中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

餅(2)

2010-01-05 09:21:44 | 身辺雑記
 餅を使った最もポピュラーな料理は雑煮だろう。雑煮はどこでもおそらくは正月だけのものだろうが、その種類は調べてみると全国各地実にさまざまなものがあってお国振りがよく現れている。それに各家庭では独自にアレンジされて代々伝わっているものもあるようだ。

 使う餅も地方によって違うようで、大まかに言えば、東日本では焼いた角餅(切り餅)、西日本では焼かない丸餅となるようだが、ほかにも焼かない角餅や、焼いた丸餅を使うところもあるようだ。境目は富山、石川、岐阜、三重、和歌山で、両方の餅が混在していると言う。

 私の家では祖父の代からいわゆる関東風で、焼いた角餅にほうれん草などの青み、甘辛く炒りつけた鶏肉、紅白の蒲鉾の薄切りを入れ、澄まし汁をかけて柚子の皮を薄くそいだものを添える。この柚子の香りが引き立て役だ。長男はこれを受け継いで元旦には家族に作ってやるようだ。長男の嫁の実家は京風で、白味噌仕立てのつゆに焼かない丸餅、それに里芋や大根を入れる。大晦日に嫁の実家に泊まった孫娘たちは元旦にこの雑煮を食べ、おいしかったと言っていた。私も興味があるから作ってみようかとも思うが、手間がかかりそうなのでしたことがない。妻の実家は広島で、澄まし汁の雑煮だったようだが、牡蠣が入っているのが嫌で涙が出たと言っていた。広島は牡蠣の生産地で、「福をかき寄せる」という縁起担ぎらしい。

 餅は腹が膨れるし腹持ちがいい。10代の頃は、年の数だけ食べるんだと張り切ったこともあり、かなり食べた思い出はあるが、実際にどれくらい食べたのかは記憶にない。今はせいぜい2個くらいしか食べられない。

 餅は雑煮以外に、搗きたてならおろし大根をからませて食べるのが旨いが、ほかにも黄な粉をまぶして安倍川餅にしたり、小豆餡をのせたりする。鏡餅を飾った頃は、1月10日を過ぎた頃に小さく砕いて食べたが、たくさんある場合は黴が生えるのを防ぐために水の中に浸けて水餅として冷暗所に保存した。子どもの頃はこの水餅を安倍川餅にしたのが嫌いだったが、今は好物になっている。

 餅と名のつくものには穀物の粉に水を加えて蒸してから練り上げる練り餅があり、羽二重餅などの求肥餅や白玉やちまきなどがある。また、もち米を蒸かして干し、粗めに挽いた粒状の道明寺粉を用いた皮に、大福のように餡を包んだ道明寺桜餅(関西風)や、もち粉か、白玉粉に小麦粉を混ぜた生地を薄焼きにした皮で小豆餡を包む長命寺餅(江戸風桜餅)がある。柏餅は、平たく丸めた上新粉の餅の間に餡をはさんで、カシワの葉(東日本)またはサルトリイバラの葉(近畿以西)などで包んだものだ。 (続)