ずいぶん長い間通わせて貰っているセゾン文化財団さん運営の稽古場である。今回は最後の二週間、一番広い稽古場Cをお借りしている。ここは公演もできる広いスペースだ。広いということじたいの贅沢がある。ありがたいことだ。『戦争と市民』、台本が上がって駆け足の稽古となっているが、この広さに助けられている面も大きい。
台本を書くとき情報量が多いとたいへんである。今回はとくにそうであった。たんに情報が多いのではなく、それぞれの情報の多義的な方向性をなるべく狭めず開いた形でのみこもうとすると、ハードなのである。今回は、選挙の事も空襲の事も、知らないものは知らないのであるから、遠回りに思えても、向き合うしかなかったのである。