ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

アコギ談義その4 YAMAHA FG-400D

2021年10月29日 | ギター

 ヤマハのFG愛好家には80年代の名器と謳われているらしいFG-400D。妻が高校生の頃買ってもらったという一本である。かつて、もう弾くことはないので処分してと言われたことがあるが何とか確保。ただ、私も詳しいことは知らなかったのでネットで検索。

 トップはエゾ松単板、サイドバックはパリサンドル(合板)。ネックはナトー、指板と下駒はローズウッド。ペグは前期TM-30Dのゴールド仕様、というスペックである。長年放置しており弾きづらい状況が生じていたためリペアに出したことがある(ここに記載)。そして、弾きやすく、きらびやかで大音量を出すギターとして戻ってきた。

 エゾ松は北海道で取れ主にピアノ用の響板材とのことだが、そのためかヤマハがギターのトップ材として使用。今は貴重で、ギターには使われていないと聞く。見ると所々黒く変色している部分があるが、逆にそこが良い雰囲気を出している。サウンドホール周りやバイディングの装飾、ゴールドのペグも豪華。バックの木目も際立っており目を引く。メインとして毎日弾くわけではないが、時々味わってみたい音色と魅力を持つギターである。


ザ・ビートルズ LET IT BE スペシャル・エディション版が到着

2021年10月24日 | ザ・ビートルズ

 10月15日のリリースに伴って数日遅れでLET IT BEの50周年スペシャル・エディション版が到着した。同時に久しぶりにレコード・コレクターズの11月LET IT BE特集号も買ってみた。今回のスペシャル・エディションについて何の予備知識もないので同雑誌の力を借りようと思ったのである。

  

 さて私が注文したのはリミックスの音源+アウトテイク・ハイライトの2枚組CD版である。まずジャイルズ・マーティンによりリミックスされた音源は、最初に聴いただけではオリジナルミックスとの違いが分からなかった。I’VE GOT A FEELING の最後でジョンとポールが違ったメロディを同時に歌う部分があるが、確か左と右に明確に分かれていたが、今回は中央に寄っているかな?と思った程度である。ということでレココレを紐解く。76ページからのスペシャル・エディション解説(文・小山守)によると各楽器の分離が薄まって丸みを帯びた音像になっていて、同時にヴォーカルの生々しさがいっそう際立っている、特に数曲で聞かれるオーバーダビングされたストリングスの音が全体に溶け込んだ質感になっている、という。それを読んで、やはりI'VE GOT A FEELING のヴォーカル処理もそういうことかと、改めて聞き直してみた。でも、やっぱりあまりわからないな、、、まあこのアルバムは、変わりすぎない方が良いのかもしれない。それにしても、収録時間はトータル35分程度しかなかったのですね。

 ディスク2の方は多分初めて聞くものばかりだ。リハーサル的ではなく完全演奏のテイクが多いのが良かった。これもレココレに詳しい解説が載っているのでとても参考になった。音源についてのみではなくレココレの特集記事ではLET IT BEが出来るまでの背景なども改めて説明されていて、読み応えのある内容であった。

 なお、付属のブックレットにポールの言葉や、詳しい解説、そしてレコーディングの詳細などが記載されている。時間のある時にじっくり読んでみたいと思う。

 そして来月いよいよ映像版GET BACKがディズニー・プラスで配信される。楽しみに待ちたい。


祝!ジェネシス復活コンサート!!"The Last Domino? Tour"

2021年10月11日 | プログレ

 一番好きなロックバンドであるジェネシスが先月末からとうとう復活コンサートThe Last Domino? Tourを開始した。延期に次ぐ延期があったが、まずは開催を祝したい。そして、YouTubeのサイトではそのライブの模様をアップしてくれている人達がいて、全容がつかめる。何と有難いことか!それにしてもイギリスでは普通に客が入り、普通に盛り上がっている。もうそんな状況になっているのかと、まずはそちらに驚いた。

 ジェネシスのライブは、バリライトの開発に関わった経緯もあり照明にはいつも凝っている。今回もドミノ風のオブジェが天井に設置され、そこから縦横無尽に光が飛び交う。動画を通してもその様子はわかるが、やはり会場内で経験してみたかった!

 オリジナルメンバーのマイケル・ラザフォードやトニー・バンクスは70歳を超えているだろうが、昔と変わらないスタイルで楽器に向かっている。フィル・コリンズは脊髄手術の後遺症?からほぼ椅子に座ったままヴォーカルに専念する。サポートギタリストのダリル・スターマーは割と元気にギターを弾きまくり、そして今回はフィルの息子であるサイモン・コリンズがドラムで参加。彼のドラミングは父親とは違って重たい感じのトーンだが、複雑なジェネシスの曲をこなしているのはさすが父親譲りだ。

    

 ところで動画を見ていてオープニングのBehind The Lines でマイクが手にしているベース・ギターに目が行った。驚いたことにどうもYAMAHAのモーションベースなのではないかと思われる。私が持っているベースギターが古いヤマハMB-40なのだが似ている。いわゆるP/Jピックアップ(プレジション型とジャズベース型の両方を備えている)であり、ヘッドのデザインがYAMAHA、というかその丸形ロゴマークでほぼ間違いないだろう。私が所有するのは安価なものでコントロール用ツマミの数などが違うのだが、調べてみるとMBベースは90年前後の時代に発売されていて、高価な方ではMB-1やMB-75というモデルがあったようだ。マイクが弾く個体にはゴールドに輝くブリッジが見られ、MB-75と似ている。今このデザインと同じモデルは出ていないので、マイクはセミビンテージのヤマハを使ったのでは、と思われる。それもオープニングで。そういえば、ジェネシスとして初来日した78年の雑誌取材記事で、持ちこまれたアコースティック12弦ギターがAlvarez 製と紹介されていたことを思い出す。これは日本のK.YAIRIの輸出仕様である。実はマイクは日本びいきなのかもしれない。

 ちなみに私の持つMB-40はミディアムスケールのベースギターで、体が小さい私にはちょうど良いかと思って数年前に購入した。だが最近こちらの練習はサボっている。この機会にスラップ弾きの練習を再開しよう。

 ジェネシスの祝!復活コンサートが私のベースギターの話しになってしまった。ライブの写真はYouTubeのこちらから。もちろん、今後もジェネシスの活動に注目していきたい。


アコギ談義3 ギブソンVS マーティン(その2)

2021年10月09日 | ギター

      

 さて、今回のお題のギブソンVS マーティン。と言っても対決しているわけではない。製造年も張っている弦も違うので正確な比較はできないだろう。ただ言えるのは、マーティンM-36のボディはJ-45ほど深くはないにもかかわらず圧倒的に音量が大きいということ。このギターが95年製の26年選手だからだろうか?J-45とは逆に5〜6弦の響きが厚く感じる。意外だったのは試しに張っていたFenderの弦がこの上なくいい音がすること。値段は500円台である上に、数ヶ月交換していなかったので久しぶりに弾いた時に本当に驚いた。もう一度この弦を使って確認しようと思う。

     

 M-36を改めて説明すると、トップはスプルース単板。サイド&バックはローズウッド単板。ネックはマホガニーで指板はエボニー。”0000”(クアドラ・オー)シェイプとも呼ばれ、”000”(トリプル・オー)シェイプよりも一回り大きなサイズで、広く、豊かな低域とレンジを持つという。他にはローズウッドブリッジ、べっ甲柄ピックガード、D-35と同じ3ピースのバック面や、指板のホワイトバインディングなど、個性的な仕様も備えている。

 私の個体は1995年製、お茶の水の楽器店Hobo’sで中古で購入。こちらも試奏なしのネット購入だった。ただ、Hobo’sさんには以前訪問して、店員さんと話をしたことがあった。信頼感と買いやすさがあった気がする。このギターをホームページで見つけた時もメールで何度かやり取りをして状態を確認し、スタッフの言葉を信じて購入に至った次第だ。

 M-36はあのジョージ・マーティンが愛用していたとMartin Club Japanのホームページでは紹介されている。録音スタジオ向きのサウンドと考えられていた節がある。我がギターは25年以上の歳月が過ぎ、トップのスプルースは深い飴色になっている。前回、J-45の甘い木材の匂いについて述べたが、実はこちらも木材の良い匂いがする。これがK.YairiのエレガットCE-1になると完全に木の匂いだけなのだが、この魅力的な香りは何なのだろう?

 J-45はサイドとバックがマホガニーである。実はM-36の前にもう一本、マーティン・ギターを買っていた。こちらに詳細を載せたが、OOO-1である。(現在は息子の所有。)このギターもサイドとバックはマホガニーで、これもなかなか良い音を聞かせてくれる。一方、M-36はローズウッド。どうしてもローズウッドの一本が欲しかったということで購入に至ったわけである。

 ここ10年の間の物価上昇が影響したのか、名のあるアコギの中古価格は今は20万円台になっているようだ。私が探していた頃はまだ10万円台で買えたと思う。当然ながら予算的にはこれ以上は増やせないということになる。目移りはしやすいのだが、今あるものを大切に、いつまでも使っていければと思う。


アコギ談義その2: ギブソンVS マーティン

2021年10月03日 | ギター

 ロンブーの敦氏が、シンガー・ソングライターとして「あいみょんみたいになりたい」という理由でアコギを買いに行く動画がYouTubeにアップされている。楽器店で最初に見たのがテイラーのコーナーだった(すでに一本所有している模様)が、その後店員さんの紹介でギブソンのJ-45を手にしてかなり気に入った様子。それで購入決定かと思いきや、マーティンも見たいということでD-45を試奏する、という展開であった。このように、アコギと言えばやはりギブソンとマーティンの名前が出てくるだろう。そこで、今日の談義テーマはギブソンVS マーティンである。両者のギターにはどのような特徴があり、どちらが良いのか?などを論じたサイトや動画はたくさんアップされている。そこで、たまたま私も両方のギターを持っているので今回談じてみたい。

 この話題として紹介される定番のマーティンのアコギはD-28だろう。だが、私が持っているのはM-36というマイナーなギターである。最初はD-35を所有していたのだが、それがM-36に代わった。一方ギブソンはJ-45。先に購入したということでJ-45から紹介しよう。

    

 J-45についても本ブログで紹介したことがある(こちら)。Rim Shotというアリスのベーヤンさんがオーナーをしている楽器店から購入した2006年製、赤ラベルの中古だが、直に店に行ったのではなく、ネットショッピングである。だから試奏もせず、ただ店の説明と写真を見ての購入だった。いろいろ探して最終的にこれにした理由の一つは「価格」である。上を見れば切りのない中、無理すれば手の届く範囲だったと思う。それでも高額だったので、この時だけはローンで購入した。一度も弾かずに高額なギターを買うなんて、今考えると無謀である。だが、北海道の地方に住んでいた私は近くに楽器店はなかったからネットショッピングだけが頼りだったのだ。思いが叶ったのか、届いたギターはお気に入りの一本となった。最初の一振り?からとってもいい音がしたのだ。当たり外れが分かるわけもない自分だったが、少なくとも、これがギブソンの音なのか!と感動したことを覚えている。そして、他のYouTube動画で言っている人もいるが、ギターの匂いがとても良い。リッケンバッカーの620を新品で購入した時は塗装の甘い匂いがしたのだが、J-45はサウンドホールの中からその匂いがするので、多分木材の香りなのだろう。それにバニラのような香りがミックスされた何とも心地良い匂いなのである。

 話がそれてしまったが、私のJ-45は今年で生誕15年となった。深いボディの振動が体に伝わるふくよかな音なのは購入当時と変わらない。そして、抱えていても弦の美しい響きがストレートに耳に伝わってくる。特に2弦の響きが良い意味で異質で、他の弦にはない倍音が含まれている気がする。これはグレッグ・レイクがギブソンのウエスタン型ギターで弾き語る「展覧会の絵」のThe Sage(賢人)の音と似ているとずっと思っていた。2弦部分だけ後ろにずれているサドルの形(オフセット型)が影響しているのだろうか。(オフセットもオクターブ調整のためと聞いてはいるのだが。)J-45はコード弾きのドンシャリ音、ジャキジャキ音には定評があるが、指弾きのアルペジオも絶対に美しいと思う。特に私のJ-45は5、6弦より1〜3弦の響きが良いように思われる。

 本器にはサドルの下にピエゾ型のピックアップが着いている。現行型はサウンドホールの所に調整つまみがあるように見えるが、06年製には何もない。ボディの中に9Vの電池を装着する袋があって、コードが伸びているだけ。なので、アンプで調整するしかない。今までで一度だけ、バンド演奏のライブでアンプ(Rolandのジャズコーラス)に繋いで演奏したことがある。あの時は観客が800人以上いたのでピックアップ付きのJ-45は重宝した。でも、どのように聞こえていたのか、自分ではよくわからなかったのが悔やまれる。(続く)