ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

ザ・ビートルズ THE U.S. ALBUMSを手にして~紙ジャケットの印象

2014年01月25日 | ザ・ビートルズ
 商品が届いた。前回の予告どおり今回のペーパースリーブについて述べたい。

 まず、THE CAPITOL ALBUMS VOL.2における日本製作紙ジャケのBEATLES VIを取り出し(旧)、今回の同作品(新)と見比べてみた(写真①)。旧が全体的に黄色を帯びた色合いなのに対し、新は真っ白である。そのため印刷された文字や写真は真の方がよりはっきりしているように見える。紙質や紙の厚さは同じようで、重ねて比較しても違いを感じない。ちなみに表記されている番号2358はLPリリース当時のものと同じである(旧の背表紙の番号が違っているが)。

 A式ジャケットの再現度としては、旧の方が前面部分に折り返しが見え、それを隠さないように上にカバーが貼られているのがわかるが、新の方は全面がカバーで覆われている。写真が小さくてわかりづらいと思うが裏面は逆で、新の方に折り返し部分が見えるが、旧は全面に貼られている。こうして見るとTHE CAPITOL ALBUMSでの不評(?)を受けたのか、今回のペーパースリーブはなかなか良い作りではないか。旧でもHELP!の見開きジャケットには折り返し部分が見られなかったが、その点は新の方も同じ。ということで、これから届く人達のためにこれ以上詳しくは述べないが、2種類のカバーを持つYESTERDAY AND TODAY もそれに即した工夫が見られるのが楽しい。また、旧と違って新の方ではインナーも当時の復刻がなされているのがとても良いと思う(写真②)。

 さてサウンドの方だが、同包のブックレットのPRODUCTION NOTEを見ると、レコード時代の当時は、例えばベース音が強すぎると音飛び(針飛び)が生じるため意図的にベース音を下げる処理をしたことなどが述べられている。そしてキャピトルでは60年代、モノラルとステレオ2種のアルバムを作ることが一般的で、例えばモノラルのトラックを2つに分け、一方は低音を上げ、一方は高音を上げミックスし、それらにリバーブを加味しステレオを作ったなどと書いている。それはduophonic mixesと呼ばれていたそうだ。また逆にステレオミックスされた音源を一つのチャンネルにまとめ(fold-down mixesという)たりもしたが、それはサウンドにさらにパンチを加えると信じていたからだそう。実際そうした考え方や慣習でアメリカ独自のビートルズサウンドが生まれたわけだ。その中で今回のリリースでは、バンドメンバーと製作者の当時の意図を尊重し2009年のモノ&ステレオ・リマスターによる音源が使われていると記載がある。従って、当時の勝手な?アメリカ製ビートルズサウンドの大部分はオリジナルのヴァージョンに差し替えられているようだ。しかし中にはUSマスターテープの方をリマスターした曲もあるとのこと。例えばRUBBER SOUL でのI’M LOOKING THROURH YOU ステレオ・ヴァージョンでは出だしのギターのやり直しがそのまま収録されていたのがUS盤の特徴だったが、それが採用されている。この辺が後者の場合なのだろう。まあファンとしては純粋なUS編集版の再現を望んだところなのだろう、実際アマゾンのレビューではそのような声が多く見られる。私もYESTERDAY AND TODAYの頃はキャピトル盤でしかビートルズを知らなかったから、ノスタルジックに考えるとそう思うが、それ以上に自分のコレクションにビートルズの新たな作品が加わることに意義と喜びを感じる。特にA HARD DAY’S NIGHTのサントラはずっと聴きたかったので、このような形で手に入れられてとても嬉しい。ただし、出費はかさんで今年も新年早々CD貧乏である…。


ザ・ビートルズ THE U.S. ALBUMSの紙ジャケットについて再び

2014年01月23日 | ザ・ビートルズ
 いよいよアメリカ・リリースの作品群を集めたTHE U.S. ALBUMSが発売の運びとなり、私の元にも発送連絡が届いた。私は安価な輸入盤を注文していた。いよいよ届くな、楽しみだ!と思っていたところ、この期に及んで日本版の紙ジャケは日本製作であるというアナウンスが。当初、日本版についてもUS制作との記述があったのだが、急遽(かどうか知らないが)変わったのである。前回CAPITOL ALBUMS VOL.2国内版では圧倒的に日本製紙ジャケが素晴らしかったので、これはやられた!という印象である。

 しかし仮にこのニュースがもっと早くわかっていたとしても、定価3万円の国内版を注文したかどうかは何とも言えない。すでにキャンセルはできない状況なので、まずは商品到着を待ち、現物を見ようと思う。ただ、他のサイトで海外版のサンプルや実際に単品の輸入盤を見た人の話では、そちらの紙ジャケもなかなかのものとの評価。要するに日本版はいわゆるLP時のA式ジャケット(台紙に印刷されたカバーを貼り付けた形式。写真はRUBBER SOULのLPとCAPITOL ALBUMS VOL.2国内盤前面の一部)を再現したものとなるようで、そこが大きな違い。コレクションとしてはやはりそちらに食指が動くが、1万円以上の価格差と、大事なのは中身である音楽だからと考え納得しよう。

 やはり国内版紙ジャケに未練を感じ、いつか中古で安く出たら買い直すぞと心の奥でつぶやく自分がいるようである。ということで、次回商品が到着したらペーパースリーブの状況について報告しようと思う。


ザ・ビートルズ50周年追体験#5 MEET THE BEATLES!

2014年01月20日 | ザ・ビートルズ
 50年前の本日はアメリカ合衆国キャピトル・レコードよりアルバムMEET THE BEATLES!が発売された日。ボックスCDセットのTHE U.S.ALBUMSの発売日が1月20日とされていたのもこれに合わせたのだろう。というわけで恒例となった追体験リスニングとして我が家のLPに針を落とす。チャートで92位に初ランクしたこのアルバムは2月15日に1位に輝き、その後11週にわたりナンバーワンをキープしたそうだ。

 以前にも書いたが私の持つMTB!モノラル盤はヤフーオークションでビートルズの他のLPを落札した時におまけとして付いてきたもの。ジャケットや盤の見た目は悪いが結構初期のものらしく、音も迫力がありとても気に入っている。今日もモノラルLP→ステレオLP→CDの順に聞いてみた。アルバムで「抱きしめたい」を聞くことができるのがうれしい。今回は50年ぶりに聞くという行為に意味があるので、それ以外については言及しない。なお、CDはTHE CAPITOL ALBUMS VOL.1の中の一枚である。注文したTHE U.S.ALBUMSはまだ届いていない。
 
 さて次は4月10日リリースのキャピトル盤THE BEATLES' SECOND ALBUMである。


スタートレック・スターシップ・コレクションのその後

2014年01月19日 | TOYS
 訪問先の仙台にてスタートレック・スターシップ・コレクション創刊1号を買い逃してしまった私(2013.11.25付けブログに記載)だが、その後も札幌で発売された気配がない。そこで昨年末に発行元のデアゴスティーニ・ジャパンのHPを覗いてみた。そこでは定期購読ではなく単品でも通販が可能となっていた。そこで注文し、年明け早々に商品が届いた。送料を負担しなければならなかったが、念願を叶えることができたので良しとしよう。

 届いたエンタープライズ模型はNCC-1701-Dという型で、正直言ってこの船のことはあまり知らないのだが、2号のNCC-1701改装型より2回りほど大きく豪華な作りである。これで490円とは何とも素晴らしいではないか!

 そんな風に思っていたら、他のサイトの情報でこのシリーズ、6号を以て休刊になったとか。HPをチェックすると見あたらなくなっている。本当に試験的販売だったのだなぁ…。もしかしたら今回購入できたのはぎりぎりのタイミングだったのかも。大切にしよう。


NHK-FM新春特番「新世紀“プログレッシブ・ロック”の波」

2014年01月17日 | プログレ
 音楽ジャンルの一つとしてプログレッシブ・ロックが盛り上がったのは1970年代前半である。それ以降、特に80年代に入ってからプログレは徐々にディスコ・ミュージックやパンク・ロックの波に埋もれ、失速していったように思う。70年代、私が高校生の頃はラジオ番組でも頻繁にプログレバンドの曲がかかっていた。特にNHK-FMでは長尺の曲でもフルに聞くことができ、ラジカセ(死語?)でのエアチェック(死語?)を頻繁にしたものだ。私が「クリムゾン・キングの宮殿」や「危機」を知ったのもラジオ番組によってであった。

 今、ラジオをとおしてプログレに触れる機会はめったにない。ところが、このたびNHK-FMが新年の特番として「新世紀“プログレッシブ・ロック”の波」という番組を4夜連続で放送した。雑誌ストレンジ・デイズ編集長の岩本晃市郎氏が各方面からゲストを迎え、再び脚光を集めているプログレ・ロックに過去のプログレ音楽がどのように継承されているのかを探求する内容だった。

 再び脚光…、そう言われれば長らく不遇の時代だったプログレがいつの間にか盛り上がっている。確か90年代にそれらしい音をしていてCDを買ったのはイギリスのIt Bitesくらいだが、今はハケット先生のように全盛期に頑張ったたくさんのミュージシャン達が現役で活躍していることに加え、私のブログでも紹介したMystery、Lifesigns、Moon Safariなどはまさしく「今」のバンドだ。同番組でもMoon Safariは紹介されていた。彼らのように、過去のプログレサウンドに現代風な味付けをして、新たなプログレとして進化し活躍しているバンドがたくさんあるのだ。その中で過去の遺物であるようなメロトロンサウンドが好んで使われているのも面白い。

 番組では本家イギリス以外のシンフォニック・バンド、アヴァンギャルド系のバンド、女声ヴォーカルバンド、そしてイギリスのバンドは今どうなのかなどについて考察と曲の紹介が行われていた。その中で最終日に登場したゲストのバンド Yuka & Chronoshipには驚いた。セカンドアルバム(ロジャー・ディーンがアートデザインを担当)の一部がオンエアされただけだが、サウンド的にもコンセプト的にもこんなバンドが日本にもいたのだと思わせるほどモダンなプログレであった。私は単純に受け入れるが、今の若い人達はこうしたサウンドをどうとらえるのだろうか。

 ともかく今回の番組はプログレの現状を知ることのできる好企画であった。NHK-FMといえば、過去に祝日特別番組として「今日はプログレ三昧」を3度も放送している。忘れもしない、1回目の最初のオンエア曲がイエスのClose To The Edge(危機)だった。20分近い曲をノーカットで今の時代に放送するとは!それ以外にもNHK-FMには聞きたくなるプログラムが多い(ラジオドラマのFMシアターは毎週聞いている!)。NHKさんには、これからもこうした番組作りを頑張っていただきたいと切に思うのである。