実はオカブはむずむず脚症候群の患者である。医者にかかったことはない。しかし、中学生の頃から、就寝しようとすると、両脚にむずむず感を感じて、居ても立ってもいられない状態になる。脚を意識してむずむず感のことが頭にあるときだけである。むずむずを忘れているときにはこの症状は出ない。しかし、むずむずを感じたときはとても眠れるような状態ではない。スクワットをして脚に刺激を与えて、それでも眠れない。そして不眠に耐えかねて、うとうとして朝になるとむずむず感は消えている。こんな状態が4年ほど続いた。その後、むずむずが頭から離れ、30年間はむずむず症に悩まされることはなかった。しかし中年期を過ぎ、またむずむず感に襲われた。これは酷かった。新聞に掲載されていたむずむず症の体験者の脚を切り落としてしまいたいくらいだ、という感覚が切実なものとして迫ってくる。何日も眠れない日が続いた。そんな悩みをかーたんに打ち明けると、「それは、脚のリンパの流れが悪くなっているからよ」と事も無げに言う。そして膝の裏の脚の筋をゴリゴリと揉みほぐしてくれた。それで驚いたことに、むずむず感は見事に消えていた。そのときのリンパの流れが悪いというかーたんの診断が正しかったかは分からない。またこの療法ですべてのむずむず症の患者が治癒するとはいえない。しかしオカブの場合はこれでみごとに脚むずむず症候群の苦しみから解放された。だからその治療法を参考までに記しておく。
(1)まず、一人では治療は出来ない。患者のほかに治療者が要る。治療者に脚の膝の裏を刺激してもらうのである。就寝前に治療を行うのが望ましい。
(2)患者は仰向けに床に寝る。治療者により患者の膝の裏の筋を強く圧してもらっていると、かなり痛く感じる箇所があるはずである。そこを治療者に50回くらい念入りに強く圧すように揉んでもらう。これを両脚やる。揉んでもらっている時はかなり痛く感じるのが普通である。
(3)これでむずむず感が解消され、心地よく入眠できればまずは効果があったと見てよいだろう。しかし、オカブの場合この治療の効果は1ヶ月程度である。それを過ぎるとまたむずむず感が出てくる。そこで(2)の治療を繰り返すのである。
むずむず脚症候群は他人には分かってもらえないが非常な苦しみを伴うものである。だから、この一文が参考になって、一人でも多くの方に効果があってもらいたいと願う。
日脚のぶやがてはいくつの春迎え 素閑
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