ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」は最高に面白かった!

2019年06月01日 | 映画
     
 31日のロードショウでハリウッド版ゴジラ最新作を見てきた。最近「アベンジャーズ/エンドゲーム」や「キャプテン・マーベル」なども映画館で見たが、その中でもこれは最高の娯楽作品であり超お勧めである。
 幼い頃、親に連れられてゴジラ映画を見に行った怪獣少年としては、本作は日本のゴジラ作品へのオマージュが感じられた上に、前作のハリウッド版ゴジラで感じたフラストレーションを一気に払拭してくれる仕上がりだった。前作は怪獣同士の戦闘シーンが夜の暗闇に紛れてよくわからなかったし、渡辺謙演じる芹沢博士の出番も何だか中途半端。しかし、今回は宿敵キング・ギドラ相手にハリウッドのCGならばここまで出来る!くらいの迫力ある大戦闘シーンを見せ、また芹沢博士もしっかり存在感を示していた(詳しくはネタバレになるので書けませんが)。
 その他印象に残った場面を。
・ラドン(本作ではロダンと呼んでいる)が空中で回転して戦闘機をたたき落とすシーンに萌えた。
・芹沢博士役渡辺謙は前作同様ガッズィーラではなく「ゴジラ」と発音していた。
・伊福部昭のゴジラ・テーマが劇中とエンド・クレジットで流れた。
・さらにかつてザ・ピーナッツが歌ったモスラのテーマがエンド・クレジットで流れた。
 少し前に公開されたピカチューと本作ゴジラ。今後も日本発のキャラクターとして世界的な盛り上がりを見せてくれるのだろうと期待したい。
 なお、これから見る方はエンド・クレジットも最後まで見てほしい。クレジット後に次作につながる?シーンが出てくる。
(下の写真は4月下旬に新千歳空港内で展示されていたゴジラ。歴代映画のポスターも展示されていた。なつかしい!)

   

好きな映画#2 「愛と哀しみのボレロ」

2013年02月21日 | 映画
 この映画が好きだ。初めて見たのは劇場でのロードショー。当時フランスに旅行するという同僚達に簡単なフランス語会話を教えていたので、その関係で皆で見に行った。だが、私はこの映画に個人的にも興味を持っていた。監督がクロード・ルルーシュ。あの「男と女」の監督だ。そして、彼と関係深いフランシス・レイと、敬愛するミシェル・ルグランの二人が音楽を担当。これだけで映画館に足を運ぶ価値があると思えた。そして、実際見たときには、冒頭のボレロを踊るバレリーナのシーンから引き込まれ、クライマックスのジョルジュ・ドンのダンスシーンの迫力、そしてやっぱり聞けた自分好みの秀悦な音楽に感動。ただ、ストーリーは良く分からなかった。けんかや同性愛、戦争の悲惨さ等が盛り込まれ、様々な人達の話が複雑に混ざり合っているので、初見ではなかなか理解できなかった。芸術的な部分だけが印象に残ったものだ。で、何となく好きな映画のひとつとなった。そして、その後発売されたVHSビデオテープを購入。2本組でかなり高価だった。何度か見てカラヤンなどの有名人をモデルにしていることを含め、ようやくストーリーを理解。さらに「愛と哀しみのボレロ」とは映画を見る気にさせる素晴らしい邦題であるが、実は原題は「ある人と他人(直訳)」(意訳すると「様々な人々」くらいの意味合いか?)ということもわかった。その後、公開版より長尺となる完全版のDVDをレンタルで借りたり、NHKで放映されたのを録画し、たまに好きなシーンのみ見たりであったが、このたびようやくブルーレイでリリースされると聞いた。現在予約し楽しみに待っているところだ。
 それにしても、この映画で聞くことのできる音楽は名曲が多い。恐らく、フランシス・レイ的メロディーが多いので大多数は彼が作曲し、ピアニストで編曲もこなすルグランがアレンジを施しているのではないかと推察。しかし、「サラ」というジャズ・アレンジの曲は間違いなくルグランの曲だろう。などと想像するのも楽しい(答えはサントラCDのジャケットに記載あり)。特に私のお気に入りは「占領下のパリ(PARIS LES AUTRES)」で、この曲が歌われる映画のシーン(大晦日のとあるバーでのパーティ)も初見の時からよく覚えている。また、吹き替えで歌っているリリアンヌ・ダビのアンニュイな声が実に魅力的で、思わず日本で制作されたこの人のソロCDも買ってしまったほどだ。「男と女II」のサントラでも例のダバダバダ…を歌っているのでぜひ聞いてほしい。
 さて、発売予定のブルーレイだが、劇場公開版なのか長尺の完全版なのかは現時点では不明である。


映画版「レ・ミゼラブル」を見た

2013年01月18日 | 映画
 映画「レ・ミゼラブル」をようやく見た。舞台版では限られたスペースでの舞台づくりや演出により見る者の想像力が必要となり、またそれが舞台の魅力でもあるのだが、映画の方はよりリアルにドラマの情景が伝わる。当時の貧困にあえぐ民衆の様子などは、映像ならではだ。なるほど、当時はこのような状況だったのか(あくまでトム・フーパー監督の視点だが)とか、一部個人的に辻褄の合わなかった話しの流れが理解できた所もあった。
 撮影と同時に歌われた楽曲の方は、生のセリフのように息づかいまではっきりとわかる。舞台では大きな声になろう部分も必ずしもそうではなく、印象がかなり違った。確かにヒュー・ジャックマンもアン・ハサウェイも心に染みる歌を聞かせたが、エポニーヌ役のサマンサ・バークス(コンサート版にも出演)が雨に打たれながら歌う On My Own は感動的であった。そして最大の聞き物は前半最後のOne Day More。舞台でも主要キャスト全員が歌う圧巻の1曲だが映画でも最大の盛り上がりだった。終わったとたんに思わず拍手をしたいところだったが(舞台版なら当然だが)さすがにできなかった…。この映画のためにオリジナルの作家が新たに作った Suddenly という曲があった。コゼットを引き取り馬車に揺られる中でジャン・バルジャンが歌った曲と思うが、これも新鮮であった。
 手元にあるサントラCD(写真中央)は昨年末に到着し、聞くのが先か映画を見るのが先かで迷ってしまった。これはダイジェスト版なのでブルーレイでのリリースがされたらぜひとも購入しもう一度観たいと思う。そして舞台版はいよいよ新演出新装置で再演がなされるとのことだ。日本でもこの4月から上演が予定されている。気軽に行ける距離ではないのが残念だが、この新バージョンもぜひ経験したいものである。


映画版「レ・ミゼラブル」

2012年12月12日 | 映画
 ミュージカルのレ・ミゼラブルである。映画化された。これは見に行くしかない。
 私がかつて見たミュージカルの中で最大の感動を得たのは、音楽座の「シャボン玉とんだ、宇宙(ソラ)までとんだ」であるが、レ・ミッズはその次に位置する。当初は国内キャスト版を札幌で見たのだが、生演奏の迫力と、役者の力量、特にエポニーヌ役の島田歌穂の会場内の空気を振るわせるほどの歌声には感動した。続いてロンドンでも見たのだが、全ての役者の歌のうまさに言葉が出なかった。この作品には名曲がたくさんある。最近のスーザン・ボイルでも有名なI Dreamed a Dream がその筆頭か。いつも最後のシーンでは涙する、話しがわかっていても。昨年25周年の記念コンサートが開催され、NHK-BSでも放映されたが、すぐにブルーレイを購入。それほどお気に入りのミュージカルがとうとう映画になった。楽曲は役者それぞれが、吹き替えでもアテレコでもなく撮影のその場で歌い収録したそうだ。ヒュー・ジャックマンもラッセル・クロウもアン・ハサウェイも。この手法にも興味が湧く。今月21日封切りとのこと。早く見たい!


好きな映画「シェルブールの雨傘」

2012年09月14日 | 映画
 私は映画が好きである。そこで、今まで見た中で一番印象に残っている映画は何かと思う。子どもの頃見たゴジラ・シリーズは忘れられないし、銀座のシネラマの180度大画面で見た「2001年宇宙の旅」も衝撃的だった。「未知との遭遇」もラストシーンの感動を求めてリバイバル上映の度に映画館に足を運んだ。しかし、もしひとつだけ選ぶとすれば、それは「シェルブールの雨傘」である。

 監督ジャック・ドゥミ、音楽ミシェル・ルグラン、主演カトリーヌ・ドヌーブ。なぜこの映画が好きなのか。(1)ルグランの音楽が素晴らしい。(彼は私が敬愛する3大作曲家の一人である。)キャッチーなメロディともの悲しさが同居し、ジャズ的なアレンジも盛り込んだ楽曲の数々が魅力的。主題歌はI Will Wait For You というタイトルでスタンダードナンバーになっているが、私は Watch What happens として有名な一曲が大好き。名曲だ。(2)セリフがすべて歌。普通のミュージカルとは違い、例えば”Oui.”(ウィ=はい)という一言にもメロディがつく完全な歌劇。その歌と演技が見事にシンクロしており画面から目を離すことができない。(実は歌は演じている俳優と別人物が担当しているということは後から知った。)(3)何も言わずひたすら待つだけの女性マドレーヌがともて魅力的。(4)劇中の家具などの原色系色合いがとてもフランスらしくポップ。私はフランス大好き人間であるが、実際に現地の大型店でみた家具の色合いが派手で、それを思い出させる。
 (5)(※以下、未見の方は結末について触れるので要注意)物語が悲しい。特にラストは涙なしでは見られない。恋人達が戦争のため結ばれず、それぞれの幸せを見つけ別々の人生を送る。偶然の再開においてもお互いを思いやる一言を交わすだけであらためてそれぞれの人生に立ち戻っていく。しかしなぜ、それぞれの子供の名前が二人で決めたフランソワなのか。実はお互いの思いは断ち切れていないのだ、そんなことを感じさせるあのラストシーンはとても哀しく、実際私は、美しい主題曲がコーラスと共に再現されるこのシーンで毎回涙してしまう。ハッピーエンドで終わることの多いアメリカ映画とは違ったフランスならではの余韻…。

 なかなか言葉では言い尽くせないが、以上がこの映画の魅力である。私は子供の頃、テレビで放映しているこの作品を何気なく見て、やがて目を離せなくなり涙ながらに見終わったという記憶がある。それがこの作品との出会いであった。余談だが、1964年のカンヌ映画祭でパルム・ドール賞を受賞しているので、本国フランスでもさぞ有名だろうと思っていたが、フランス人の知り合いに聞いたら、彼は知らないと言っていた…。
 
 さて、この映画が大好きなので、サントラのCDやアナログ盤をいくつか購入したが、09年リリースのデジタル・リマスター版DVDが目下のところお気に入りとなっている。(実際にはその後ブルーレイ盤も出たようだが購入には至っていない。)その頃、札幌の映画館でこのデジタル・リマスター版での映画が公開され、ぜひスクリーンで見たかったのだが、遠方に住んでいたため果たせなかった。だからこのDVDの発売は大変うれしく思ったものだ。

 ついでに、同じ監督作品で、やはりルグランが音楽を担当したかの有名な「ロシュフォールの恋人」もリマスター版DVDを同時購入し、初めて見た。こちらも名曲が何曲もちりばめられ、ジャズ的なアレンジが多いのでルグランの本領が発揮されていると感じた。物語自体にはあまり魅力を感じなかったが、オープニングのハリウッド・ミュージカル風な踊りのシーンや、カフェで働いている女の子がとてもキュートなのが印象的であった。