Before Barbed Wire ／ジョージ・ウィンストン

ひさしぶりの「走りながら聞いた今日の1曲」です。
Barbed Wireとは鉄条網、有刺鉄線のことなんですが、刑務所とか収容所みたいな話ではもちろんなく、馬を（あるいは牛かも）囲っておく牧場の風景ってことですね。
　つまりこういうこと（この動画もけっこうおもしろいですよ）。

Barbed Wire Installation


この曲も「PLAINS」収録のものですが、このアルバムからすでに2曲を「今日聴いたベストミュージック」に選んでいます。

　I Look Up When I Walk
　Dubuque

このアルバムは個人的に言うと－－本当を言えば誰が聴いてもそう思うと思うんですけど－－たった今すぐ、収録されているすべての曲をこの「ベスト・ミュージック」に選んでしまっても何の問題もないくらいいい曲ばかりです。

	Plains
	Windham Hill Records
	Windham Hill Records

ジョージ・ウィンストンの音楽は「環境音楽」「イージーリスニング」のように言われますがが、たとえばこの「PLAINS」の中の音楽たちは、そういうくくりには入らないと思います。似たような癒しが与えられるとしても、その質はまったく異なる。彼が扱う古き良きアメリカ（すべてが良かったわけではもちろんないけれど）がもつ人間の生きる上で大切にすべき本質的な何か、いまはもう失われてしまっている何かをわれわれが欲しているということなのだと思います。
この曲を聞きながら走っていて、たとえば自分が死ぬ時に聞いていたら心穏やかに死んでいけそうな気がしました。ちょっとばかり切ない曲で、涙が出そうではあるけれど。

Before Barbed Wire - George Winston