久しぶりにアルバムの紹介を。スティーヴン・ウィルソン率いるポーキュパイン・ツリーの13年ぶりの新作アルバムが6月に発売された。私は輸入盤のCDと前作(ウィルソンのソロ作THE FUTURE BITES)同様カセットテープの2種類のメディアを購入した。
スティーヴン・ウィルソンについてはここ数年のソロ作は必ず購入してきたし、ポーキュパイン・ツリーのアルバムも数枚持っている。プログレファンの私としては目の離せない存在である。ということで今回も楽しみにしていた。一聴して思ったのは、バンド作品ではあるが、彼のソロ作とあまり違いが感じられなかったということ。これは良い意味で言うのであるが、安定した裏切らないサウンドを聞かしてくれている。彼の音楽はとてもメロディアスな部分と、まるでホラー映画のサントラのような緊張感を感じさせる展開が絶妙にミックスされているように感じるのだが、今回もまさにそのような雰囲気。特に、4曲目のDignityは2013年ソロ作 The Raven that Refused to Sing (And Other Stories) に収録されていたもの悲しい名曲 Drive Homeを彷彿させる名曲だ。あるいは最終のChimera’s Wreckはエスニックなメロディの繰り返しが頭に突き刺さるような印象的な曲である。その他も長めの曲が多く、久しぶりにロックバンドのアルバムに没頭することができた。
今回の新作は6月下旬の発売であったがそれまでにかなり待たされ、実は忘れかけていた(笑)。CDの予約をしたのが昨年の11月頃で、カセットテープの方は国内のストアで扱っていなかったためPorcupine Treeのサイト・ショップへ1月に注文。価格は10ポンド+送料3ポンド(追跡なし)。こちらはCDに遅れること2週間後の到着だった。どちらも通常盤7曲の構成で時間としては約47分。だからカセット版もリリースできるのかなと思うのだが、私としてはテープで聴くのが実は楽しみ。ウィルソン氏には今後もカセットでの作品リリースを続けてほしいと願っている。