最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

株主総会通知で合併反対の意思表示は、反対表明になる。

2024-02-15 11:53:15 | 日記
令和4(許)11  株式買取価格決定申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
令和5年10月26日  最高裁判所第一小法廷  決定  破棄自判  名古屋高等裁判所

吸収合併消滅株式会社の株主が吸収合併をするための株主総会に先立って当該吸収合併に反対する旨の議決権の代理行使を第三者に委任することを内容とする委任状を上記会社に送付した場合において、次の⑴及び⑵の事実関係の下では、上記株主が上記会社に対して上記委任状を送付したことは、会社法785条2項1号イにいう、吸収合併等をするための株主総会に先立って消滅株式会社等に対してされる当該吸収合併等に反対する旨の通知に当たる。
⑴ 上記吸収合併消滅株式会社は、上記株主に対し、宛先を自社とし、「賛」又は「否」のいずれかに〇印を付けて吸収合併契約の承認に係る議案に対する賛否を記載する欄を設けた委任状用紙を送付して、議決権の代理行使を勧誘した。
⑵ 上記株主は、上記勧誘に応じて、上記欄の「否」に〇印を付けて上記委任状を作成し、これを上記吸収合併消滅株式会社に対して返送した。


マスコミでは取り上げられていないので事実確認から見ていきます。

1 利害関係参加人を吸収合併存続株式会社、スジャータ社を吸収合併消滅株式会社とする吸収合併についての会社法785条2項所定の株主であるとして、スジャータ社に対し、抗告人の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求した

抗告人=Aさんは、スジャータの吸収合併に対して反対をしていたようですが、株主総会で吸収合併が決まってしまったので、持っていた株を買い取れと請求しました。

その価格の決定につき協議が調わないため、同法786条2項に基づき、価格の決定の申立てをした。

当初の提案の株価では嫌だとなったようです。

(1)スジャータ社は、令和2年10月15日、利害関係参加人との間で、効力発生日を同年12月1日として本件吸収合併をする旨の吸収合併契約をした。

会社の重要な案件なのに、株主総会にかけずに勝手に話を進めていくケースが結構あります。某牛丼屋で生娘をしゃぶ漬けにすると言った馬鹿丸出しの取締役がいましたが、解任案件も本来は株主総会で決める案件なんですけどね。

(2)スジャータ社の代表取締役は、同月9日、スジャータ社の株式7950株を有する抗告人に対し、本件総会の招集通知を発するとともに、本件総会に抗告人自身が出席しない場合には、上記招集通知に同封された委任状用紙(令和4年(許)第11号 株式買取価格決定申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件令和5年10月26日 第一小法廷決定)に本件議案に対する賛否を記載するなどして委任状を作成し、これを返送するよう議決権の代理行使を勧誘した。

後出しで株主総会にかけたわけですね。

(3)本件賛否欄の「否」に〇印を付け、その欄外に「合併契約の内容や主旨が不明の上、数日前の通知であり賛否表明ができません」との付記(をするなどして原々決定別紙のとおりの委任状(以下「本件委任状」という。)を作成し、これをスジャータ社に対して返送した。

反対の意思を表明して手続きを取ったわけです。

(4)令和2年11月13日、本件総会において本件合併契約を承認する旨の決議がされたところ、上記決議が行われるに当たり、本件代表取締役は抗告人の代理人として本件議案に反対する旨の議決権の行使をした。

代取をだ自動的に代理人にしたのはまずかったですね。

(5)抗告人は、令和2年11月30日までに、スジャータ社に対し、抗告人の有する全株式を公正な価格で買い取ることを請求した。

結局株主総会で決議されてしまったので、持っている株を買い取れと要求しました。

(6)令和2年12月1日、本件吸収合併の効力が発生し、スジャータ社は利害関係参加人に吸収合併された。
(7)抗告人は、令和3年1月20日、本件申立てをした。
(8)抗告人は、抗告人がスジャータ社に対して本件委任状を送付したことは、会社法785条2項1号イにいう、吸収合併等をするための株主総会に先立って消滅株式会社等に対してされる当該吸収合併等に反対する旨の通知に当たるから、抗告人は反対株主であり、本件申立ては適法であると主張している。/span>

手続きはちゃんとやられてますよね。ですが、原審はそれはおかしい反対手続きになっていないとしたようです。これについて最高裁は、

会社法785条1項、2項1号イは、吸収合併等をするための株主総会において議決権を行使することができる株主が反対株主として株式買取請求をするためには、上記株主総会に先立って当該株主が反対通知をすることを要する旨規定している。・・・本件賛否欄には「否」に〇印が付けられていたのであるから、本件吸収合併に反対する旨の抗告人の意思が本件委任状に表明されていたことは明らかである。したがって、抗告人がスジャータ社に対して本件委任状を送付したことは、反対通知に当たると解するのが相当である。


第一小法廷全員一致の意見
裁判長裁判官 深山卓也
裁判官 山口 厚
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶
裁判官 堺 徹

原審がなぜ却下しようとしたのか、ようわかりません。当然すぎる判決です。