中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

若者言葉

2010-01-24 11:03:01 | 身辺雑記
 パソコンの画面に小さな四角の枠で囲んだ広告があった。コミックでよく描かれているような目の極端に大きい年齢不詳の女の子の絵があって、そこに「今って時間あったりしますか」と、何ともイラつくような気色の悪いフレーズが付いている。それをクリックすると無料のインタネットゲームに入るのだが、興味はないのでそれ以上は進まなかった。

 この「今って時間あったりしますか」という言い方はおそらくは若い女の子が使うもので、「今、時間はありますか」という程度のことだろう。それを「今って」とか「時間あったり」と言うから感じが悪い。若者の間ではこのような言い方がされているのだろうか。よく若者言葉が話題になるが、私の近辺では、たとえば電車の中などではあまり耳にしたことがない。関西は関東とは違うのかも知れないが、それでも学校や街中では使われているのだろう。

 いわゆる若者言葉は調べてみると実に多くあり、消長も激しいようだが、中には「マジ」、「・・・的」、「微妙」、「・・・な人(たとえば、私はお酒を飲めない人ですから)」などのように若者以外にも使われているものもあるようだ。「チョウ(超)」などは西安の袁毅が「チョウおいしい」と言ったのでおかしかった。「うそ!」「うっそう!」などと「本当?」という意味ではもう普通に使われているようだ。

 若者言葉は30代を境にして使われなくなる傾向があるそうだ。それは新しく出てきた言葉、たとえば「ウザい」、「キモい・キショい」、「ヤバい」などは使わなくなるほうが多いと言う。このうちの「ヤバい」は本来は「危ない」という意味だったが、若者言葉では、予想外のことを体験してしまい、その衝撃でどうにかなってしまいそうなほど凄いという意味で、たとえばレストランなどで頼んだものを一口食べた途端に「やばい」と使うようだ。どうも分かりにくいが、まあ30も過ぎたいい大人がこのような言葉を使うのは、本人がいつまでも自分は若いのだということをひけらかしているようで、みっともないと思う。

 私が嫌いなのは「・・的」という使い方だ。いつかNHKのテレビの番組で美人の30代の女優が「わたし的には・・・」と言ったので、この女優はかなり賢そうだと思っていたのにがっかりして、なぜ「わたしとしては」と言わないのかと思ったことがある。テレビと言えばある損保会社のCMに、ティアラをつけた若い女の子に知り合いらしい女性が、のっけから「てゆうか、それ何?」と言うのがあり、奇妙に思ったことあった。この「てゆうか」もよく使われるようで、これは「と言うか」が崩れたもので、本来は接続詞的なものだが、注意喚起の意味合いで最初に言ったり、「なんか」のように言葉に詰まった際のつなぎとして使われるとのことだ。ぶっきらぼうには「つーかさぁ〜」と言うらしいが、こうなると外国語のようだ。

 言葉は絶えず変化するもので、若者言葉だからと言っても若者以外にも広がることはあるし、特にテレビなどで使われると影響は大きい。しかし本来はスラング的な言葉が広がることはあまり感心したことではない。スラングのようなものがいつしか普通に使われるようになることもあるようだから、あまり目に角を立てることでもないかも知れないが、基本的には正しい言葉遣いをすることを心がけることは、自戒もこめて大切だと思う。