今朝、「NHK朝ドラで、第五福竜丸のことが取り上げられた」と記しましたが、どうやら、その「ビキニ事件」が「核実験」の話なのだということも、初めて聞く世代の方には、遠いことのように、聞こえてしまうようです。
七十年前のことですが、第五福竜丸はもちろん、被曝漁船の話が、もう少し話題になっていいはず、と言ったわけですが、徒手空拳という気がして、虚しいばかりです。
しかし、ここにきて、私も末席を汚す「日本ペンクラブ」が、「米国の臨界前核実験に抗議する」という声明を出したことをお知らせしようと思います。
はい。
今年5月14日、2021年に核兵器禁止条約が発効しているにもかかわらず、アメリカが、ネバダ州の核実験場において、米政府が臨界前核実験を実施したことについて、真剣に抗議するものです。
これは現在形のことです。その重さを、理解してください。
私見ですが、戦争は、「抑止力」で止めるという考え方では、「戦争」そのものを肯定しているのと、同じになります。
戦争にならないように、相互に、そして世界中で、話し合いができる、その環境を整え、それを維持する、不断の努力のほうが、「武力」をあてにするよりも、はるかに有効なはずなのです。
それこそが「民主主義」であり、人間一人一人を尊重するやり方での、「平和についての手段」ではありませんか。
少なくとも、日本の憲法は、その精神に基づいて、書かれています。
ですから、私は、今、跋扈する、政治屋のバカどもが、この憲法を変えようとすることは、断じて、許しません。
というか……、「正しいこと」は、強いのです。
そのはずです。
少なくとも、岸田は、それを諦めたからこそ、次期総裁選に出ないのでしょうし。
※ ※ ※
【日本ペンクラブ声明】「米国の臨界前核実験に抗議する」
2024年5月14日、ネバダ州の核実験場において、米政府が臨界前核実験を実施したことが明らかになりました。2020年代にはいってからアメリカ合衆国は、2020年11月、2021年6月、2021年9月と政権にかかわらず同種の実験を繰り返し実施しています。
国際社会では核軍縮・不拡散への機運が高まり、2021年に核兵器禁止条約が発効しているにもかかわらず、そのなかで行われた米国による臨界前核実験の実施は、条約の趣旨に反する行為であり、強い憤りを感じます。しかも、米国も、そしてロシア連邦も、こうした実験を条約に違反しないものであるとの認識を示し続けていることに、強い違和感を抱かざるを得ず、誤った解釈であると考えます。
私たち日本ペンクラブは、終戦の日に当たって、日本が周辺諸国と諸地域の人々に与えてきた戦争の惨禍を深く反省するとともに、あらゆる核兵器の開発・実験に反対します。
私たちは相次ぐ米国の臨界前核実験に強く抗議すると同時に、核兵器を所有する諸国と諸国民がこれに追随することなく、核廃絶を求める国際的な動きに合流し、努力されるよう強く訴えます。
国際社会では核軍縮・不拡散への機運が高まり、2021年に核兵器禁止条約が発効しているにもかかわらず、そのなかで行われた米国による臨界前核実験の実施は、条約の趣旨に反する行為であり、強い憤りを感じます。しかも、米国も、そしてロシア連邦も、こうした実験を条約に違反しないものであるとの認識を示し続けていることに、強い違和感を抱かざるを得ず、誤った解釈であると考えます。
私たち日本ペンクラブは、終戦の日に当たって、日本が周辺諸国と諸地域の人々に与えてきた戦争の惨禍を深く反省するとともに、あらゆる核兵器の開発・実験に反対します。
私たちは相次ぐ米国の臨界前核実験に強く抗議すると同時に、核兵器を所有する諸国と諸国民がこれに追随することなく、核廃絶を求める国際的な動きに合流し、努力されるよう強く訴えます。
2024年8月15日
一般社団法人日本ペンクラブ
会長 桐野夏生
※ ※ ※
写真は、昨年、燐光群『わが友、第五福竜丸』稽古中に、俳優たちと「第五福竜丸展示館」ほ訪ねたときのもの。
四人は、未来を背負う若者たちです。
坂下可甫子 徳永達哉 武山尚史 宅間脩起
撮影・姫田蘭。