今日は鎌倉紀行の最後。
旅中で詠んだ句三句と、今日の投句一句。
鎌倉駅南口に出て、小町通りを辿る。
そして向かった先は寿福寺。
「やぐら」が見たかったからだ。
「やぐら」は鎌倉に特有の墳墓形式で、岩窟をくり貫いた中に、墓塔が立っている。
ここで北条政子と源実朝の墓と言われるやぐらを見た。
手向けの花が枯れ果てて、哀れを感じさせる。
果つる日を想ひ供ふる千種かな 素閑
道を少し辿ったところにある英勝寺へ行った。
英勝寺は東光山、浄土宗の尼寺だ。
「英勝寺を開いたのは、家康の側室阿勝の方である。この女性は太田道灌四代の孫康資の娘で、十三歳で徳川家に仕え、やがて松姫、市姫を産んだが育たなかった。それで阿万の方が産んだ頼房を養子とした。頼房は水戸徳川家の祖となる。のち薙髪して英勝院長誉清春といい、頼房の娘を剃髪させて英勝寺の開山とした。玉峯清因がそれである。以来、歴代住職は水戸家の息女を迎えるならわしとなった」(加藤慧著「武蔵野の石仏」より)
寺内は清浄だった。
品格のある仏殿が優雅だ。
境内の外れに竹林があった。
鎌倉の寺の竹林というと、報国寺のものが有名だが、ここの竹もなかなか趣がある。
竹林の衣擦れの音とも秋の風 素閑
秋草に埋もれ朽ちゐる五輪塔 素閑
鎌倉駅に戻り、藤沢に出て小田急で帰宅した。
さて、これで2008年の「鎌倉藤沢紀行」は終わり。
では、今日の投句を一句。
雨降りて部屋に物干す白露の日 素閑