ヒロヒコの "My Treasure Box"

宅録、DAW、ギター、プログレ、ビートルズ、映画音楽など趣味の四方山話

宅録:MiniLab+ANALOG LAB

2013年07月29日 | シンセサイザー
 M-Tronのようなソフト・シンセを弾くためにはPC上の操作よりも鍵盤があった方が便利だ。PCとシンセをMIDIでつなぐオーディオ・インターファイス(EDIROLのUA-4FX)もはるか昔に購入済みなので配線はできるのだが、手元のシンセを持ち出すと部屋のスペースがとられてしまい、不便である。そこでミニ鍵盤型MIDIコントローラーを揃えることにした。

 いろいろ調べた結果決めたのがArturia製のMiniLab25鍵盤である。価格的には1万以上するので高めだが、この製品にはANALOG LABというソフトシンセが同胞されている。MODULAR(moog) V / MINI(moog) V / ARP 2600 V / CS-80 V / JUPITER-8 V / PROPHET V / OBERHEIM SEM V / WURLITZER Vなど往年の名器といわれるアナログシンセやエレピのサウンドが5000種類も含まれており、実は単体での販売がされていない。これが決め手となった。25鍵盤は演奏するためには支障もあるが、入力専用と考えると自分の小さな机にも置けるのでかえって好ましい。USB接続なので電源も不要。と考えて注文。

 届いて早速ANALOG LABをインストール。これはサイトからのDLとなる。立ち上がると、5000種類の音色がずらりと並ぶ。楽器ごと、音の種類ごとのソートもできる。各音色にはエディット者の名前が表記されているので、各楽器の本来のプリセット音がそのまま置かれているわけではなさそうだ。MiniLab鍵盤もUSB接続で順調に反応している。とりあえずCS-80Vのサウンドを鳴らしてみる。この楽器はヤマハで開発されたポリフォニック・シンセで、当時UKというプログレ・スーパーバンドのキーボード兼ヴァイオリン奏者エディ・ジョブスンが愛用していた。ここで聞かれる基本的なサウンドも私にはUKサウンドを思い起こさせる。また、パット・メセニーグループのキーボード奏者ライル・メイズが弾くARPシンセサイザーのサウンドもお気に入りであるが、それを彷彿させる美しいパッド系ストリングスも含め、多彩な音が用意されている。一通りのチェックには相当時間がかかるだろう。変わったサウンド(それはいかにもシンセで作った音という感じではあるが)も多数あるので、自分の求めるサウンドを決めるのが大変そうだが、逆に楽しくもある。

 MiniLabは単なる鍵盤ではなく、選んだ音色のエディットを本体から行うことができる。例えば昔のアナログシンセのようにCutoffやResonanceのツマミがあり、それを回すことでビョ~ンなどという音の調整をはかることが簡単。当然エディットの保存も可能。5000色のサウンドと言っても使える音(好きな音)は限られてくるだろうから、当面いろいろ探っていくことになりそうだ。


宅録:メロトロン・サウンドを求めて4(追記)

2013年07月28日 | 音楽制作
 メロトロン・サウンドを再現するソフトウェア、M-Tronに関する追加である。

 その後サイトにアップされていた電子マニュアルを見ると、プリセットされたテープバンクは103種類。主なサウンドの解説があり、例えばAccordion Bass + Violins & Brassは「丁寧に構築したテープバンクが特徴のマイクロフォンによる録音は、ジェネシスの「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ」 のストリングス、ブラス、ベース・アコーディオン・パッドを忠実に再現しています。」、Augmented 8 Choirは「1980年にジェネシスが使っていたレアでパワフルな8声クワイアです。」、Yes Strings「パトリック・モラーツがイエスとのライブショー用に録音した濃厚な感じのするカスタムテープです。他の録音には使われていません。」など。他にもバークレイ・ジェームス・ハーベストやタンジェリン・ドリームが使った音との記載もあり、なかなか興味深い。Watcher… の和音を弾くと確かにこれは本物ぽい。Aug8choirは80年と表記されているがSelling England…やBroadway…の頃に聞かれた重厚な混声合唱音に思われる。旧式のサンプリングマシーンであるメロトロンの音をデジタルでサンプリングしたこのソフト、実際の有名バンドが使用した音色を忠実に再現したものと言えるようだ。

 また、スタンドアローン(単体)での使用のみならず各DAWソフトのプラグインとして、CubaseのVST、LogicのUA、Pro Tools用RTAS に対応しておりインストール時に選択できるようになっている。これら全てに対応しているのもなかなか便利だ。

 というわけでメロトロン大好き人間の私としては大変重宝するソフトシンセである。現在Mac OS 10.6.8 Snow Leopard で問題なく使えるが、10.8 やそれ以降では厳しいかもしれない。OSを取るかソフトを取るかで今とても悩ましい状態である。


小野リサの使うギター Sapporo City Jazz 2013

2013年07月25日 | ギター
 ここ数日アクセス数が多いので、調べてみたら「小野リサ 札幌」等の検索で見ていただいた方がたくさんいた。先日の小野リサ札幌ライブに関心を持つ方が多いのだなと実感した。そこで本日も彼女に関する話題を。

 あの時ステージに登場したリサさんは当然クラシック・ギターを抱えていた。ストラップエンドピン部分にシールドが接続されていたのでエレアコ化しているようである。そのギターは当日配布された最新アルバムJapao2のチラシのものと同じに見えた。それであるホームページを確認したら、たぶん同じと思われるギターの写真があるので間違いなさそうである。そのギターとはフクオカギターである(http://fukuokaguitars.com/classical.html)。

 ボサノヴァの練習として活用しているヤマハミュージックメディアから03年に出版された「月刊Go! Go! Guitars増刊ボサノヴァ・ギターを弾こう」に彼女のインタビュー記事が載っていて、「フクオカギターは羽のように軽くて好き。ソフトに弾いても音量がでる。」と感想を述べている。きっと今も愛用しているのだろう。私としても俄然興味を持ってしまうのだが、こちらでの販売価格はスタンダードで60万を超えている。ハカランダ材仕様のカスタムだと100万越えである。

 使用している弦については、これは以前も触れたのだが、記事当時はラ・ベラを愛用しているとのことだった。「フレットを押さえるときのキュッキュッという音が出ない弦で、いい音。」と言っている。私も何度か購入し使ってみたがそのとおりで変な個性もなく弾きやすかった。さすがに今回の札幌ライブで使用したかどうかは不明。

 私の席からは置かれていた譜面台に遮られて彼女のコードを押さえる指使いがほとんど見えなかった。ボサノヴァ・ギター奏者は複雑なコードを自分自身で工夫した押さえ方で演奏すると聞いているので、できれば見たかった。そのことについても、「開放弦を使うことで複雑なコードも割と簡単。」と述べている。

 ライブ自体はシンプルな編成でバックのピアノがしっかり伴奏を支えていたためリサさんのギターは薄く聞こえる程度だった。がメインは彼女のヴォーカルだから実にバランスの良い音響だったと思う。何よりも、オープニングの「イパネマの娘」が終わった時に思わず笑顔になってしまった私と5メートル先のリサの目が一瞬合ったことが忘れられない。


宅録:メロトロン・サウンドを求めて3

2013年07月24日 | 音楽制作
 M-TronはGforce社の製品で、立ち上げると写真のパッケージのようにメロトロン400Sを上から見た画面が現れる。コーヒーカップを置いた汚れがあえて見られるのはご愛敬。スイッチBはアタックとリリースの調節、スイッチCはプリセット2GB分以上の音色バンクである。磁気テープが装着されている本物は一本のテープに3種類の音だけと聞いているので、数十種の音色を選べるのはさすがソフトウェアのメリットだ。

 いろいろ選んでみると、かつて何かのアルバムで聞いたような懐かしいストリングスや混声合唱の音も聞こえてくる。中でもGenesis-splitとYes-stringsのプリセット音は秀悦。前者はWatcher Of The Skies の前奏にピッタリで、後者はHeart Of The Sunriseで聞かれるような音だ。早速手元のスコア譜を開いてWatcher Of The Skiesを弾いてみた。なかなか雰囲気が出ている。スタジオ盤よりもGenesis Liveの方に似た音だ。本物はブラス系のサウンドが混じっているようにも思えるので、そっくりとはいかないけれど、なかなか雰囲気は出ている。ただ、2オクターブ程度の音しかカバーされていないので、譜面どおりに弾くと音のでない部分が出てしまう。採譜が正しいとすると本家トニー・バンクスはどんなマジックで弾いていたのだろうか。

 M-TronにはM-Tron Proという上位版がある。音色の多さなどスペック的にはProの方がはるかに素晴らしい。「3.5GBのサウンド・ライブラリーには200以上のテープ・バンクが収められており、そのうち19種はオリジナルのGForce M-Tronテープ・バンクをロンドンの著名なアビー・ロード・スタジオでリマスタリング!」というのが謳い文句。今後ぜひアップグレードしてみたいソフトである。

<追記>
上記 Watcher Of The Skies のデモ音源をアップしてみた。
M-Tron版
https://blog-imgs-125.fc2.com/r/o/k/rokomotion999/watcher-MTron.mp3

SampleTron版(後の記事にあり)
https://blog-imgs-125.fc2.com/r/o/k/rokomotion999/watcher-SampleTron.mp3


宅録:メロトロン・サウンドを求めて2

2013年07月23日 | 音楽制作
 「宮殿」でキング・クリムズンにはまり、プログレに夢中になってしまった私にとって、メロトロンという楽器はとても魅力的だった。クリムズンの2作目「ポセイドン」や3作目「リザード」でもその重厚なサウンドが聞かれ、ますますのめり込んだ。当時はシンセサイザーもエマーソンや冨田勲「月の光」等によりかなり注目される楽器だったが、私としてはメロトロンに強い関心があった。だからそれが使われているアルバムをいろいろ探したものだった。クリアーライト・シンフォニーのようなマイナーなグループも含めていくつか聞いたのだが、結果としてより効果的に使っているバンドは、ジェネシスとPFMに落ち着くものと思う。強烈な印象として残っているのは前述のクリムズン初期3作なのだが。

 一度、秋葉原のラオックスだったと思うが、楽器売り場に本物のメロトロンが置かれているのに遭遇したことがある。実際に手を触れ、鳴らすことができたのだが、言葉では表現できないほどの感動であった。と同時に、弾くのが難しそうな楽器だなとも感じた。音が不安定で(それが売りでもあるのだが)、鍵盤はテープ再生装置のようなものなので、早弾きにはなじまなくて、音の持続も最大7秒。その辺を考えながら弾くには慣れが必要だと思った。しかし、あの白い箱形の憧れの楽器に触ることができたのは本当に幸運だった。(写真はKeyboard magazine 1987年6月号でのメロトロン紹介記事。再生されるテープが所狭しと並んでいる。)

 今、iPhoneで再生可能なMANETRONというアプリがある。これも往年のサウンドを手元で弾くことができ感動モノである。そして遡ること7年前、メロトロンがソフトシンセ化されたのを知り購入した。それがM-Tronという製品である。今年になってようやくそれを使いこなすようになった。ずいぶん時間がたってしまった。(今まで仕事が忙しすぎたのである…。)とはいえ、自宅であのメロトロン・サウンドを奏でることができるとは感慨深いものがある。次回はそれについて述べたい。(続く)


宅録:メロトロン・サウンドを求めて1

2013年07月22日 | 音楽制作
 久しぶりにシンセに関する話題を。
 かつて、本業の傍らシンセサイザー奏者として地元のイベントに参加していた頃使っていたエフェクターやミキサー類は今はない。それらは充実してはいたが重くかさばり、狭い部屋の中で維持するのが大変だった。そして、今その時の充実さに迫る勢いで機材を揃えつつある。もしかしたら、時代の流れであのとき以上のものを揃えられるかもしれない。即ち、DAWソフトの進化である。

 過去に愛用したシンセ達は一時的に納戸に置かれているが、今も現役だ。スペースは取るが捨てがたい素晴らしい音色を奏でる。私は自作曲を録音する、いわゆる宅録が一番の趣味であった。手弾きからシーケンサーの利用に変わり、カセットからオープン8チャンネルへ、そしてMD4チャンネルデジタル方式へと録音方法も変わった。そして今はパソコンを使った音楽作りにようやく移行している。

 現在はMacBook ProにLogic Express7を入れている。が、これが超ムズカシイ。購入したのが2006年だったので、もう7年も放置していたことになる。しかし、ここで俄然やる気になってきた。ソフトシンセを使い始めたからだ。さらに、シンセとPCの接続もようやくうまくできるようになった。きっかけは息子がガレージバンドを使いたいと言って始めたことである。いつも驚くのだが、子どもはこの手のモノをどんどん使いこなしていく。その時の悪戦苦闘の結果、DAW環境が何とか整ったのだ。

 そんな私が今やりたい音楽は、インストルメンタルのプログレ的ドラマチックなヒーリング・ミュージックである(言葉にすると何か難しそうだが)。そのためには、レトロなキーボード・サウンドが欲しくなる。その筆頭がメロトロンだ。この楽器なしには70年代のプログレを語ることはできない。前置きが長くなったが今回はそのメロトロンに関することを述べてみたい。(続く)


小野リサ at Sapporo City Jazz 2013

2013年07月21日 | ミュージック
 今日は小野リサのライブに行ってきた。

 毎年札幌ではSapporo City Jazzというイベントが行われている。中心部の大通公園2丁目にテント方式の会場が特設され、様々なアーティストが演奏をする。ここでは過去にジャズ・ヴァイオリンの寺井尚子、昨年はサリナ・ジョーンズのライブを見た。そして今年小野リサが来るということで、ボサノバ好きの私は早々にチケットを購入。彼女のライブはたぶん5度目になる。過去のライブはすべてコンサートホール・キタラで行われたもの(クラシック専用の大きなホール)。今回は会場が小さいので、できれば最前列をということで行動に出た。

 今日の札幌はとても良い天気で、日中太陽の日差しがとても厳しかった。その中、良い席を取ろうと早めに並んだ。City Jazzのライブでは、チケットは前売りで買っても座席指定がされていない。当日開場の1時間前から会場にて受け付け、自分の好きな席を選ぶ仕組みとなっている。従って早く行けば行くほど良い席が取れるのである。もっとも、そのためには並んで待たねばならない。今日は炎天下だったので大変だったが、何とか最前列中央のテーブルの一角を取ることができた。

 会場では食事と飲み物の注文ができ、飲食しながらライブを楽しめる。今年から会場の仕様が変わり、2階席が新設された。スタッフに聞いたら、満席だと600人ほどが入れるそうだ。今日のリサのライブは昼と夜の2回ともソールド・アウトである。やはり人気がある。そんな超満員の中、ライブが開始された。

 私が見たのは昼の公演。メンバーはピアノ、ベース、ドラムそして小野リサのギター&ヴォーカルとシンプルな編成。ほんの5メートルくらい先に、リサさんがギターを抱え座った。こんな間近にみられるとは、暑い中並んで苦労した甲斐があった。セットリストも1曲目が「イパネマの娘」と実にうれしいスタート。サマーサンバやワン・ノート・サンバ、3月の水などボサノバの有名曲も多数演奏されたが、世界各国の曲も盛り込まれ、フランス語、イタリア語、英語そして日本語などジャズやポップスも含めた多彩な選曲である。フランス語による「男と女」は実にうれしかったし、「ワインレッドの心」のボサノバのアレンジとポルトガル語のヴォーカルも良かった。(これは自分でも試す価値ありと見た)。

 MCによると、札幌に来たのは2年半ぶりで、昨日札幌入りしてからメンバーとジンギスカンを大食いしたそうだ。驚いたのは、リサさんの祖母が小樽出身だと言っていたこと。実は北海道とも関係があったとは。こうして時は過ぎ、盛り上がりながら1時間40分のライブは終了。日本の曲を集めた最新アルバムJapao2に収録されている「いのちの歌」をアンコールで披露したが、心にジーンと来るとても良い歌だった。高めの年齢層のお客も皆満足そうな顔で会場を後にした。もちろん、私もその一人である。静かに余韻が残る、とても良質なライブであった。City Jazzでは毎回出演するアーティストが何人かいるので、小野リサ次回公演、切に期待したい。


プログレ 今日の1枚 #8 スティーブ・ハケット旧作2種を買換え その2「スペクトラル・モーニング」

2013年07月07日 | プログレ
 スペクトラル・モーニングのSHM-CD新紙ジャケ盤を購入した。私はこれをLPで買って以来CDも手にしたことはなくあまり聞いていないアルバムであった。ただ、発売当時のことはよく覚えている。その頃ジェネシス・ファンクラブというのがあり、時々都内で公開の集いを開いていた。彼らは手書きの会報を発行していて、それにはFirth Of Fifthのイントロのピアノ譜や、A Trick Of The TailのLos Endosフェード・アウト直前に聞かれるフィルのヴォーカルを聞き取った歌詞、またライブでのピーターの語り、特にSupper’s Ready開始前のそれの翻訳を載せるなど、実に興味深い取組をしていた。ある時その催しが開かれることを知りでかけてみた。それがちょうどスペクトラル・モーニングのリリース直前で、どこから手に入れたのかそれら新曲を小出しに紹介したのだ。確か、Everydayの後半部分、タイトル曲などが聞けたと思う。そして、相変わらず美しく、深遠なギターサウンドを耳にして新作への期待が高まったものだった。今回改めて聞くと、やはり素晴らしい楽曲の揃ったアルバムだと思う。本当にハケット先生のメロディ・メーカーぶりには感心する。私にとっては前作のPlease Don’t Touchへの思い入れが強いのだが、一般的にはこのソロ3作目が傑作と言われているのもうなずける。

 紙ジャケ化の時にボーナストラックが8曲追加になった(最後は果たして曲と言えるのかわからないが)。別ミックスのものはあまり違いが分からないけれど、ライブの音源は当時確かミニアルバムか何かでリリースされたものだと思う。友人から借りて聞いた覚えがある。当時この中でギターによるBlood On The Rooftops の一節が聞けたのがとてもうれしかった。

 このアルバム時がソロとしてのパーマネントなバンドを結成した最初だったそうだ。そして長い年月が過ぎた今も、バンドとしての活動を続けている。実に素晴らしいことだ。ジェネシスへの回帰が一段落したこの後、どのような音楽を届けてくれるのか、心待ちにしている。


プログレ 今日の1枚 #7 スティーブ・ハケット旧作2種を買換え その1「東京テープ」

2013年07月04日 | プログレ
 96年12月の来日公演ライブ盤「東京テープ」リマスターが届いた(写真下)。従来は別物だった映像版DVDが同胞された3枚組。私は初リリースの2枚組CDは持っていたのだが、今回このDVDが欲しくて購入した。従来のプラ・ケースに代わり、紙製のボックスに3枚のディスクとブックレットが入っているのはかつてのLive Archiveと同じ仕様だ。そして、現在ハケットバンドの要として参加しているキーボード奏者ロジャー・キングがMixed byとしてクレジットされている。

 CDの方では一部収録曲の変更があり、スタジオ録音によるLos Endos がボブ・ディラン作のAll Along The Watchtowerという新録曲に差し替えられている。ディランとハケット先生とは意外な組み合わせだ。演奏は先日来日したハケット・バンドのメンバーで、さらにあのジョン・ウェットン大先輩がヴォーカルで参加している。この結果、買い換えのつもりで購入したものの、結局は新旧両方の盤を所有することに。

 当時この東京公演に在京の友人が行ったことを聞いて、非常に悔しい思いをしたものだ。が、その後、何とWOWOWで映像が放映され、少しはその気持ちが癒された(笑)。そんな個人的思い出も付随する東京テープなのである。