上砂理佳のうぐいす日記

巨匠漫画家、楳図かずおさん逝去。あべのハルカスで私も見た「楳図展」は金沢21世紀美術館で9月に開催されていました★

シアターコクーンの二階から★

2019-02-23 | アート・音楽・映画・本・舞台・ドラマ
観てきました。最後は泣いてしまいました!

織部は「いたいけなこども」で、「ときどきオス」(笑)。
青年の身なりはしてるけど、年齢も性別もわからないような不思議な生き物でした。
というか、この世に存在していない幻のようでした。

周りが腐った魑魅魍魎ばかりなんで、ピュアな織部が浮いてるという(これって「ヒトヤノトゲ」と同じ構図)。
ほんと、皆さんキャラの毒がすごいので、精神病院から抜け出てきた織部が一番マトモに見えた(笑)。
窪田くんは当たり役やと思いました。
このピュア感はそうそう誰でも出せるものではないでしょう。

エリカの柚希さんは歌も踊りもさすがに素晴らしく、とってもタカラヅカでした。赤いシュミーズ姿が印象的。
あんまり猥雑感はなかったけど、エリカがドンと存在感を見せつけるので、フワフワした織部と良いバランスでした。
やっぱりアレ、歌と踊りがふんだんにあるのはファンサービスだろうか?

初演が「根津甚八×李麗仙」コンビだったそうで、そちらも見てみたかったですね。
この平成バージョンは、あまり「アングラアングラ」してない感じだったので、アングラ嫌いな方も楽しめると思います。やっぱりワケワカランけど。。。(^_^;)
ってか「テント」という空間だとまた違うんでしょうかね?
コクーンは小さめの箱で見易かった。二階ほぼ最後列だった私でも存分に楽しめました。ヨーロッパのオペラ座?みたいに、サイドが桟敷席的になってるんですね。
あそこ、落ち着いていいわあ(笑)。
その桟敷席にかなりの人たちが立見で観覧してました。
私も20代ならそうしたな~。

いろんなモチーフが散りばめてあって、しょっぱなから最後まで驚かされ飽きることがない。
あれは何を意味してるのかな?と推測・妄想しながら楽しんで、「これどういう意味?」と「答え」を探さないこと…答え合わせに躍起になる人は楽しめないかも。
あと、主演の二人以外の人たちも相当出番が多く「キャラ立ってます」。
自分のお気に入りキャラを見いだして楽しもう。
北村有起哉さんの役好きやな~。三びきのオッサンたちも。
あの「頭振る人」は、やっぱお笑い芸人のアノ人のパロディか?

個人的には三幕の冒頭が絵的に好きです。
ダリとかポール・デルボーの絵を連想しました。
あのモチーフは、織部の「内耳」の象徴なのかな~。

ちょこちょこ毎日改編していってるようなので、大阪バージョンはどうなるのか、またまた楽しみです。
やっぱりね。
初演が1974年なんで、学生運動とか三島由紀夫とか、昭和の激動期に作られたものだなあ~という色合いは濃いですね。
「あの時代」だからこその表現もいっぱいあるし、私はかろうじて解る世代だけど、今の若者にはどう映るのかなあ。
(ネタバレ無しで感想書くのって難しい)★
コメント
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