ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

理想のヘッドホンを探して~SONY MDR-XB70

2014年12月26日 | 音響製品
 先日レビューしたBLUETOOTHヘッドホンは無線としてそれなりの使い道があるが音質的に不満が残った。そこで、年末自分へのご褒美として自分が満足できるヘッドホンを探してみることにした。対象はカナル型イヤホンで、ポイントは重低音、そして中高音にも不満が残らない音質のもの。予算を5,000円前後として札幌の量販店に出向いた。

 その店では各社の複数の現物を試聴できる。ということで、持参したiPod ClassicとWalkmanをつなげ可能な限り聞いてみることにした。A-T社、Be社、P社、Se社、J社など目移りがするほど多数の商品が並ぶ。ついハイレゾ対応の数万円する高価なものを耳に充ててしまった。それらは確かに自分の好みの音質を奏でている。しかし、価格的にはNG。そうなるとなかなかこれというものがない。やはり予算内では無理かと思った時、最後にSONYのコーナーに立った。Walkman付属のノイズキャンセル付きヘッドホンを使用していたためSONY製にはあまり食指が動かなかった。ところがここにあったのだ。「体で感じる重低音」というのが商品コピーである「ステレオイヤー・レシーバー MDR-XB70」。その言葉どおり低音がズシズシ響く。そして中高音もなかなか(結局この点は購入後再生機器のイコライザで中音部を少し上げて聞いているのだが)。そして定価8,300円が実売価格で5千円を切る。もうひとつXB50というワンランク下の製品と聞き比べしたが、中高音の繊細さでXB70が一歩上。他に低音重視ではないナチュラルなサウンド重視のものもあったのでさらに比べてみたが最終的にXB70に決めた。
 実はもうひとつの基準が耳へのフィット感。この製品にはイヤーピースが大小4種類同封されていて、さすがに充分対応できている。

 ところでなぜこのような重低音が発生するのか。商品パッケージには「ベース・ブースター採用」、「大容量切削アルミニウムハウジング」などの記述がある。耳の外に来る箱の部分が大きめに作られており、空間的にも電気的にも空気の振動を最大限に産み出していると思われる。まあ、専門的なことはわからないが、とにかく希望の条件を満たすヘッドホンにめぐり逢い、今はこればかり使っている。左右の分離もかなり明確で、今まで気がつかなかった音が新たに聞こえてくる感じもして、かなり気に入っている。オススメである。

紙ジャケ盤LET IT BEとビジュアル版ザ・ビートルズ全史「1000点の貴重な資料で体感する歴史大図鑑」

2014年12月25日 | ザ・ビートルズ
 ステレオ盤SHM-CD紙ジャケシリーズのLET IT BEが届いた。こちらも一見「帯」に見えるカバーが付いている。日本リリース時の見開き・ダブルジャケットではなくオリジナル英国盤と同じシングル・ジャケットである。「日本独自企画」ということなら、かつてのダブルジャケの再現が良かったなあ、いや(前にも書いたが)ボックス版の再現を!と思ってしまう。同封のスリーブは白い紙仕様。
 ところで、今年流行ったアナ雪のLET IT GO、そしてこのLET IT BEは訳すとどちらも「ありのままに」となるだろうが、違いは何か。聞くところによるとLET IT GOには「意志が感じられる」とのこと。なるほど、確かに映画撮影時のビートルズ、ポール以外はGOではなくBEだったかも、と言うと皆さんに怒られるかもしれない。

 さて、日経BPムック「大人のロック!」から新しいビートルズ特集が発刊となった。今回の一冊も、広範囲な資料を基にメンバーの誕生からバンドの解散までを追い、ビートルズを「音楽遺産」と位置づけその魅力を余すところなく伝えようとしている。
 彼らの史実の紹介については初めて知ることもあり興味深く読んだが、私が特に関心を持ったのはEPやシングル盤レコード、各国のジャケ違いアルバム、オープンリール版のアルバムの紹介である。様々な形でビートルズの音楽が世の中にリリースされたことを再認識した。そして、時々彼らの使用した楽器の紹介もされている。よくぞここまでたくさんの資料を集めたものだと感心している。そういう意味でもとても読み応え、見応えのある一冊である。この年末年始はこれで50年前にGET BACK...。

ザ・ビートルズのステレオ盤SHM-CDには帯がついて....

2014年12月19日 | ザ・ビートルズ
 今月発売された日本独自企画、ザ・ビートルズステレオ盤SHM-CD紙ジャケ・シリーズのうち、ABBEY ROADとLET IT BEを注文した。今日届いたABBEY ROADを見て何とレコードと同じ「帯」が付いている!!と喜んだ。が、ビニールの袋から取り出してみてわかった、これは帯ではなくてカバーだった。一見すると帯が掛かっているように見えるので、帯好きな日本の消費者を意識した作りであると一応評価しよう。本音を言うとかつての帯を復刻して欲しかったが。

 CDのレーベルはかつてのリマスター盤と同じリンゴデザインで、ブックレットも同じ。黒い中袋が同封されている。またSHM-CDという高品質な素材でのリリースだが、我が家の機材ではその違いがよくわからないので、私にとってこれは純粋に紙ジャケを楽しむものとなっている。初紙ジャケとなるアルバムが6種ある中で、私はよく聴く2枚を選んだ。TOWER RECORDSからは特典として来年のカレンダー付きのポスターが折られずに長方形の箱に入って届いた。これは結構嬉しかった。「初回生産限定盤」とのこと。


Bluetoothワイヤレス・ステレオ・ヘッドセット TT-BH03を試聴してみた

2014年12月17日 | 音響製品
 Bluetoothのヘッドフォンをひとつ手元に置きたいと思い、今回試してみたのがTaoTronicsのTT-BH03である。到着後に開封してみると小さく折りたたまれていて、持ち運び用のポーチが付属。このヘッドセットは電話を受けたりかけたりする機能があるため基本的にスマートフォント(携帯電話)との連動を想定しているようだが、まずはiMac、それからiPhoneと接続し音楽を聴いてみた。

1 装着感:耳当て部分が直径約5.5センチで、耳にあたる感じは悪くはない。重いと感じるほどでもない。長時間装着すると多少両耳への圧迫感はあるが、ヘッドフォンとしては許せる範囲だろう。眼鏡を後ろ向きにかけるように装着するので、ちょうど柄の部分が耳と頭の間に収まり外れにくい。歩いたり、走ったりしながらでも音楽に集中できるだろうが、外での使用は危険なので家で食器を洗う時に使ってみたい。

2 使用感: 右耳側に全てのボタンがあり、電話の操作、音量調節・曲の送り戻しができる。電話操作は大きなボタンを押すだけなので問題ないが、他の操作は見ずに手探りなので慣れが必要と思われる。音楽を聴いているだけならば何も問題ないだろう。

3 音質: ノイズなどは気にならないので無線であることを考えると良好な方だろう。人によって好みがあると思うが私は低音が鳴ってくれてかつシャープな音質が好きなので、その点から言うと物足りない。しかし、送り手側のイコライザを調整すると当然音質も変わる。あとは外に持ち出した時、例えば交通機関利用時にどのように聞こえるかは別途試してみたい。

4 気になる点:(1)特にiMacのiTuneを聞いていると時々プツプツという音が混ざってくる。多分瞬間的に音が途切れているのではと思うが、iPhoneでは発生しないので原因がわからない。(2)ペアリングの範囲が10メートル以内とされているが、屋内でも壁があったりすると意外と範囲が狭い。1階のiMacを2階で聴く、というのは厳しそうだ。

  BluetoothとしてはSONY WALKMANのNW-M505を使ってiPhoneの音源を聴くことがあるが、私好みの音質としてはそちらの方が数倍良い。しかし、この製品は耳から外れることやコードを気にすることなく音楽に集中できるメリットがある。何か作業をしながらより音楽に集中したいなど、ちょっとした場面で重宝するヘッドフォンだと思う。

ジェネシス来日公演の思い出 '78 & '87

2014年12月15日 | プログレ
 さて、このTHE MOOK「ジェネシス」の最終ページに78年初来日時のチケットが掲載されており「もう38年も前のことです…」との記載が。当時私もそのライブに行ったので、ここでその思い出を述べてみよう。

 私は東京の大学に通う学生だった。当時プログレッシブ・ロックの全盛期は過ぎていたと思う。従ってジェネシスの来日がアナウンスされチケットの発売日が決まってからもそれほど騒ぎにはならないだろうと考えていた。発売の前日に一緒にライブに行きたい高校の同級生達と都心にいる友人宅に泊めてもらい、翌日チケットを買いに出かけた。当時はプレイガイド等での購入が主流だった。最初に渋谷のプレイガイドに行ったら何とそこでは全て完売。驚いた。店員に聞くと早朝からかなり並んだとのこと。完全に予想外の展開だった。そして、私は顔面蒼白になっていたと思う。しかし、それで諦めてはならないと、すぐに新宿の京王デパートに出向いた。以前そこで買ったことがあり、あまり混み合わない印象だったからだ。我々が到着すると人の気配はなかったが、聞くとここも長蛇の列だったとのこと。しかし何と初日新宿厚生年金会館大ホール2階席の一部のチケットが残っていたではないか!それも人数分がちょうど確保できたのだ。本当は全公演に行きたかったのだが自分の対応の甘さでそれは叶わなかった。しかし1回だけでも彼らの演奏を目の当たりにすることができたのだから本当に幸運だったのだ。(S席3800円。)

 ハケット先生が脱退して「そして3人が残った」ジェネシスとしての来日で、この時新ツアー・ギタリストのダリル・ストゥマーの演奏を初めて聞いたのだが、彼の高度なテクニックのギタープレイには舌を巻いた。それまでの叙情性豊かな演奏に揺らぎのないテクニカルなフレーズが絡まり、これはこれでありだなと感心したものだ。ELEVENTH EARL OF MAR の迫力あるそしてドラマチックなオープニングからアンコールのI KNOW WHAT I LIKEまであっという間の2時間だった。RIPPLESの時、中間のギターソロでフィルがステージ上に腰掛けてマイクのペダルベースを両手で弾いていたし、また彼のMCは全て日本語で、初日はまだ要領がつかめないのか「?」な所もあったが、フィルの人柄が感じられて楽しかった。演劇的要素もあり、また狭いながら天井から注ぐ照明の効果も充分感じられる素晴らしいライブだった。一説によると日本公演でのホール演奏が気に入り、その後のデューク・ツアーでは好んで小さめのホールでライブを行ったとか。

 さて、2度目に行ったのは10年後、1987年3月の日本武道館、「インヴィジブル・タッチ・ツアー」であった。この時は就職して北海道に戻っていたが在京の友人がチケットの手配をしてくれて行くことができた。当初は1日だけの予定だったが、急遽別日にバックステージの席が販売されることになり2回行くことになった。(こちらはS席5000円。)

 そのステージ裏の席から見る光景が興味深かった。前方から見えない所でスタッフが細かく動き回り、楽器かエフェクターのスイッチを押す姿が見られたり、またツアー・ドラマーのチェスター・トンプソンが、フィルがドラムをたたく場面で後ろに降りてきて一休みするところなどを見ることができた。武道館の広さで存分にバリライトを用いたステージは効果抜群で、これまた印象に残る素晴らしいライブだった。

 この当時はフィルのソロシンガーとしての人気も相当出ていたので、ジェネシスを知らず、「フィル・コリンズとそのお友達バンド」を見に来たという人もいて、ある意味彼らの人気ぶりを実感した。だから間違いなくこの時期の(フィルがフロントマンとしての)ジェネシスは全盛期だったと思う。そのタイミングで行くことができたのだから、この時も本当に幸運だった。そして、それから26年後の昨年ハケット先生のライブに行くことのできた私なので、あとはピーター・ゲイブリエルに会うことができたら完璧だと思う。これからの人生でそんな幸運に巡り会うことができるのだろうか…。
(2枚目の写真は両公演のツアーパンフ)

うれしい新刊本 SHINKO MUSIC MOOK THE DIG「ジェネシス」

2014年12月14日 | プログレ
 SHINKO MUSIC MOOK THE DIGより「ジェネシス」が発行された。最愛のプログレバンドの解説書としてじっくり目を通すに値する内容であった。ひとつ驚いたのは、今年5人時代の最強メンバーが一堂に会したということ。微笑みながら写真に収まっている姿が本誌に紹介されている。フィル・コリンズはドラマーとしての再起が不可能と言われるくらい体調不良と聞いていたので心配だったが、この写真を見る限りは元気そうだ。ピーター・ゲイブリエルはちょっと横に体が広がった感じ。トニー・バンクスやマイケル・ラザフォードは年齢それなり、そしてハケット先生は相変わらずのお姿。ピンク・フロイドと違ってメンバー全員が健在なのだから、なんらかの行動を起こしてくれると期待するのだが、どうもそのような動きにはなっていないようだ。かつてP・ゲイブリエルが離脱してからも2度ほど再結集し、曲のレコーディングをしたはずだ。一度目はアーカイブに収録されたTHE LAMB LIES DOWN ON BROADWAY のライヴ・ヴァージョンで、最終曲のITだけテープ切れだったため再録した時、そして二度目はCARPET CRAWLERSを再録しCDとしてリリースした時。今回はBBC制作のドキュメンタリー番組のために集まったようだが、残念ながら音楽的な再会とはならなかったようだ。

 本誌にはジェネシスの歴史、アルバム紹介&考察、ジェケ画を描いたポール・ホワイトヘッド氏のインタビュー、日本のトリビュートバンドの紹介(含キーボード機材の紹介)、ソロ作の紹介、過去の再録インタビューなど盛りだくさん。中でも参考になったのは2007年の5.1サラウンドミックスを含むリミックスヴァージョンの考察記事。執筆者片山 伸氏がサラウンドをどう聞いているかも参考になったが、実はSACD収録の2チャンネル・ヴァージョンも新たなリミックスによるものだという記述があり、それは当然オリジナル・リリースのミックスとは違うということ。気がつかなかった。私はこのSACD+DVD盤を購入してから何枚かの古いCDを処分してしまっていた。アナログ盤だけはすべてあるのだが。というわけで、旧CDを再度購入した方が良いかもしれない。

 ジェネシス本といえば、かつて彼らを専属的に撮影していたアーマンド・ガロによる2冊の写真集が手元にある。最初のTHE EVOLUTION OF A ROCK BANDは学生時代にジェネシス・ファンクラブをとおして購入した。ガロ氏の直筆サインが書かれている。2冊目のI KNOW WHAT I LIKEはロンドン旅行をした時に現地のヴァージョン・メガストアで入手。どちらも未見の写真がたくさんあり、コアなファンとしては宝物であった。(続く)


アントニオ・カルロス・ジョビン、銅像建つ!

2014年12月11日 | ミュージック
 アントニオ・カルロス・ジョビンの銅像が今月8日、ブラジルはリオ・デ・ジャネイロの海岸に建ったそうだ。北海道新聞の記事によると、94年に彼が亡くなって今年で20年となるのを受け、市当局が設置したとのこと。彼はまさにブラジルの英雄なのだろう。そして、ボサノヴァは私の感性に一番合う大好きな音楽ジャンルである。多分小学生の頃だったと思うが、テレビのCMで聞いたのが「イパネマの娘」で、とても気に入った。もちろん曲名がわかるはずもなく、しばらくしてから判明したわけだがきっかけはそれだった。実は学生時代に遊びとして結成したボサノヴァ・バンドでギターを弾いた時、後にプロのギタリストになった人からギターうまいね!言われたことがあり密かな喜びとしている。その時の演奏曲もイパネマだったが、遊びと言いながらもコードをじっくり研究して練習したものだ。

 ジョビンは私の敬愛する4大作曲家(ミッシェル・ルグラン、ジョージ・ガーシュイン、久石譲、そしてカルロス・ジョビン)の一人である。幸運にも86年8月5日に行われた札幌公演にも行くことができた。奥さんや娘さんがヴォーカル・メンバーとして参加し、カルロスのピアノとコーラスが主体の良質なライブだったと思う。その8年後に亡くなっているので、本当に貴重な機会であった。

 「イパネマの娘」「波」など超有名曲が数多くある中で、これこそ私の一番と決められる曲はないのだが、あえて上げるなら「Double Rainbow(別名「バラに降る雨」)」か。メロディの美しさが絶品。また、アルバムもたくさんリリースされているが、私の持っているものはどれも良い。異色なのは「3月の水」のオリジナル英語ヴァージョンとポルトガル語ヴァージョン両方が収録されている「Jobim」(73年)。クラウス・オガーマンのアレンジによるゴージャスなストリングスが全面参加した映画音楽風のアルバムで、「夢弦サウンド」の大好きな私には至福の作品である。「Urubu」(76年)というアルバムも同じようなサウンドで、あまりボサノヴァらしくない。しかしオガーマンのアレンジはこの作品でも素晴らしいの一語につきる。

 それでもボサノヴァとしてのお勧めは?と聞かれたら小野リサの「The music of Antonio Carlos Jobim "IPANEMA"」を推薦する。ジョビンを敬愛する彼女による有名曲満載のアルバムだ。中でラストの「Two Kites」 は80年に制作されたジョビンの「TERRA BRASILIS」というアルバムに収録されている軽快でミュージカル風のナンバー。知名度は低いかもしれないが名曲だ。それから、「シナトラ/ジョビン」(67年)も傑作アルバムだ。ジョビンのギター演奏が堪能できる。ああダメよ、ダメダメ!…やはりひとつには決められない!!
 ジョビンについてはいつかあらためて書こうと思う。


あかね書房の少年少女世界推理文学全集 やっと17冊

2014年12月10日 | ミステリー小説
 年末を迎え、今年もこの1年のミステリ小説総括の時期となった。今年は「このミステリーがすごい! 」「週刊文春ミステリーベスト10」「ミステリーが読みたい! 」でそれぞれ 第1位に輝き3冠となった米澤穂信氏の短編集「満願」が最注目作品だろうか。これら3誌で同時に1位となるのは極めて異例のことと新聞でも紹介されていた。同氏の作品はかつて「インシテミル」を読んだことがあるがこちらは未読だ。機会があればぜひ読んでみたい。

 ミステリの話題としてはもう何度も触れたが、私が推理小説にのめり込んだきっかけは、小学校の図書室にあった「あかね書房」の「少年少女世界推理文学全集全20巻」である。その時の感動や思い出を忘れることの出来ない方々は多いようで、某有名推理作家の中にもそのように言っている人がいる。現在入手困難ではあるがたまにネット上の古本店やオークションに出ることもあり、ある時から私も集めてみようという気になった。もう10年近くなるだろうか、先日ガードナーの「X線カメラのなぞ」を入手しようやく17冊が揃った。ケースがすべてあるわけでもなく、また元々図書館にあった本としてシールの貼られたものもある。が、一応読むには耐えられるし、やはり懐かしい香りがする。何よりもいつも借りられていて読むことの出来なかった作品を読むことが出来たのが嬉しい。小学生の頃、土曜日の午後、部屋の中を暗くして布団をかぶりながらワクワクしながら読んだことを思い出す。至福の時だった。果たして残り3冊は手に入れることができるのだろうか。

 ちなみにその3冊とは、「バンダイン作・エジプト王ののろい/スコッチ・テリアのなぞ」「チャータリス作・あかつきの怪人/チャンドラー作・暗黒街捜査官」「ウールリッチ作非常階段/シンデレラとギャング」である。実は3冊とも未読。とりわけ…ののろい、…のなぞ、という言葉にとても引きつけられる。どなたか譲ってもいいという方がおりましたらぜひご連絡を!


ビートルズ追体験~12月はBEATLES FOR SALEとBEATLES’65

2014年12月07日 | ザ・ビートルズ
 1964年にリリースされたビートルズのアルバムを50年後の発売日と同じ日に、アナログ盤で聞こうというビートルズ追体験。今年は4月以降転勤のあおりで実現できずにきてしまったが、50年前の今月はBEATLES FOR SALEが4日にリリースされたことをしっかり覚えていた。しかし今回も多忙で4日は無理だったが、何とか昨日6日に針を落とすことが出来た。モノLPボックスで購入したモノラル盤の柔らかい音が休日のひとときに安らぎを与えてくれた。

 12月ということで当時もクリスマス向けのニューアルバム・リリースとなったことだろう。だが、憂いのあるジャケット写真をはじめ、アルバムとしては地味な印象を受け、メリー・クリスマス!というきらびやかさとはちょっと違う気がする。前作がA HARD DAY’S NIGHTであり、映画の公開と連動していたのでなおさらだ。

 レコード・コレクターズ増刊のTHE BEATLES MATERIALSによると、この時期すっかり多忙となった彼らは、ニューアルバムに向けたレコーディングを8月中旬から10月まで行っている。しかしその多忙さ故、全14曲中6曲がカバー曲で、オリジナル曲もどことなく暗い曲が多い、と解説されている。多忙すぎてじっくり曲を書く暇がなかったということか。その中で、EIGHT DAYS A WEEKのようなキャッチーなメロディを持つ曲や、個人的に大好きなNO REPLY、I’LL FOLLOW THE SUNが入っており、私としては充分お気に入りのアルバムである。ジャケ写真が私も行ったことのあるロンドンのハイドパークで撮影されたとのことで、親近感も沸く。

 アルバムジャケットについて言及すると、ここに来て初めてゲート・フォールド・カバーとなり、それも見開きの内側からレコードを出し入れするタイプである。これは後に普通の見開きジャケットに変わったのだが、ビートルズのアルバムでも珍しい作りとなっている。

 さて、今月はもう一枚、15日にキャピトル盤BEATLES FOR SALEであるBEATLES ‘65がリリースとなる。こちらにはシングル・ヒットとなったI FEEL FINEが収録され、FOR SALEとは違ったインパクトのアルバムとなった。年明けの65年にトップ100以内に50週間留まり、6週目で300万枚も売り上げたそうだ。私の所有するこのアルバムはモノ盤で、ジャケ裏のRIAA横の番号が「3」と印字されているので比較的初期のものと思われる。
 それでは年末の忙しい時期だが、この2枚を十二分に聞き込もう。

キャラメル・ボックス「ブリザード・ミュージック」撮影オーケーに

2014年12月06日 | 演劇
 このたび劇団キャラメル・ボックスの「ブリザード・ミュージック」が再演されることとなり、神戸の初日公演に行ってきた。実は私は演劇が大好きで以前はよく劇場に足を運んでいた。村田雄浩氏のいたスリル&チャンスには何度も出かけたし、大好きな音楽座ミュージカルの「シャボン玉とんだ宇宙までとんだ」「とってもゴースト」「アイ・ラブ坊っちゃん」「リトル・プリンス」は生で見た。いまやすっかりテレビでおなじみの俳優陣がたくさん所属していた三谷幸喜氏の東京サンシャインボーイズも思い出深い。すべて今は存在しない劇団(音楽座だけは音楽座ミュージカルとして作品は上演中)。そんな中のキャラメル・ボックス。これまで一度も行ったことがなかったが、その当時から今も続いている貴重な劇団である。そして今回大阪に行く用事ができたので、これはチャンスとチケットを手配した。

 ここで話題にしたいのは、前説で「今回スマホと携帯に限って写真撮影をオーケーとしました。」と告知があったことである。日本の演劇、音楽など公演関係は一切撮影・録音が禁止となっているが、海外のライヴでは観客が平気でビデオ撮影をしている。YouTubeで見たロジャー・ウォーターズのザ・ウォールの再現ライヴで「ロジャーは公演中の撮影は許可しておりますが、フラッシュの使用は禁止です」という事前アナウンスが流れていた。著作権や肖像権などどう考えるのだろうと驚いたのだが、これだけ動画サイトが浸透している今の時代は撮影許可の方が宣伝効果も大きいということだろうか。

 そしてキャラメル・ボックス。芝居終了後のカーテンコールで「撮影OK」となり、皆さんスマホなどで撮っていた。私は電源をオフにしていたので撮影が間に合わず、最後のぎりぎりのショットとなってしまった。

 ところで私が大阪にいた11月23日よりスタートしたイエスの日本公演<YES WORLD TOUR 2014 in Japan>。こちらは「写真」ではなく“ライヴ音源お持ち帰りサービス”「Re-Live (リライヴ)powered by LIVEtoGO」が実施された模様。これは、全6公演会場のみで限定販売される「Re-Live (リライヴ)パッケージ」を3,500円で購入することで、11月25日東京・TOKYO DOME CITY HALL公演のライヴ音源をお持ち帰りできるサービスで、配信期間内でダウンロードする仕組みとのこと。ネットを当たり前に利用する今ならではの新しいサービス。これからどう展開するのだろうか。

 さて「ブリザード・ミュージック」再演初日の方は、4回のカーテンコール。主役の西川浩幸氏も「想定外で動揺しています…」ととても驚いた様子。私は久しぶりの芝居だったが生は良いなぁと改めて感じた。