Blog of SAKATE

“燐光群”主宰・坂手洋二が150字ブログを始めました。

本年はありがとうございました

2013-12-31 | Weblog
新作のためのオーディションも、某市のとんぼがえりボランティア仕事も、劇作家大会への打ち合わせ・調整も、その他の各種団体の会議も、とにかく今年ぶんは終えた。自分でできる仕事も雑務はまだごっそり残っているが。

年末に観たり聴いたりできたのは、ごく僅かである。

ドリアン助川、大島葉子、月乃光司らによる[アルルカン・ヴォイス・シアター 『フォト・スラム』]、「フォト・スラム」とは、「写真つき朗読」という意味のようである。
明川哲也名でも活動する「叫ぶ詩人の会」ドリアン助川氏は、早稲田で芝居をしていたのである。大島葉子・明川哲也のお二人は映画『朱花の月』(河瀬直美監督)でも共演している。この映画はカンヌ映画祭に出たので今回の宣伝文句として大島さんに「カンヌ女優」とついているが、そういう意味では明川哲也も「カンヌ男優」ではないか。
「朗読」は「リーディング」よりもハードルが高いような気がする。「リーディング」は、間口を広げて「こういう人もいるかもしれない」という着地点も考えられるが、「朗読」は、語り手が「わかっていて、やっている」、確信犯であることが要求されるからだ。
一部に「最後の映画女優」と言われている大島さんは、バンド活動もやっていただけあって美声である。舞台でも観たい。

谷賢一君のDULL-COLORED POP『アクアリウム』、シアター風姿花伝には初めて行った。クリスマスイヴに観る芝居であったが、劇中でも終演後にもクリスマスパーティーが行われていた。この公演は私の親しい人たちも含めて迎える態勢があって、来年三月に岡山公演がある。
芝居の内容もそうなのであるが、谷君たちは「キレる十四歳」世代ということなのだが、私だって「危ない」と言われた「M世代」なのである。私は世代論をあまり信じていない。
『カウラの班長会議』に出てくれた東谷英人はあの時はしっかりと「若者」だったが、この座組では「おじさん」的な頼られる立場になっているのだった。

劇団の恒例、稽古場忘年会。
この日は各所で忘年会が重なっていることもあって、今年はお客が少ない感じかと思ったら、波状攻撃のようにいろいろな方が来てくださった。深夜の盛り上がりは最近にないくらいの感じだった。
途中、誰かが後ろから黙って私に両手で目隠しをするので振り返ると、渡辺美佐子さんだった。相変わらずいたずら者であった。今年は演劇ではご一緒できなかったし、来年も難しいのだが、再来年にはまた何かご一緒しましょうということになる。
青年劇場『普天間』の人たちが自劇団の打ち上げを抜け出して来てくれる。「チョコレートケーキ」の日澤君が、「トラッシュマスターズ」の忘年会からハシゴして来てくれる。と思ったら、この日午前から劇作家協会で会議していた中津留君ら、その「トラッシュ」の面々が、深夜にこちらに流れてくる。村井健さんまで連れてくる。まあそういう会でいいのだ。村井さんと私が喧嘩ばかりしているという噂があるが、事実無根である。お互い口が悪いのは確か。村井さんは四半世紀以上前からお世話になっている恩人だ。「トラッシュ」客演の続いていた山崎氏とも話し込む。
田中チーフシェフによるハヤシライスは忘年会向きの料理であるかどうか議論の対象であったが、明け方の人たちには圧倒的好評であったようだ。

演出者協会の忘年会は、ここ数年、司会をやらずにすむようになったので、楽ちんである。流山児、宮田慶子両氏とのトリオ司会が長かった気がする。午後の理事会からの流れでもあり、久しぶりに宮田さんといろいろ話す。

各所で発表されている今年亡くなられた方々のリストの中に、シナリオライター・中西隆三さんのお名前がある。日活アクションから「大巨獣ガッパ」、アニメ「フランダースの犬」「小公女セーラ」、ファンタジーまで手掛けられた職人だった。三十年前にお世話になった。私とはちょうど三十年の年齢差なのだ。
最近しばしば斎藤憐さんのことも思い出す。亡くなられて二年以上が過ぎてしまった。
伝えられたことにどう応えられるのか。私は何を伝えられるのか。

写真は、どうでもいいが、我が家のトイレットペーパーホルダーのデザイン。
花瓶に四本、花がささっているだけのことだが、私にはこれが火のついたダイナマイトが四本並んでいるようにも、見えるのだ。
何はなくとも平常心!
コメント
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