1979年1月23日、新宿厚生年金会館にて行われたキャメルの初来日公演が3月にFM東京にてオンエアされ、その時にナレーションを担当したのが北玲子さんであった。
同月16日、渋谷公会堂におけるライブに私も出向いた。当時キャメルは「ブレスレス」というアルバムを発表し、そのツアーで初来日した。メンバーはアンディー・ラティマー( ギター、フルート、ヴォーカル )、アンディー・ワード( ドラムス )、リチャード・シンクレア( ベース、ヴォーカル )、デイヴ・シンクレア( キーボード )、ヤン・シェルハース( キーボード )、メル・コリンズ( フルート、サックス )の6名。あえて言うならば、キャメル+キャラバン+キング・クリムゾンが合体したメンバーでの編成。キーボードのピーター・バーデンスはもういなかったが、私はクリムゾンの関係でメル・コリンズ、そしてハットフィールド&ザ・ノースにいたリチャード・シンクレアをこの目で見られるだけでも嬉しく、大いに期待した。もちろんそれは素晴らしいライブであった。ツイン・キーボードの迫力、メルのジャズよりのサックス、リチャードの独特のヴォーカルとフュージョンチックなベース、MCも務めたアンディ・ワードのドラム、そしてアンディ・ラティマーの哀愁に満ちたギターなど大満足のライブだったのだ。
後日、その模様がFM東京で放送されることになり私はとても楽しみにしていた。いよいよその日が来て、1曲目はブレスレスから「エコーズ」。ライブの興奮がよみがえる。ところが2曲目に入る前、パーソナリティの説明ではインストルメンタルの曲に言葉による物語を加え、解釈を施した、いうなら一つのお節介を試みてみた、ということで、「テル・ミー」〜「スノー・グース」の演奏のバックに、小説版スノーグースを読み上げるナレーションが重なって入って来たのだ。ライブの再現を望んでいた私にとっては本当にとんでもないお節介で、怒り心頭の状況に陥ってしまった。カセットテープにエアチェックをしたものの、それから数十年も耳にすることはなかった。
今回押し入れから引っ張り出して来たカセットの山からこのライブ・テープを見つけて聴き直した時、ナレーションは後に同じFM東京にて開始された番組「スペース・フュージョン」のナレーターの北玲子さんだったということに気がついた。30数年経って聞くとすでに怒りの感情はなく、郷愁に満ちた新たな気持ちが込み上げてきた。恐らく北さんの声や語り方が好きな方々はこのオンエアが至福の時となったに違いない。今私もそういう気分になっている。
それにしても驚いたのは、すでにこのこと(キャメル・ライブ放送に北玲子氏のナレーション)を話題にして動画サイトに上げている人がいるということ。世の中は広いと思う。
同月16日、渋谷公会堂におけるライブに私も出向いた。当時キャメルは「ブレスレス」というアルバムを発表し、そのツアーで初来日した。メンバーはアンディー・ラティマー( ギター、フルート、ヴォーカル )、アンディー・ワード( ドラムス )、リチャード・シンクレア( ベース、ヴォーカル )、デイヴ・シンクレア( キーボード )、ヤン・シェルハース( キーボード )、メル・コリンズ( フルート、サックス )の6名。あえて言うならば、キャメル+キャラバン+キング・クリムゾンが合体したメンバーでの編成。キーボードのピーター・バーデンスはもういなかったが、私はクリムゾンの関係でメル・コリンズ、そしてハットフィールド&ザ・ノースにいたリチャード・シンクレアをこの目で見られるだけでも嬉しく、大いに期待した。もちろんそれは素晴らしいライブであった。ツイン・キーボードの迫力、メルのジャズよりのサックス、リチャードの独特のヴォーカルとフュージョンチックなベース、MCも務めたアンディ・ワードのドラム、そしてアンディ・ラティマーの哀愁に満ちたギターなど大満足のライブだったのだ。
後日、その模様がFM東京で放送されることになり私はとても楽しみにしていた。いよいよその日が来て、1曲目はブレスレスから「エコーズ」。ライブの興奮がよみがえる。ところが2曲目に入る前、パーソナリティの説明ではインストルメンタルの曲に言葉による物語を加え、解釈を施した、いうなら一つのお節介を試みてみた、ということで、「テル・ミー」〜「スノー・グース」の演奏のバックに、小説版スノーグースを読み上げるナレーションが重なって入って来たのだ。ライブの再現を望んでいた私にとっては本当にとんでもないお節介で、怒り心頭の状況に陥ってしまった。カセットテープにエアチェックをしたものの、それから数十年も耳にすることはなかった。
今回押し入れから引っ張り出して来たカセットの山からこのライブ・テープを見つけて聴き直した時、ナレーションは後に同じFM東京にて開始された番組「スペース・フュージョン」のナレーターの北玲子さんだったということに気がついた。30数年経って聞くとすでに怒りの感情はなく、郷愁に満ちた新たな気持ちが込み上げてきた。恐らく北さんの声や語り方が好きな方々はこのオンエアが至福の時となったに違いない。今私もそういう気分になっている。
それにしても驚いたのは、すでにこのこと(キャメル・ライブ放送に北玲子氏のナレーション)を話題にして動画サイトに上げている人がいるということ。世の中は広いと思う。