癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

燈明岳への道発見

2015年06月01日 | 登山・旅行

 知内町には燈明岳が2つある。一つは今日道を見つけて登った知内山地の燈明岳(上掲画像)、もう一つは向かい側の七ッ岳山塊の燈明岳である。 

<知内山地の燈明岳の由来と言い伝え>
 今日、偶然道を見つけて登ることができた知内山地の燈明岳は、もともと神馬岳と呼ばれていたが、いつのまにか燈明岳という名前になったそうだ。というのも、この山は江戸時代のころからしばしば中腹に火がともることがあったからだという。目撃した人の話によれば、それは火の玉や人魂のような感じではなく、またキツネの嫁入りのようにポツポツと灯るようなものでもないそうだ。

 この謎の火が目撃された年の知内では不漁が続いたり日照りが続いて不作になったり、山火事に見舞われたりでとにかく凶事が起こった。しかし今でもそれが灯ることがあるかと聞けば、明治の終わりごろ、青森から「この土地に火が灯る山があるから、その山に祠を建てよ」との神託があった黒住教の分教師:田高(たこう)チヨが知内に移り住み神託の通り、神馬岳に登って祠を建てたところ火はそれ以来灯ることはなくなったそうだ。

 ちなみにこのチヨという分教師は目が悪かったが、この祠を建ててから目が見えるようになり、他の盲者たちもこの祠にお参りすると不思議なことに目がよくなったそうだ。今でも、この祠は燈明岳の頂上にあるという。
 この祠は、自分も冬に登った時に目にしている。
 
 さて、この燈明岳も頂上へ続く道はないとされ、自分もそうだが、冬に登られることが多い山だった。しかし、一昨日、奥丸山からこの燈明岳へ続く尾根に稜線からの刈分け道が続いていたことを確認してきた。であれば、燈明岳からも下に道があるはずと、今日その探索に出掛けた。

 地元の人に聞いたら、「昔、東莱の方から頂上にある祠にお参りするために登ったと聞いている。しかし、道は分からない」とのことだった。

 そこで、国道の上東莱橋の50mほど手前から中東莱川沿いの道へ入り、その先に続く林道を進んだ。

4.7kmほど進んだらゲートがあり、「東莱出石線林道」の標識があった。
その位置は、燈明岳まで直線距離で1kmほどの西側だった。
その手前に車を置いて、地形図にも載っている「東莱出石線林道」を進んでみた。
5分ほどで3叉路にぶつかるが、そこは右の「東莱出石線林道」を進んだ。


さらに5分ほどで、燈明岳方向の左側へ入る作業道を発見。ミズナラの幹に赤テープがぶら下がっていた。
ダメもとでその道へ入ってみた。昔から歩きこまれている感じの広い作業道で、踏み跡もしっかりしていた。
その道は、燈明岳の北側を巻いて東側へと続いていた。どこへ続くかを知りたくて、どんどん進んだ。
頂上へ続く道があるとすれば、冬に登った北東尾根だろうと思ったからだ。


案の定、その北東尾根にぶつかったところで、赤テープが巻かれた木があり、上下に続く道があった。


上へ続く道は明らかに頂上へ向かっている。幅広い道で踏み跡もしっかりしている。確信を持って登って行く。


北東尾根分岐から15分ほどで祠と三等三角点(点名・神馬岳)に迎えられて頂上へ到着。
スタートしてからわずか50分だった。
一昨日確認した奥丸山から続いているはずの刈払い道も、やや夏草に覆われてはいたが確認できた。
時間もあるので、奥丸山まで登って確かめれば良かったのだが、次の楽しみに取っておきたい。


祠の中には祭壇が祀られていた。供え物はなかったが、朽ちた感じでない。


頂上からは、知内平野とその向こうに木古内市街地と当別丸山、その向こうに駒ヶ岳と横津岳まで見えた。


GPSトラックログ。緑線は舗装道路と林道。赤線は歩いた部分

 下山は、わずか40分だった。あちこちウロウロすることもなく、偶然とはいえ意外にあっさりと登山ルートを見つけて大満足で下山した。

 非常に目立つ山でもあるし、現実的な言い伝えのある山だけに、多くの人に登ってもらいたいものだ。
 次の楽しみは、岩部岳からの縦走である。帰りに、知内こもれび温泉へ寄ったら、休館日だったので、函館まで来て花の湯に入った。

詳しいルートの説明は下記でどうぞ!
http://sakag.web.fc2.com (アップ完了)

○この前に登った小谷石の尖山(360.7m)
 2011年9月に初めて登った時に、310ポコで実を付けたヤマシャクヤクの大群落を見つけたので、その花を見たくて再訪した。ところが、いくら探しても一株も見当たらなかった。わずか4年で消滅したのだろうか?鹿の姿を目にしたので、鹿にでも喰われてしまったのだろうか?


頂上標識が新しくなっていた


下山途中に見つけたクリンソウの群生

詳しい山行記録やコースの説明は、下記の記録(2011年9月23日)でどうぞ!
http://sakag.web.fc2.com/togariyama.htm

○新しく建て替えられた矢越山荘

知内丸山の登山口に建つ新装された矢越山荘

 昨年から建て替えが始まり、今年の5月23日にオープンセレモニーが行われたばかり。外にはベンチや机があるベランダがあり、中を覗いたら、管理人室と調理場と広い部屋ができていた。玄関の上には、旧矢越小学校の校章が付けられていた。