さて、A55の使い勝手はどうか。55HNはノイズキャンセル機能付きハイレゾ対応専用ヘッドホン(イヤホン)が付属するタイプである。
まずは良い点。
・タッチパネル。私のWalkmanとしては初めてだが反応は良い。今までは「戻す(back)」ボタンを繰り返し押す必要があったがタッチ式は手順が効率的で便利だ。(ただし、A16のようなボタン式は暗闇の中でも操作しやすいというメリットはあった。)
・音質処理。A16同様ノイズ除去性能を高めたフルデジタルアンプS-Master HXを載せ、「mp3やCD音源もハイレゾ相当にアップスケールする」DSEE HX機能も搭載。これはA16にも全く同じ機能があったのだが、音の良さはここにあるとも言えるほど大変重宝した。この機種では新たにAI技術を搭載しているそうだ。曲のタイプをAIが自動で判別し高音域の補完性能を向上させているとのこと。そして低域をアナログアンプのような特性に近づけるというDCフェーズリニアライザー機能、アナログレコードによる豊かな再生音を再現するバイナルプロセッサーなどが加わったが、これらについては今後検証していきたいが、多機能を使うほどバッテリーの消耗も大きいのではと懸念もする。
・AIFFファイルの再生。A16では再生できなかったが可能になっている。これも大変便利。
・microSDカードの使用。これもA16と同じだが、本器は内蔵16GBなのでカードの増設は特にハイレゾ・ファイル再生には必須だろう。今回はトランセンド製の128Gを別途購入したが問題なく使用できている。
・ノイズキャンセル機能。進化しているらしい。専用イヤホン付きを購入したので、早速JR列車で試してみた。列車の音がほとんど意識されず音楽に集中して聞くことができたのには驚いた。以前のウォークマンではここまでではなかった気がする。(このことを息子に伝えたら、知るの遅いね、と言われてしまった。今はこの程度は当たり前?)
ついでにイヤホンについて言うと、本体と同色のこの専用イヤホンは低音から高音までしっかりカバーしている優れものと感じた。A16には自分好みのいろいろなものを探して使用していたが、ノイキャンのことも考えるとこれで決まりかなと思う。また、最近はBluetoothのコードレスイヤホンを使用している人をよく見かけるが、ラジオを聞くためにはイヤホンのコードがアンテナになる。従って有線のイヤホンは必須。何より、耳元にバッテリーがあるのはちょっと怖い気がするので私はもっぱら有線イヤホンを使っている。
次にマイナス面。
・筐体。NW-505はスティックタイプ、NW-A16は薄型軽量で持ち運び易かったが、本器はさすがに大きめで重さも99g。それでもスマホよりははるかに小さいので許容範囲か。
・起動時間。A16はiPodと違って長いのが欠点だったがこの機種も電源OFF状態から再生画面表示まで28秒かかった。あまり改善されていない。ついでに言うと、電源オンには電源ボタンを4秒、オフのためには2秒長押しする。これは極めて不便。新しい機種では改善されているのだろうか。
以上、思いつくだけの観点だが圧倒的にメリットの方が多い。元々私はAppleのiPod Classicを長年愛用してきた。80GBの容量があったので車のロングドライブには重宝していた。だが、今はmicroSDのおかげで128GBを有し容量的には問題はないし、総じてWalkmanの方が断然音が良いと思う。ハイレゾのサウンドは細かいところまでよく聞こえて、「違いのわからない男」である私でも実感できている。
ということで、Walkman NW-A55HNの使い勝手は良し!と結論。今後も3台のWalkmanを使い分けながら活用していこう。