令和1(受)1287 損害賠償請求事件
令和3年4月26日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 福岡高等裁判所
乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しHBe抗原陽性慢性肝炎の発症,鎮静化の後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害につき,HBe抗原陽性慢性肝炎の発症の時ではなく,HBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例
この裁判は前回の記事の事件の続きのようです。
前記事は救済法の対象にしろという要求で、今回は国家賠償の件です。国家賠償といっても賠償金たっぷりとるというのではなく、事実上国家に過ちを認めろという意味付けになります。
事実前提として、B型肝炎は裁判所がつらつら書いているものより、国立感染症のHPの方が分かりやすいのでこちらを参照してください。
要するに、B型肝炎ウィルスが体内に入ってもすぐには発症せず、十数年後に兆候が出たり、また引っ込んだりし、30年ぐらいたってから急に悪化し、肝がんになることもあるというものです。
ア 上告人Aは,昭和33年4月生まれで,昭和34年9月に集団接種を受けた。昭和62年12月,HBe抗原陽性慢性肝炎を発症、平成19年12月頃,ALT値が再び高値を示し,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症した。
イ イ 上告人Bは,昭和27年9月生まれで,昭和34年9月までに受けた集団予防接種等によってHBVに感染し,平成3年1月,HBe抗原陽性慢性肝炎を発症し,平成16年3月頃以降,ALT値が再び高値を示し,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症した。
今の知識通りですね。
3 原審は,上記事実関係の下において,被上告人には,上告人らに対する集団予防接種等の実施に当たり,HBV感染を未然に防止すべき義務を怠った過失があるとした上で,要旨次のとおり判断し,上告人らの損害賠償請求権は除斥期間の経過により消滅したとして,上告人らの請求を棄却した。
前回の記事の通りですね。
(1) 民法724条後段所定の除斥期間の起算点は,「不法行為の時」と規定されており,加害行為が行われた時に損害が発生する不法行為の場合には,加害行為の時がその起算点となると考えられる。しかし,身体に蓄積する物質が原因で人の健康が害されることによる損害や,一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる疾病による損害のように,当該不法行為により発生する損害の性質上,加害行為が終了してから相当期間が経過した後に損害が発生する場合には,当該損害の全部又は一部が発生した時が除斥期間の起算点となると解すべきである
この赤の部分は画期的な判断でした。
裁判官三浦守の補足意見
特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(以下「特措法」という。)との関係等について付言する。
集団予防接種等の際の注射器の連続使用により,多数の者にHBVの感染被害が生じたことについては,その感染被害の迅速かつ全体的な解決を図るため,特措法の定める枠組みに従って,特定B型肝炎ウイルス感染者給付金(以下「給付金」という。)等を支給する措置が講じられている。
極めて長期にわたる感染被害の実情に鑑みると,上告人らと同様の状況にある特定B型肝炎ウイルス感染者の問題も含め,迅速かつ全体的な解決を図るため,国において,関係者と必要な協議を行うなどして,感染被害者等の救済に当たる国の責務が適切に果たされることを期待するものである。
は?ただの感想かよ!一言言いたいだけなら黙ってろ。
それよりも、いつワクチン接種によってB型肝炎が感染することが分かったのか、そこを全く議論しないのですか?!HIVのときもそうでしたよね。そっちの追及の方が重要でしょう。厚生労働省の不作為を追及をしないというのは理解できません。
裁判官全員一致
裁判長裁判官 三浦 守 わけ分からん
裁判官 菅野博之
裁判官 草野耕一
裁判官 岡村和美
判決そのものは妥当と思いますが、あまりにもやるべきことをやってない感をぬぐえません。
令和3年4月26日 最高裁判所第二小法廷 判決 破棄差戻 福岡高等裁判所
乳幼児期に受けた集団予防接種等によってB型肝炎ウイルスに感染しHBe抗原陽性慢性肝炎の発症,鎮静化の後にHBe抗原陰性慢性肝炎を発症したことによる損害につき,HBe抗原陽性慢性肝炎の発症の時ではなく,HBe抗原陰性慢性肝炎の発症の時が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段所定の除斥期間の起算点となるとされた事例
この裁判は前回の記事の事件の続きのようです。
前記事は救済法の対象にしろという要求で、今回は国家賠償の件です。国家賠償といっても賠償金たっぷりとるというのではなく、事実上国家に過ちを認めろという意味付けになります。
事実前提として、B型肝炎は裁判所がつらつら書いているものより、国立感染症のHPの方が分かりやすいのでこちらを参照してください。
要するに、B型肝炎ウィルスが体内に入ってもすぐには発症せず、十数年後に兆候が出たり、また引っ込んだりし、30年ぐらいたってから急に悪化し、肝がんになることもあるというものです。
ア 上告人Aは,昭和33年4月生まれで,昭和34年9月に集団接種を受けた。昭和62年12月,HBe抗原陽性慢性肝炎を発症、平成19年12月頃,ALT値が再び高値を示し,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症した。
イ イ 上告人Bは,昭和27年9月生まれで,昭和34年9月までに受けた集団予防接種等によってHBVに感染し,平成3年1月,HBe抗原陽性慢性肝炎を発症し,平成16年3月頃以降,ALT値が再び高値を示し,HBe抗原陰性慢性肝炎を発症した。
今の知識通りですね。
3 原審は,上記事実関係の下において,被上告人には,上告人らに対する集団予防接種等の実施に当たり,HBV感染を未然に防止すべき義務を怠った過失があるとした上で,要旨次のとおり判断し,上告人らの損害賠償請求権は除斥期間の経過により消滅したとして,上告人らの請求を棄却した。
前回の記事の通りですね。
(1) 民法724条後段所定の除斥期間の起算点は,「不法行為の時」と規定されており,加害行為が行われた時に損害が発生する不法行為の場合には,加害行為の時がその起算点となると考えられる。しかし,身体に蓄積する物質が原因で人の健康が害されることによる損害や,一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる疾病による損害のように,当該不法行為により発生する損害の性質上,加害行為が終了してから相当期間が経過した後に損害が発生する場合には,当該損害の全部又は一部が発生した時が除斥期間の起算点となると解すべきである
この赤の部分は画期的な判断でした。
裁判官三浦守の補足意見
特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法(以下「特措法」という。)との関係等について付言する。
集団予防接種等の際の注射器の連続使用により,多数の者にHBVの感染被害が生じたことについては,その感染被害の迅速かつ全体的な解決を図るため,特措法の定める枠組みに従って,特定B型肝炎ウイルス感染者給付金(以下「給付金」という。)等を支給する措置が講じられている。
極めて長期にわたる感染被害の実情に鑑みると,上告人らと同様の状況にある特定B型肝炎ウイルス感染者の問題も含め,迅速かつ全体的な解決を図るため,国において,関係者と必要な協議を行うなどして,感染被害者等の救済に当たる国の責務が適切に果たされることを期待するものである。
は?ただの感想かよ!一言言いたいだけなら黙ってろ。
それよりも、いつワクチン接種によってB型肝炎が感染することが分かったのか、そこを全く議論しないのですか?!HIVのときもそうでしたよね。そっちの追及の方が重要でしょう。厚生労働省の不作為を追及をしないというのは理解できません。
裁判官全員一致
裁判長裁判官 三浦 守 わけ分からん
裁判官 菅野博之
裁判官 草野耕一
裁判官 岡村和美
判決そのものは妥当と思いますが、あまりにもやるべきことをやってない感をぬぐえません。