中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

泥酔

2010-01-09 10:35:32 | 身辺雑記
 東京に住む22歳の大学生が、白昼泥酔して通行人に暴行し暴行現行犯で逮捕された。昼ごろから友人と酒を飲み泥酔状態だったと言う。

 この男は路上で暴れ、通りかかった20代の男性の顔を数回、60代の男性の頭などを約10回殴ったり、50代の男性に自転車を投げつけるなどした。

 逮捕されて留置されたが、調べに対して暴行したことは認め「目が覚めたら留置場にいて驚いた」などと言ったようだが、「部分的に記憶はあるが、よく覚えていない」とも言ったという。正月気分が抜けきれず、真昼間から飲酒した挙句の暴力行為で、大学4年生というから今春には社会人になるのかも知れないが、自制心の乏しい愚かな男だ。このような行為は「酒の上のこと」としてきつく叱りおく程度で済まされるのだろうか。被害に遭った者はたまったものではない。いくら泥酔していて記憶がなかったからと言っても、それなりの処罰は与えるべきだと思う。酔った挙句に殺人をすることもあるのだ。

 私は酒には弱いから、正気を失うほどに飲んだことはない。だから泥酔した時の状態は想像することもできない。酒に酔っていろいろなことをしても醒めてみたら覚えていないというのは本当だろうかと思ったりするが、酒飲みに言わせると本当なのだそうだ。かなり酔っても帰宅し、朝目が覚めたら家にいた、飲んだ後のことは覚えていないなどということはよく聞く。それでも家にはたどり着いているのだから、途中では記憶はあっても眠ってしまうと忘れてしまうのだろうか。

 よく酒に強いと言うが、泥酔するようなのは本当に強いのだろうか。いや、強いからどんどん飲み、やがて 限度が来て泥酔状態になるのだということなのかも知れないが、よく分からない。私はこれまでいわゆる酒飲みはたくさん見てきたが、本当に強いと思ったのは1人だけだった。差される酒はすべて受け、いくらでも飲むのだが、まったく崩れることはなかった。もっとも今は車椅子の生活をしていると聞いたから、酒で体を痛めたのかも知れない。酔っ払いで一番不愉快で嫌なのは絡んでくる酒で、これまでにとりわけ不愉快な人物が1人いた。その人物のために、私のように飲めない者でも楽しく思う酒席がいっぺんに不愉快なものになってしまったものだ。

 泥酔の「泥」はドロではなく、中国の古い書物「異物志」に出ている「デイ」という虫なのだそうだ。デイは南海に住み、骨がなく、水がないと泥のようになるとされていて、その様子がひどく酔った状態に似ているので「泥酔」というようになったらしい。酒豪で有名だった唐の詩人杜甫の詩にも「酔如泥」とあるそうで言葉の由来は古いようだ。酔ってドロのようになるのではなく、デイのようになると言うことだ。ブログに雑文を書くためにあれこれ調べていると、時々こういうことに出会うから面白い。