ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

K.ヤイリ・ギター 矢入和男氏 逝く

2014年03月12日 | ギター
 ヤイリ・ギターの創設者で社長の矢入和男氏が3月5日他界した。手作りの少数生産にこだわり、数多くの素晴らしいギターを世に送り出した名工が亡くなった。記事によると2005年に厚生労働省の「現代の名工」に選ばれ、06年に黄綬褒章も受章しているそうだ。実に残念である。

 私はK.ヤイリ・ギターのファンで3本所有している。アコースティックの12弦ギターYW600-12、エレガットCE-1、そして古いクラシックギターY505Pである。

 学生の頃に何とか購入したのが76年製12弦。輸出仕様で今で言うアルバレツ・ブランドである。当時東京にいた私はジェネシスのコピーをしたくて、お茶の水界隈の楽器店を巡り12弦ギターを探し回った。いろいろなメーカーのギターを試奏したが、このヤイリの一本はちょっと弾いただけで全く他とは違う美しい音がした。一も二もなくそれに決めた。とはいえ、学生の分際で当時の2ヶ月分くらいの生活費相当額を支出するのは大変だった記憶がある。それほどまでにして手に入れたこのギターを、私は弾き込んだ。多少の傷もあるが、長い年月が過ぎ今も美しく、そして大音量で鳴ってくれる。

 期限なし、実費でケアしてくれる永久保証はとてもありがたく、このギターで一度だけ利用した。対応も丁寧で、戻って来た愛器は以前と同様の弾きやすさになっていた。

 エレガットCE-1はハケット先生御用達の名器で言うことない。81年製クラシックの方は決して高級ではないと思うが、明るい音色を奏で、作りもしっかりしている。

 これらのギターは決して手放さず、私にとっていつまでもそばに置き弾いていきたい名品である。合掌!