上砂理佳のうぐいす日記

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悟る4人。結論を出す市橋★

2017-09-06 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
はい「僕やり」第8話。
今回もまた面白くてずんずん前のめりに。感想もどんどん長くなる(笑)。
4人+市橋を加えて、5人のそれぞれが「現実の壁」にブチ当たる様が、バランス良くシュパシュパとしたテンポで描かれています。
いつもながらオープニングの曲とエンディングの曲が絶妙。二つとも、メンバーが20歳前後という若いバンドが、ドラマの為に書き下ろした曲らしいですが、いやこの感覚のマッチング。ピタリとハマってます。

前半は久々にコミカルなシーンが面白かった
「リトル伊佐美」復活で意気揚々と今宵ちゃんに会いに行ったのに、今宵パパと鉢合わせの伊佐美!
パパはマグロ漁船とか乗ってそう(笑)。まさかの竹内力。怖いよー。必殺ワザの「グルングルン」で笑いが止まらなかった(笑)。
妊娠を告げられても、伊佐美ひるまなかったー。ちゃんとパパになる気でいたんだ。
やっぱり根が真面目…「堕ろしてくれ」って常套句を吐くかと思ってたのに。偉い!
と思いきや、今宵ちゃんから別れを切り出すとは予想外でした。
伊佐美のことは好きだけど、お腹の子を「犯罪者の子」にしたくない。いやすごい決断だ。
「どーしてくれるのよ!」と怒りもせず、「責任とってね」とも言わず、ただ事実を告げるのみ。あとは自力でやります…男前っぷりに泣けました。
なんかこのカップルは応援したくなりますね。最終的に結婚して10人位子供作ってるような気がする(笑)。
伊佐美は一人、夜の橋の上で、「汚れたままの自分ではいけない(綺麗にならないと今宵は許してくれない)」と悟ります。いいシーン!

頭を殴られ大けがを負ったマルは逆襲に燃え、夜の街で待ち伏せして「ウンコ」に殴りかかりますが、「この世は弱肉強食だ!負けてたまるかー!」と、結構熱い(笑)。
大金を持って派手に遊ぶし、復習に燃えるしで、ここまで罪の意識が無きに等しいマルでしたが、スキを見せてしまい再び殴られ、「お前、友達いないじゃんか~!」と馬鹿にされてしまいます。ショック。
すがる思いでパイセン…伊佐美…トビオの順に電話をするも誰も出ず。自分の無力感。世界で一番の孤独を味わいます。
金よりも暴力よりも、「仲間がいない」という惨めさでいっぱい。
マルも何かを悟ったような。

パイセンは遂に父・輪島とご対面。しかしその場でトコトン馬鹿にされます。
輪島は息子への愛のカケラもなく、全ては秘書が取り計らっていた。
「誰?こいつ?息子?ぶっさいくだなー」状態。ヒドイ奴です。
そしてあろうことか、別の愛人に産ませたもう一人の息子をけしかけ、パイセンを傷つけようと…そこへ菜摘先生が現われ、輪島を殺し。。。ところがここでもまた「金の力」で難を逃れるのです。どんだけ金の権化なの輪島。「分厚い札束が我が身を守る」なんてー。
「愛」どころか実の父に殺されかけて、ボーゼンとするパイセン。
父の汚い金で生きてきた自分の人生…なんやったんや。
もう、決別したい、と思ったのではないでしょうか。
そして傍らには、復讐に失敗してこれまた茫然とする菜摘先生。
このシーン、パイセンと輪島の掛け合いが、舞台劇みたいで素晴らしかったですね。
「間」がいい。笑えるのに悲惨という。

パイセンと菜摘先生の二人は、まだ輪島に執着するのでしょうか。私はすると思う。
それに、飯室刑事が「トビオ達にはまだやってもらわないといけない役割があるんだ」と言ってましたね。
飯室刑事は、輪島一味の逮捕を狙ってると思うので、最後にドンデン返しで天誅が下されるといいなあ。

さてトビオは蓮子と本格的に付き合い出しますが、前回の「生まれ変わった俺」のチグハグ感はかなり抑えられ、精神が安定に向かったような。連子の純粋な気持ちの影響かな。
幸せの絶頂なのに吐き気もない…これはもう、「新しい俺」に生まれ変わることに成功したのか?
二人が付き合ってることを市橋に言わねば悪い…と、マトモな感覚に戻ってきましたが、市橋の祖母が亡くなったりでタイミングを逸し、告白出来ず。
トビオは市橋へビデオレターで「直接言うのが照れくさい」と応援メッセージを送ります。
これがやたら明るく前向きですが、「演技」感が強い。
自分たちが爆破事件の犯人だということをもう少しで告白しそうになってる…市橋への罪悪感は消えないので、自撮りに滲み出る「ごめん」の空気。
でも蓮子との事は、「爆破事件」に比べたら罪が軽い?ので、遂に直接告白しました。

トビオは市橋へ好意を見せたとはいうものの、それは自分の罪悪感を減らしたかっただけで、献身的な「愛」ではない、と感じます。
結局…とどのつまり、人間は「自分が可愛い」のだから。
でもそれは、誰でもそうなんですよね。そんな部分がある。

市橋は医者から「足はもう元に戻らない」と宣告され、未来への希望が無くなります。
彼がトビオを自ら誘い、ボーリングやらダーツやら一緒に遊んだのは、もうこの時点で「死」を覚悟してたのでは。
昔、強者として「ゴミみたいなやつら(弱者)」をいじめていたら、今は自分が「ゴミ(弱者)」になり、かつての仲間や手下(強者)からいじめられる。この屈辱。
市橋はレーサーを夢見ていた位だから、「強者」として生きられなかったら、最早生きている意味が無かったのでしょう。
トビオと連子の仲を告白されても、それは自殺の大きな要因ではなく、「最後のダメ押し」に過ぎなかったと思います。

「友達になった」といってもそれは短期間の表層的なもので、トビオは市橋の内面にまで深く関わろうとしません(もっと月日が経てば別かもしれませんが)。「祖母が死んだ」と言われても「そうなんだ」で、とどめます。
それは市橋にしても同じで、「俺が死ねばトビオが、蓮子が悲しむ」とまでは考えなかった。
みんな、自分の事でいっぱいいっぱいで、深く考えずに衝動で行動してしまう。
この辺の描き方が「いかにも若者」だなあ、と思います。唸ってしまいます。

市橋の自殺は大体予測していたのですが、ラストの展開が原作の漫画とは違うらしく、どういううねりを見せるのか(市橋蘇生も考えたけど、さすがに3回目はないわなあ)。
それぞれがやっと、「人生をなんとかしなくては」と悟り始め、市橋は一足早く「彼なりの結論」を出した。
多分、トビオは今回の事で、嫌というほど「命の重み」を知ったことでしょう。
もう逃げる余地は無く、4人は答えを出す時。でも、自首だけかなー。
私はどこかで「真犯人は実は4人ではない」展開を期待していて、うう~ん、読めない!?★
コメント
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