中国迷爺爺の日記

中国好き独居老人の折々の思い

給付金詐欺

2009-03-21 09:07:38 | 身辺雑記
 給付金詐欺の被害者が初めて出た。

 警察庁によると、これまでに全国的には、役所の職員を名乗って「給付金を支給するから現金自動出入機に行って」などという電話が14件、給付金支給手続きを名目に家族構成や預金口座の番号などを聞き出す手口も93件あったそうだ。届出のあったものだけだろうから、実際にはもっと多いかも知れない。給付金が支給されることになる前のことだから、電話を受けても不審に思い、被害には至らなかったのだろう。

 被害にあったのは大阪府堺市に住む1人暮らしの88歳の女性で、警察によると、役所の者を名乗る男が訪れ、「給付金の支給は10月ごろになる。5万円もらえればすぐに給付金の手続きができます」と言ったようだ。女性は「いつでも結構です」と言ったが、男は「電話をします」と外に出て、携帯電話で話すそぶりをしたので信用してその場で現金5万円を男に手渡した。男は「10分ほどで戻ります」と言って立ち去ったが戻ってこないので、不審に思い市役所の担当窓口に電話して、騙されたことを知った。男は60歳ぐらいだったようだが、事実ならばこれは老老詐欺だ。世に盗人の種は尽きぬと言うが、まったく年齢を問わず悪い奴は後を絶たないものだ。

 この女性はおそらくは給付金のことは知っていただろう。それなのに、2万円の給付金の支給に5万円が必要などということを不審に思わなかったのか。「優しい感じで騙すような人には見えなかった」とその女性は言ったそうだが、気の毒ではあるが人が良すぎる。高齢者の中には「お上」を信じる気持ちが強い人も多いのだろう。それだけにそれを逆手にとって騙した奴が憎々しい。良い末路がないようにと思う。

 市役所から広報誌が届けられた。3月中に申請書を送付されるそうで、4月以降に金融機関に振り込まれるようだ。ある新聞の川柳に「麻生氏の1食分か給付金」とあったが、まあそんなものだろう。広報誌の最後のページに「定額給付金は市内で使いましょう」とある。プレミアム付の商品券の購入もできるようだ。「地域経済活性化」ということで、市もいろいろ考えているらしい。

 同じページに詐欺にあわないようにとの注意も載っている。「市役所や国(総務省・厚生労働省)などがATM(銀行・コンビニなどの現金自動払い機)の操作をお願いすることは絶対にありません」などいくつかの注意事項がある。それでも悪人どもは虎視眈々と獲物を狙っているのではないか。被害者が出ないようにと願うばかりだ。




子どもの夢と個人情報保護

2009-03-20 09:40:08 | 身辺雑記
 日本人初の国際宇宙ステーションに長期滞在する予定の宇宙飛行士の若田光一さんは、出身地であるさいたま市の小中学生ら約10万人分の写真データの入っているDVDを携えていった。若田さんは昨年3月、宇宙航空研究開発機構を通じて「市の記念品を持っていきたい」と市に相談した。これを受けて市の市青少年宇宙科学館は、「夢や希望を与えるため、子供らの写真を」と発案し、市立の小中学校と特別支援学校の全159校の学級写真を撮った。

 「子供の夢も一緒に宇宙へ」との企画だが、宇宙科学館は編集の際に、「万が一の流出に備える必要がある」と考えて、職員6人で1カ月かけ、拡大しても子どもの顔が判別できないように画像の解像度を下げる処理をした。処理された画像は「ゆめをのせてうちゅうへ」など、紙に大きく書いたメッセージが判読できる程度だそうだ。

 例によって個人情報保護を考慮した処置だが、これはどうも行き過ぎではないか。全員の顔をぼかし、全体としてぼけた写真が「ゆめをのせてうちゅうへ」ということになるのか疑問に思う。ある小学校長は「そこまで個人情報の取り扱いに気配りする必要があるのか」と疑問を呈しているそうだが、同感だ、それでも人さまざまで、ある主婦は、校内誌にも子どもの顔を載せたくない親がいるから適切な判断ではないかと言ったらしい。これも考えてみると味気ないことだと思う。個人情報保護に詳しい国立情報学研究所の弁護士は「写真処理に1カ月費やすなら、保護者に了解を取る努力をした方が良かったのでは。過剰な個人情報保護だろう。せっかく宇宙へ持っていくのに夢のない話になってしまった」とコメントしたそうだ。どうしても個人情報保護ということで苦情が出るのが心配ならば、あらかじめ保護者に趣旨を伝え、それでも忌避する場合は、その子どもを外して写真を撮ればよかったのではないか。それでは外された子どもはかわいそうだと言うかも知れないが、そうそう何もかもがうまくいくものではない。

 行き過ぎた個人情報保護の問題はいまさらのことではない。交通遺児に奨学金を給付する民間の育英会では、学校に問い合わせても個人情報保護ということを盾にして応じないケースが増えているということも聞いたことがある。祭りの神輿の写真を撮るにしても顔が写らないように気をつけなければならないそうだが、祭りを楽しむ明るい顔を撮ってはいけないとはまことに味気ない話だ。同窓会などでクラス名簿を作ろうとしても、できないと言うことで幹事が困っていたことがあった。個人情報の保護、保護と言いながら、しだいに窮屈で伸びやかさのない、内向きな社会になっていくような気がする。


闇サイト殺人事件

2009-03-19 12:36:10 | 身辺雑記
 行きつけの理髪店で散髪をしていたとき、私の頭の毛を刈っていた主人が突然、「こんな奴らは死刑にしてしまえばいいんだ」と吐き捨てた。店内のテレビでは、3年前に名古屋市で起きたいわゆる「闇サイト殺人事件」の被告達への判決公判が間もなく始まろうとしていることを報じていた。

 この事件は実に残虐で忌まわしいもので、何の面識もない犯人達が携帯電話サイト「闇の職業安定所」という犯罪者を募集する闇サイトで知り合って、夜帰宅途中の31歳の派遣社員の女性を拉致し殺害した。被害者の必死の命乞いもを聞き入れず、男達は被害者の顔に粘着テープを巻きつけた上にポリ袋をかぶせ、ハンマーで頭をめった打ちにし、遺体を岐阜県瑞浪市の山中に埋めて逃走したという、人間性のかけらもない非道な事件だった。犯人の1人、無職の男がこの闇サイトに投稿して仲間を誘い、それに新聞拡張員だった男と無職の男が応じて共謀して実行したもので、被害者の女性とは面識のない通り魔事件だった。

 名古屋地裁の裁判長はは3名の内2名に死刑を、1名に無期懲役を言い渡した。無期懲役になった男への判決理由は、犯行直後に警察に出頭したことで、インターネットで知り合った集団が発覚や逮捕が困難な点から、他の2人の逮捕に協力し、その後に起こりえた犯罪を阻止したとしたことを特に有利な事情として考慮したものという。

 娘との2人暮らしをしていた母親は、極刑を求める署名運動をして海外も含めて、30万人の署名を集めたが、判決には無期懲役があったことに納得しておらず、他の2人と同様の極刑を望んでいるが、鬼畜のような男どもの理不尽きわまる犯行によって、たった1人の娘を奪われた母親として当然の感情で、たとえ死刑反対論者でもこの母親の気持ちを批判できないだろう。

 死刑判決を受けた男の1人の弁護人は「闇サイトを介して形成された犯罪集団の危険性や模倣性を不当に重く量刑事情として解釈している」として控訴し、もう1人も控訴するようだ。このような弁護人の言い分は、法律的には成り立つものだろうが、何が何でも死刑を回避するための強弁としか思われない。それで加害者の人権を守ったつもりで、弁護人としての面子は立つのだろうが、人間として少しでも被害者の恐怖や無念さを思い浮かべたことはあるのだろうか。弁護ロボットのような印象さえ受けてしまう。最近凶悪な犯罪に対する死刑判決が出るたびに、弁護人のありように納得できないものを感じることはよくある。

 この事件でも、被害者が1人であることからその量刑が注目されていたが、1人なら死刑が回避され、2人以上なら死刑はあるということにもどうにも納得できないものがある。「人を殺す」という異常な行為に対して、殺されたものが1人ならとか2人ならなどという「勘定」が成り立つものだろうか。その殺人の動機や行為のありようによって考えるべきだ。殺されたものの命は、犯人がどう反省しようと2度と戻ってくるものではない。殺人者の人権もあるだろうが、被害者の生きる権利が奪われたことはどうなるのか。

 今回の判決は被害者が1人であっても死刑の判決となったが当然に思える。彼らに本当に罪を悔いる気持ちがあったとは思いにくい。公判中にも互いに罪をなすりつけ合い、その中の1人は交際相手に対して手紙を出し、その中で被害者が、拉致後の車中で被害者が吐き気を訴えたことに触れ「車酔いしてたら、背中とかに汗かくんだよ。芝居の上手い彼女(笑)。嘘吐き姉ちゃん。嘘なら俺の方が上手だぜ」と書いていた。被害者が包丁で脅されて震えていた場面は「がったがた。マグニチュード10?」と表現。 また事件を「仕事」と表現し「『仕事』(8月21~25日)をちゃんと覚えておこう」と書いていた。ただただこの男の異常な心に戦慄さえ覚える。被害者の女性はどんなに絶望し恐怖の中で死んでいったことか。何回死刑にしても飽き足らないくらいの野獣だ。

 また、「自首」したからと言って量刑について考慮される可能性があるのもおかしなことだと思う。今回の事件で無期懲役を言い渡された男の自首した理由は、「死刑になりたくなかったから」とのことで、犯したことに対する反省はないようだ。実際、判決後に「被害者は運が悪かっただけ。今でも悪いことは、ばれなきゃいいという気持ちは変わらない。生かしてもらえてよかった。ありがたい」と被害者や遺族を馬鹿にするようなコメントをした。このような人間はやはり死刑にすべきだったと思う。

 この男に対する判決について、被害者の母親は納得せず、検察が控訴をすることを望んでいるようだが、被告達が控訴したことで裁判は高裁に移って続けられることになった。できたらこの無期懲役の男も含めて納得できる結果になるように願っている。

 死刑反対論者が何と言おうと、私はこのような悪逆非道な犯罪に対しては死刑しかあり得ないと思っている。


反中国本

2009-03-18 10:06:21 | 中国のこと
 中国嫌いの日本人が増えているらしい。食の安全問題も絡んで中国に嫌悪感を持つようになった人も多いのだろうが、マスメディアの「役割」も少なくないように思われる。

 時々行く書店の本棚に、ジャンル別に本が並べられ、その中に「中国」があったので覗いてみた。数はあまり多くないが、それがほとんど反中国、嫌中国感情を煽るものなのに驚いた。日本人はもちろん台湾人や大陸出身者の著書もある。


 いくつか題を拾い上げてみると、『世界が仰天する中国人の野蛮』、『日本人よ、やはり中国は危ない』、『中国がうまくいくはずがない30の理由』、『中国の崩壊が始まった』、『中国がたくらむ台湾・沖縄侵攻と日本支配』、『中国が目論む世界支配の正体』、『中国大虐殺史 なぜ中国人は人殺しが好きなのか』などなど、これでもかという感じである。右派言論人として著名な女性の本ももちろんあり、『異形の大国 中国 彼らに心を許してはならない』だ。

 中国関係書と言えばいろいろあるだろうし、現に私はかなり持っている。それなのにこの程度の、しかも偏ったものを並べるのは、この書店の方針なのか、選択力の貧しさなのか。

 このような著書が、どのような資料に基づいて書かれているのかは知らない。彼らなりに何か危機感のようなものを感じているのかも知れないが、これほどまでに中国を貶め、反中国、嫌中国感情をかきたてようと煽る目的は何なのか。わが国としては本来は無視できない一衣帯水の国のはずだ。付き合いの歴史も長い。しかし、これらの著者にとって日中友好などは歯牙にもかからない瑣末な問題なのだろうか。

 これらの本がどれほど売れているのか、少なくともこの書店では、この1月ほどは時々覗いてみるがまったく売れている様子はない。しかし全国的には一定の読者を得ていることはあるだろう。元からの中国嫌いの者は我が意を得たりと思うのだろうし、そうだったのか、やはり中国は嫌だと思う者もあるだろう。

 中国と仲良くしてはいけないのか。浅はかなのか。中国、中国人に心を許しては取って食われてしまうのか。私は今の中国には人権問題や、はなはだしい貧富の格差、役人の腐敗など、近代的な大国となるために克服してほしいことは多いと思う。しかし、過去に中国に対して行ってきたことには口を拭い、日本にもさまざま問題があるのにそれには目を逸らし、中国に対して居丈高に高所から見下すような視線は持ちたくない。

 この10年ほどの間に増えた中国の若い友人達と彼らとの心温まる交流を思うにつけ、やはり日本と中国とは信頼関係を根気よく築いていかなければならないと強く思う。反感や憎しみ、嫌悪を克服していかなければ、真の友好は生まれない。中国や中国人の「真の姿」、「本質」に精通しているかのように反中国、嫌中国的言辞を得々と振りまく一部の「言論人」が疎ましい。




失言癖

2009-03-17 09:27:03 | 身辺雑記
 自民党の総務会長が、大分市での党県連の講演で、「学校の先生で、うつ病で休業している人が多い。国会議員では1人もいませんよ。気が弱かったら勤まりませんから」と発言したそうだ。「知識と知恵が両方ないと、苦しい時に我慢できない。ばたっと突き当たるともう駄目になっちゃう」と言って、うつ病発言を続けたようだ。

 教師の状況についても、うつ病についても無理解な粗雑な発言だ。知識と知恵の両方がなく、気の弱い教師はうつ病になるとでも言うのか。近頃なぜ教師のうつ病が増加しているのか、その原因を分析した上での発言か。気が弱いことがうつ病の原因とでも言いたいのか。それが当人にとってはどれほど辛い状態なのかを想像もできないようだ。国会議員には1人もいないと言うが、議員は強い意思を持った優れた資質の人間とでも言いたいのかも知れないが、重要な国際会議の後での記者会見で、泥酔状態と見まがうような醜態を晒しても、なお議員職を辞そうともしない厚顔無恥なのがタフとでも言うのだろうか。また行き詰って総理の席を突然投げ出すような行為はどう説明できるのか。なるほど議員はうつ病とは無関係のはずだと言いたくなる。

 この御仁には失言癖があると言うか、軽率と言うか、これまでにも何度も問題発言をして話題になり、批判もされてきた。昨年9月には米下院の緊急経済安定化法案否決に関して、「下院議長は女性で、男性とはリードがひと味違う感じがする。それで破裂した」と言って、あたかも女性議長だったことが否決の一因との認識を強調し、女性蔑視ではないかと批判された。また、3月には「国会議員もどんどん女性が出て来ると、いいんだけどね。やっぱり、ちょっとあまり上品ではないと思います」。自分も含めて男の議員は上品なのか。あの議場での騒がしい野次は何か。昨年12月には自民党島根県連パーティーで、「小渕優子大臣は少子化担当大臣。なぜなれたか。子供を産んだからだ」と発言し、さらに「人口というのは努力しなきゃ増えない。近ごろの若い人はどうも努力が足らん。辛抱が足らない」とも言ったが、よく分からない発言だ。

 2月には自民党参院議員のパーティーの席上で「森内閣で閣僚に任命されて嬉しかったが、運悪く潜水艦が日本の生徒を乗せた船の上にドーンと上がって、やむなく沈没しました」と発言した。森内閣の退陣を、宇和島水産高校生ら9人が犠牲になった米原潜による実習船えひめ丸の事故に例えたとも受け取れる発言と言われている。昨年の2月には海上自衛隊のイージス艦衝突事故で行方不明中となった漁船乗組員2人の捜索が行われている最中に、「残念ながら、もう恐らく生存している可能性はありません。なぜないかと言えば、救命胴衣を着けていないから」と、家族の心情を逆なでするような発言もあった。

 政治家の言葉の軽さは今に始まったことではなく、とりわけ古手の政治家で、党内でそれなりの地位にある者の中には、えてして言葉が軽い者があるようだ。同じ党の議員達の集まりとか、県連の会合とか、後援会の場とかの、いわば身内だけの場では気が緩むのか、とくに迂闊なこと、それも口からでまかせの、自らの無知をさらけ出すようなことを言う。どうも若いうちからちやほやされて自大になるのではないか。

 どのような場であれ政治家であるならば、発言には十二分に配慮し、質の高いスピーチをするように心がけるべきだ。しかし今時の多くの政治家に、本来の政治家としてあるべき資質や品格を求めるのは、しょせん無い物ねだりかも知れない。





軍艦マーチ

2009-03-16 09:00:50 | 身辺雑記
 アフリカ・ソマリア沖に出没する海賊対策のために、2隻の海上自衛隊の護衛艦が現地に向けて広島の呉基地を出航した。自衛隊法に基づく海上警備行動での派遣命令を受けてのことだ。国会承認は受けていないので、新法を成立させての事後承認になるということで、批判もある。

 出港準備の様子をテレビで見た。慌しい中で「軍艦マーチ」が演奏されているのが聞こえた。前にも海上自衛隊の出航を報じるテレビ番組でも聞こえていた記憶がある。軍艦マーチは正式には軍艦行進曲と言うが、私のような戦争末期に少年時代を送った者にはある種の「懐かしさ」と、それが今の自衛隊で演奏されていることへの違和感とが交錯する曲だ。曲としては優れたものなのかどうかはわからないが、勇壮なこともあって、戦争中には人気があった。

 明治30年(1897年)に「此の城」、後に「軍艦」という歌詞が作られ、明治33年(1900年)に曲が付けられて「軍艦行進曲」として誕生し、旧大日本帝国海軍の公式行進曲となった。敗戦で使われなくなったが、海上自衛隊創設を機にその公式の儀礼曲となり、進水式などで演奏されるようになった。太平洋戦争中には盛んに演奏されたから、当時小学生だった私も繰り返し耳にして覚えてしまい、よく歌っていた。歌詞は2番あり、その1番は次のようなものだ。

  守るも攻むるも黒鉄(くろがね)の
  浮べる城ぞ頼みなる
  浮べるその城 日の本の
  皇国(みくに)の四方(よも)を守るべし

  真鉄(まがね)のその船 日の本に
  仇なす国を攻めよかし

 これには短い前奏部があって、私たちは歌うときには「タン・タン・タタタタ・タタタタ・ターン」と口ずさんでから「守るも攻むるも黒鉄の・・・」に入った。2番は「石炭(いわき)の煙は大洋(わだつみ)の龍(たつ)かとばかり靡(なび)くなり」と、小学生にはいささか難しかったこともあってうろ覚えで、あまり歌った記憶がない。「龍かとばかり靡くなり」などは「立つかとばかり」だとずっと思っていた。

 「守るも攻むる」とか、「日の本に仇なす国を攻めよかし」などという歌詞だから、今の「自衛」隊にはふさわしいものとは思われない。いや、歌詞はもうお蔵入りして使うものではないと言うことなのだろうが、歌曲のメロディーは歌詞があって記憶されるもので、歌詞とメロディーは表裏一体のものだ。だから軍国少年として育った私などは、この曲を聞くと反射的に「仇なす国を攻めよかし」と口ずさんでしまう。やはり旧帝国海軍の公式曲をそのまま引き継いだのは安易だったように思う。もっとも戦後になってどういうわけかは不明だが、この曲はパチンコ店で盛んに聞かれるようになった。弾丸を撃つ(玉を打つ)ということなのか。だから、戦中のことを知らない世代の中には、なぜパチンコ屋の曲が海上自衛隊の公式の場で演奏されるのかといぶかる向きもあったかも知れない。

 ついでに、海上自衛艦旗も旧帝国海軍の軍艦旗とまったく同じデザインの十六条旭日旗だ。軍艦マーチと十六条旭日旗、何やら複雑な気持ちになる。

 





おから脳人種

2009-03-15 09:38:47 | 身辺雑記
 東京港区のあるマンションの下を41歳の男性が3歳の息子を連れて通りかかったら、上から大量の水が降ってきた。目撃者があって、このマンションの11階に住む24歳の無職の男とその友人の25歳の会社員が暴行容疑で逮捕された。

 この男達は自宅のベランダから大型バケツで数十リットルの水を、親子に向かって浴びせかけた。地面からベランダまでは30メートルあったから、かなりの加速度もついていただろうが、幸い親子には怪我はなかった。テレビでは被害者の男性は落ち着いた声ではあったが「頭にきますね」と言っていたが当然だろう。

 このマンションではこれまでにも何回か水が降ってきたが、今年2月以降に友人の男が主に週末に訪れて、2人で水掛行為を繰り返していたらしい。警察では「悪ふざけでやった。反省している」と言ったそうだが、20歳も半ばになり、分別もあるはずの年齢なのに、何というバカな奴らだろう。幼稚極まりなく、程度が低すぎる。頭の中にはおからのようなスカスカの脳しかないのではないかとさえ思ってしまう。いったいこれまでどのような生活環境で育ってきたのか。

 悪質な行為だが、怪我人も出ていないから、叱りおく程度で放免されるのではないか。このような程度の低い反社会的行為に対しては、期間を限った社会奉仕をさせて償わせるような法律があればいいのにと思う。

爆弾製造

2009-03-14 11:21:15 | 身辺雑記
 先月のことになるが、北海道立高校1年の16歳の少年が、爆弾を自作して同級生を殺害しようとしたとして殺人予備容疑で逮捕された。インターネットで爆弾の製造方法を知り、ネットを通じて材料を購入し、自宅の自分の部屋で製造していた。

 この高校生は、同級生の携帯電話に「オレをバカにしてきたやつを消す」などと書き込んだメールを送っていたとして脅迫容疑で逮捕された。その際の家宅捜査で有機過酸化物爆薬や黒色火薬などを製造するのに必要な過酸化水素水や木炭、すり鉢など約50点が発見された。実際に加工段階だったという。有機過酸化物爆薬はアセトンや過酸化水素水、塩酸、硫酸など比較的日常的で、入手しやすい材料から作ることができるそうで、テロにも使われるほどその威力は大きく、この少年が製造していたものも、完成していたら、住宅1棟を破壊するほどの威力があるということだ。

 少年は精神的に不安定な状態だったらしく、家庭や学校でも注意はしていたようだが、同級生に対してはかなり歪んだ感情を抱いていたようで、取調べに対して「自分は強くて偉いのに、同級生に対等に話しかけられ、見返したかった。3月の春休みまでに爆弾を作り、教室で実行するつもりだった」と言ったという。この年齢にありがちな、自己中心的、自己肥大的な考えなのだろうが、いったいどのように育ってきたのかと考えてしまう。

 それにしてもインターネットで爆弾の製法を知ることができたり、材料を入手できるとは物騒なことだ。私はトイレの清掃に塩酸を使おうと思って薬局に注文したが売れないということだった。ネットでは簡単に入手できるのか。爆弾の製造法などどんな人間が、何の目的でネットに載せたりするのだろう。有害としか思えないが、こういうものでも表現の自由とやらで規制できないのだろう。実際にこの少年が実行していたらと思うと寒気がする。

 ドイツでは17歳の少年が自宅にあった親の銃を持ち出して、母校の中学校に侵入し生徒や教師ら15人を射殺した。警官と銃撃戦の末自殺したから動機などは不明だが、家庭は裕福で、在学中は静かで目立たない生徒だったという。ドイツでは銃規制が厳しいようだが、それでもこんなことが起こる。まして米国では野放し同然だから、これまでにもコロンバイン高校事件のような大量射殺事件が起こっている。日本でも銃規制が緩やかだったら、爆弾をつくるよりも手っ取り早いから、同じような事件が起こることは考えられる。

 爆弾を製造しようとした少年も、決して突出した異常な性格ではなかったと思う。そのような「普通の子」が世間を驚かすような行動をすることは、いったいどういうことなのか。やはり考えさせられてしまう。

心ない言葉

2009-03-13 11:13:54 | 身辺雑記
 鳥取県米子市内で、3人の警官が自転車の2人乗りをしている男子高校生を職務質問した。高校生の1人が黒い頭巾をかぶっているのを見て、1人の警官が「その変な格好したやつ、止まれ。おまえはタリバンか。自転車は誰のものか」と強い口調で問い、頭巾を取るよう求めた。昨年の10月のことだ。

 この高校生はポルフィリン症という、日光を浴びると皮膚が腫れたりする疾患があり、外出するときには、日光を避けるために頭巾を着用しなければならなかった。高校生はその場で自分の病気のことを話したので頭巾を取らないですんだ。翌日、生徒と母親が米子署を訪れて抗議し、署長らが謝罪したが、県議会でも取り上げられて、県警本部長が「不適切だった」と謝罪した。この高校生の兄も同じポルフィリン症患者だが、病気への理解と難病指定を求める署名への支援を求めて鳥取県知事と面会し、「病気への理解がなかったことが原因。多くの人に知ってもらいたい」と話した。知事も知事会で取り上げ、難病指定に向け国に要望するという。

 ポルフィリン症は赤血球に含まれるヘモグロビンを構成するヘムの合成経路に異常があり、ポルフィリンという物質が生じて、これが紫外線を浴びると光毒性反応を起こして皮膚障害を生じる疾患だそうだ。だから外に出るときは日光を遮蔽するために黒い頭巾を着用しなければならない。写真を見るとその姿は確かに異様に映るだけに、患者本人の精神的苦痛は大きいだろうし、家族の苦労も思いやられる。この兄弟はかつて山陰放送で取り上げられたことがあり、そのインタビュー記事を読むとそのことがよく分かる。国内には60人しか患者がいない稀有の難病で、時には死に至る病のようだ。(http://www.tbs.co.jp/houtoku/onair/20080106_1_1.html)



 自転車の2人乗りをしていて、そのうちの1人が見慣れない格好をしていたら、警官の職務として呼び止め、質問をすることはあるだろう。そのこと自体は問題はない。しかし、「その変な格好したやつ、おまえはタリバンか」とは乱暴な言い方だ。まず2人乗りを咎めて、それからなぜそのような服装をしているのかを問えばすむことだ。根本に見慣れない様子の人を見れば犯罪者ではないかと疑う誤った考え方があるのではないか。たとえ高校生であっても市民だ。市民に奉仕するという公務員としての心得をおろそかにしているから、この様な心ない言葉が出るのだと思う。

 




3度の食事

2009-03-12 10:24:39 | 身辺雑記
 気ままな独居生活で、雑然と取り散らかした家で気楽に日を送っていて、さしたるストレスもないが、食事のことには悩むことはよくある。

 3度の食事と言っても、宵っ張りの朝寝坊だから朝起きても食欲はなく、小瓶の牛乳で済ませているので事実上は2食だ。朝はしっかり食べなければと言われているが、老人問題でよく知られている長寿の医師は、クッキーを少しの朝食のようだ。それを真似ているのでなく、トーストしたパンに目玉焼き卵、それに野菜ジュースなどとイメージはしても、そんな簡単なものでも準備するのが億劫なのだ。まあ、この年になれば食べなくてもいいだろうと勝手に決め込んでいる。

 昼前後に街に出ることが多いから、昼食を外でとることはかなりある。しかし近辺には店は限られているから、店を選ぶにしても思案する。それに普通の店では何かしら慌しい雰囲気だから、そそくさと食べて出てきてしまう。それが好きでないものだから、時折は私鉄のターミナル駅のすぐそばにあるホテルのレストランに行く。ホテルのレストランと言っても高級なものではなく、メニュー内容も普通だが、明るい雰囲気が好きで、ウエイターの何人かとは顔馴染になり気楽な場所になっている。昼時に行くと130ほどある席は満員で、結構人気があるらしい。いつ行っても圧倒的に女性が多く、時には男は私1人ということもある。たいていはいわゆるアラフォー世代以上で、ご亭主は社員食堂か、定食で済ませているかも知れないのに女性はいいねなどと思ったりする。普通の店と違ってせかされるような気持ちになることはなく、食後にコーヒーをお代わりしながらゆっくり本を読んだりできるのがよい。

 いつも午後3時ごろになると、今夜は何にしようかと考えるのが習性のようになっている。妻は料理上手で、さまざまな料理を作ってくれたが、改めてたいしたものだったなと思う。私などは1品を思いつくまでにあれこれ悩む。料理すると言っても、できることは知れたもので、手の込んだものなどつくりはしない。時には既製品で済ますこともある。だいたい1人分つくるのには材料が無駄になることが多く、無駄にするまいと思えば同じものを2、3日続けなくてはならないから困る。それでも時々は、うん、これは美味いと自賛するものができることもあるが、しょせん孤食だから侘しいことこの上ない。