但馬の伝統行事

2017年12月19日 | 但馬の祭礼・儀式
           大岡山遠望


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成29年 第12回但馬検定(3級)問題より

【71】養父市別宮の八幡神社の年初めの祭礼で、上下2つの組が競い合い、最
後に上組が勝つことで豊作が約束される伝統行事がありますが、何を競うので
しょうか。

(a) 相撲    (b) 弓矢    (c) だんじりのぶつけ合い    (d) 綱引き


 養父市旧関宮町別宮(べっく)は、氷ノ山を背にした美しい棚田風景が有名なと

ころです。その別宮に伝わる年の初め(1月9日)の行事が、「別宮のお綱打ち」

と言われるものです。地区の八幡神社で、村人が太い大綱を上組下組に分かれて綱

引きをします。7回綱引きをするのが習わし、そして最後には上組が勝つようにす

ることも決まっています。それが、その年の豊作を約束する祭礼だそうで、大綱は

大きなケヤキに飾って、村の魔除けとして祀られるのです。答えは、(d)の綱引

きなのです。


 質問の相撲は、養父市奥米地の「ネッテイ相撲」が有名。弓矢は、香美町香住区

余部の平家落人伝説に由来する、「百手(ももて)の儀式」の矢引(やびき)の行

事が有名です。だんじりのぶつけ合いは、豊岡市城崎町湯島の「城崎だんじりまつ

り」での、大だんじりがぶつかり合う各所での「セリ」が有名です。


『おしくらまんじゅう』

 ケンちゃんね、じいちゃんの子供のころの遊びって、こんなことをしてたんよ。い

くつか順番に思いつくまま、書いてみるわな。今日は「おしくらまんじゅう」だよ。

昔も、今のように同級生だけじゃなくって、男の子だけじゃなくって、幼稚園から小

学生まで、近所のみんなは家に集まったり、お宮さんに集まったりして遊んだんだよ。

今のようにテレビゲームなんてなかったの。何かみんなでワイワイ話したり、いろい

ろな遊びを考えてやったんよ。


 冬の寒いこの頃は「おしくらまんじゅう」って遊びやったね。6~7人の子供たち

が、境内の真ん中あたりで、背中同士を押し当てて固まって押し合いやるの。「おし

くらまんじゅう、おされて泣くな。おしくらまんじゅう、おされて泣くな」と掛け声

をかけながら、ワイワイと固まるの。

別にムチャクチャしないよ、押し合いが楽しいくらいに、ワッショイワッショイとや

るんよ。下級生の小さい子も固まりの中に入って、楽しいくらいの押し合いなんよ。

「おしくらまんじゅう、おしくらまんじゅう」と言って、村の子どもたちは体をふれ

あい、声張り上げて、ただそれだけの遊びを楽しんだのよ。みんな仲良しばっかりだ

ったんだね。