活が大きく変わったためである。ようやく書く気がでたので、2ヶ月近い不在を無視して前回のレコード帯の続きを。
     
     
     
 国内盤の中で最も特徴的な帯を掛けていたのはCBSソニー・レコードであろう。横長の帯がジャケットの上部に置かれ、名付けてキャップ(帽子)型帯である。一般的には帯はジャケットに巻き付けられているため外れない。しかし、こちらのタイプはジャケットの上に載っているだけなのですぐ外れてしまう。従って、記憶の限りでは透明なシュリンクが張られていたと思う。
 我がコレクションを探してみると、「ひとりごと/ポール・サイモン」「栄光のル・マン/オリジナル・サウンドトラック(ミシェル・ルグラン)」「1958マイルス/マイルス・デイビス」「ウェルカム/サンタナ」の4枚が見つかった(前者の2枚に見られるオレンジの縞模様が懐かしい)。このうちサンタナとマイルスは裏側も横書きなのだが、サイモンとル・マンのサントラは縦書きで、3枚目の写真のようにセットすることもできる。すると、どちらが表なのかわからなくなるのだが、よくLPを棚にしまっておくと背表紙が日焼けして変色することが多かったので、このように縦にセットしておくとそれを防ぐことができた。後に紙ジャケの国内盤CDについている帯と同じ効果が得られたのである。
 まあ、そんなに偉そうに書くことでもないのだが、それほど異色の帯だったということだけはお伝えしたい。