
スティーブ・ハケット・バンドの02年ライブDVD Somewhere in South America(写真) を中古購入した。中のクレジットに、ハケット先生の使用機材として、Fernandes Electric そして Yairi Classic と記載がある。
彼がステージでは私も所有するK.ヤイリのCE-1を使用していることは知っていた。だが、あの黒塗りのエレキギターまで日本のフェルナンデス製だったとは意外である。そこで、いくつかこれに関する記事を検索してみた。
①Guitar International というサイトがあり、そこにハケット先生のインタビューが載っている。それによると確かにナイロン・ギターとしてヤイリ、エレクトリックギターはメインとしてサスティナー・ピックアップ搭載のフェルナンデスだと明言している。さらに、この時のインタビューの合間に57年製レス・ポールは数ヶ月ぶりに手にしたとも。ジェネシス時代にはそのレス・ポールを多用したようである。
②Guitar World サイトではクリス・スクワイアーとのコラボ・バンド Squacketts に関するインタビューで、ジェネシス時代にヤイリのナイロン・ギターを使用していたこと、普段自宅では、バンドの曲を書くときでさえやはりヤイリのクラシカルギターを弾いていると語っている。
③さらに詳細がわかるのが彼のオフィシャル・サイトでの機材に関するページである。ここでは、Fernandes Les Paul Black with Floyd Rose and sustainer について、「最近のお気に入りのエレキで私の最新(当時)アルバム Out of the Tunnel’s Mouth では全編にわたり使用している。」また、アコギについては複数のヤイリ・ギターを使用していることを明かしている。ナイロン・ギターは73年製で、「これは音の映え方(projection) の良さで購入した。特に低音弦はほとんどピアノを弾くがごとき(pianistic) サウンドだ。静寂の嵐のBlood on the Rooftops で聞くことができる。」「ピエゾ・ピックアップ搭載のカッタウェイ(CE-1と思われる)は主としてライブで使う。が、レコーディングでも素晴らしい。ダダリオのプロ・アルテ・ライトゲージ弦を使うとまるでフラメンコギターのような効果が倍増だよ。」
ここでは、もうひとつYairi black steel string と紹介されていて、彼が 「Wild Orchids(06年)の中のTo a Close で使われた甘い音のアコースティックだ。」"A sweet sounding acoustic used on To a Close from Wild Orchids."と説明しているのだが、これはどのギターを示すのか不明。分かる方がいればぜひ教えてほしい。
そして、Fernandes のエレキだが、フェルナンデスの公式サイトではBURNY ギターとして紹介されているRLC-85S のように思われる。このブランド独自の弦の振動を感知して音を伸ばすサスティナーが搭載されたモデルだ。ただ、ハケット先生が彼の公式サイトで抱えている個体の写真を見るとスイッチの位置が微妙に違って見える。そして、定価は85,000円(税別)とされており、お手頃価格。はたしてハケット先生はこのような(プロから見ると)廉価版のギターをメインとして使っているのだろうか??そういえば、ヤイリのCE-1 も実売価格は10万円前後なので、もしかしたら高級でなくとも良い音の楽器を選び使うという、自称アマチュア・ミュージシャン達にとってはありがたい選択の仕方をしているのかもしれない。もちろん、彼は歴としたレス・ポールやフェンダー・ストラトの使い手でもあるのだが。
この件については、今後も調査・探求してみようと思う。
①http://guitarinternational.com/2010/11/09/interview-with-genesis-guitarist-steve-hackett/
②http://www.guitarworld.com/interview-former-genesis-guitarist-steve-hackett-talks-gear-tapping-and-squacketts-debut-album-life-within-day
③http://www.hackettsongs.com/instrument.html
*なぜ私は彼を「先生」と呼ぶのか。それは、今まで多くのジェネシス・ソングのギターをコピーし、そして今現在彼の小品 Horizons を練習しているからに他ならない。即ち、私にとって心の師匠なのである。