昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

岩淵まこと・ぺトラストリート&フォルツァ・ドンナ(Forza Donnna)

2010-04-25 16:46:00 | グルメ

日曜日、からりと晴れて、気温もやや上昇し、やっといままでの冬のような春の寒さに悩まされることもなさそうである。今日は教会学校のハイキングである。これは毎年この時期の恒例の行事になっており、三軒茶屋から最寄のアウトドアスポットに、教会学校の子ども達を連れて行き、ともに遊ぼうという企画。今年は砧公園に行くことになった。三軒茶屋からバスで世田谷通りを走り砧町まで。砧町から砧公園までは10分足らずの道のりである。ここで総勢25名ほどがお弁当を食べ、その後、青空の下、大縄跳びや、障害物リレーや、鬼ごっこなどをして子ども達ともども戯れる。教会に帰ったのは午後の4時。そこで解散して、オカブとかーたんはやったーうーまんやチップス先生とボンサンテのお酒のバーゲンセールを冷やかし、魚待夢でご苦労さん会を催す、やったーうーまん、チップス先生、ねずみ男らと別れ、若林のラジヲデイズに、クリスチャンシンガーの岩淵まこととペトラストリートのライヴを聴きに行く。

キーボードを担当するNHKのど自慢のキーボード奏者兼アレーンジャーの畏友、西原悟さんからご案内を受けたものだ。18時開場、18時半開演で、出だしはメジャーなアルバムのペトラストリートからのナンバーを何曲も演奏してくれるのが嬉しい。ギター・ボーカル・作曲・作詞、岩淵まこと、キーボード、西原悟、ベース、谷源昌、ドラムス、市原康というメンバー構成だ。『ペトラ通り』のおなじみのオープニングで始まり「金持ちよ♪金持ち♪金持ち♪貧乏♪貧乏金持ち、貧乏♪貧乏♪♪」とユーモラスな歌詞と小気味のいいビート、そして各パートのソロの披露に、笑い、酔いしれ、ノリノリになり、『父の涙』では、お嬢様を亡くされた岩淵さんの心情を思いしんみりし、エンディングの『God bless you』で深い感動に包まれる。素晴らしいライヴだった。また、何曲かの新曲・・・そのうちの『マラソンランナー』の作曲のエピソードも披露され、その他にも岩淵さんならではの軽妙で洒脱な語り口のトークに魅せられ極上の宵をかーたんと過ごした。

ライヴが8時半にお開きになり、ラジヲデイズの隣のイタリアン、『フォルツァ・ドンナ(Forza Donnna)』でかーたんとディナー。この店は訪れたのは3回目だがあまり紹介したくない、いまのままの流行り具合でいてほしい隠れ家的名店である。場所は若林で、表通りから外れたという決して立地条件がいいというわけではない。三軒茶屋から歩いて15分ほどかかる。しかし、あえてこの店に足を運ぶ価値は十分過ぎるほどある。正直なところ、オカブがいままで食事をしたレストランの中で、パリの三ツ星レストランなど一流料亭も含め、ぶっちぎりにもっとも満足度の高い名店である。(そんなに、レストランめぐりをする金にも機会にも恵まれているわけではないが・・・)どれほどいい店かを5つ星ランクで示してみる。

・味             ★★★★★☆☆☆

・値段           ★★★★★☆☆

・インテリア        ★★

・サービスの洗練度   ★★★★

・サービスの好感度   ★★★★★☆☆☆

上記で☆の部分は5つ星をはるかに超えた、通常のランキングを超越したレベルを表す。料理は一品一品十分に吟味されており、素晴らしい味わい。これは本場のイタリアンなど足元にも及ばない上質な料理である。どの皿も絶品!香草がふんだんに使われているのもオカブ好み。店は凝った佇まいというわけではなく、普通の洋食レストランという感じ。しかしそんなところにお金を使わなくてもよろしい!サービスは慇懃無礼な肩の凝るギャルソンや、マクドナルドの人工微笑などを期待している向きには、素朴すぎてエレガントさに欠けるということになるだろう。しかし料理を運んでくれる兄ちゃんもシェフまでもが絶対の好人物とひしひしと伝わってくるサービスは何物にも勝るもてなしと言える。店を出る時は、シェフ自らドアの外まで見送ってくれる。そして、肝心のお値段のほうは・・・下の写真の10皿を平らげ、ビールジョッキ7杯にカシスソーダで鯨飲し、コーヒーをつけて、なんと10060円。本当に勘定をする段になってこちらが申し訳なくなってしまうほどである。そして、もうひとつこの店のいいところレストランとして利用しなくても、軽いつまみと飲み物で居酒屋感覚で利用できること。実際カウンターでカクテルだけを飲んでいる客も見受けられる。そして食事をする場所としては、手軽な洋食屋感覚で、極上の料理を提供してくれるまあ、三軒茶屋や若林に足を運ぶ機会のある方は騙されたと思って一度行ってご覧なさいな。ただし昼は営業していない。

  『Forza Donna』

      東京都世田谷区若林1-17-3

  ℡:03(3419)3966 

 内容盛りだくさんのかーたんと過ごした佳き一日であった。

 

   朧月よき酒を酌む幸を得て     素閑

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ビール

2010-04-17 14:28:00 | 日記・エッセイ・コラム

ビールというものはいいものである。なんとまあ、高温多湿の日本の夏には欠かせない飲み物といってよかろう。しかしながら、今年はもう4月も半ば過ぎというのに、一向に初夏どころか、春の息吹も感じさせる天候がこない。こういう陽気のなかでビールを飲んでも美味くない。ビールはなんというか、天気晴朗、空気温暖の中で飲んでこそ、その真価が発揮されるものだと思う。だから冬の寒さの中、室内で縮こまっている風景でビールを飲むのは日本人にはあまりピンとこないイメージだと思う。さて、このビール、起源は紀元前のエジプトでもう作られていたという話だが、いまわれわれが普通に飲んでいるラガービールは、近世になって、チェコのピュルゼニという町で醸造されたのが初めという。それまで上面醗酵の白く濁ったビールをヨーロッパ人は飲んでいたが、ピュルゼニで造られたビールは下面醗酵の黄金色に透き通った色のビール!そしてそのビールの色合いを楽しむために、それまで陶器の器で飲んでいたのが、当時大量生産が始まっていたガラス器で飲むようになったという。さらには、上面醗酵のビールは冷やさずに飲んでいたが、下面醗酵のビールは十分に冷やして飲むことが慣わしとなった。ピュルゼニのビールは「ピルゼンビール」、あるいは「ピルスナービール」として今日に伝えられている。そして、もう一つのピルスナービールの中心地はこれまたチェコのブドヴァル。これはその地名がなんとアメリカのビール『バドワイザー』に受け継がれている。ちなみに、上面醗酵の濁ったビールのメジャーなものとしてはベルギーで産する各種のビールが今日でも一部に根強い人気を保っている。このビールの一人当たりの消費量、チェコが世界でトップだというのはうなずける。今日は季節はずれの寒さも緩んで、久々に暖かな陽気。早めの夕食にまだ残照が残るリビングで久々にビールを飲んだ。

 

   木は芽吹き娘は召し物買いにいで     素閑

 

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行者ニンニク

2010-04-11 14:29:00 | グルメ

去年に続いて、行者ニンニクを食ったのでそのエントリーを。去年は太子堂の『大久保』でこの珍品を見つけ、大喜びで1パック180円で手に入れたのは4月29日のこと。しかし、「珍品」と思ったのはオカブの早とちりで、今では都内ならこの聞きなれない山菜を容易に入手できる。下北沢の『オオゼキ』にも、その近くの八百屋にも置いてあった。要は珍しくもなんでもないのである。今日買ったのは太子堂の『大久保』で1パック298円。少々高いような気もするが、『オオゼキ』のものより色取りが美味そうなので、教会の帰りに買ってきた。さて、これをどうやって食うか?味噌汁の具にしても、和え物にしても良いとものの本に書いてあったが、一番素朴な食べ方がもっとも野趣を誘うと思い、生で味噌をつけて齧ることにする。こういう肴には美酒が必要で、『菊水の四段仕込』をかーたんに内緒で仕入れておいた。味噌をつけて一齧り。エシャロットに甘みをつけたような味わいと舌への刺激で夥しい葷臭がする。食う前は期待に胸膨らんでいたが、そんなに美味いものではないことを再認識。今日は4月の11日であるが、普通は高冷地の湿地に夏季に群生する植物であるらしい。パックの張り紙に『庄内農業協同組合』とあったからもしかしたら農家が農地で促成栽培した、天然ものではない行者ニンニクかもしれない。食った後は葫の臭いが抜けない。かーたんに葱臭いからそばへ寄るなと申し渡されてしまった。深田久弥さんのような往年の行者ニンニクファンならいざしらず、オカブのような野暮天の食通もどきには行者ニンニクは猫に小判であったかもしれない。

 

   爛漫の軒端を占めて一人酒     素閑

 

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花見

2010-04-08 15:57:08 | 日記・エッセイ・コラム

今年の春先から天候が不順で、ちょっと春めいて暖かくなったかと思ったら、冬に戻ったような寒さに襲われることもありで、せっかく咲いた桜も震えているようないろいろとストレスを感じるこの頃である。しかし、今日は昨日の雨のそぼ降る寒さとは打って変わって、晴れ渡ったまさに春本番を思わせる陽気だった。用事のついでに北沢川の緑道へしばしの花見に行ってきた。まさにうららかな日差しに照らされて、満開の桜が咲き誇っている。乳母車に乳飲み子を乗せた母子連れや、柵の端に腰掛けて弁当を開く近くのサラリーマンなどもいて、休日の大掛かりな花見風景とも異なり、心を和ませるほほえましい光景が前をよぎる。少し風の冷たさは残るが陽春という言葉がぴったりの一日だった。桜もいいものである。少し前まで桜を見るとそこはかとない儚さを覚えたものだが最近はついぞそのような感触を持たなくなった。歳のせいで感性が鈍感になったのか、日々の忙しさに雅の心を忘れたものかそういう感傷に浸ることがなくなった・・・どうも世の中とともに心の中も世知辛く、貧しくなっていくような気がする。残念なことだ。

 

  浮世にて吹く風に散る桜かな      素閑

 

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入学式

2010-04-02 15:31:00 | 日記・エッセイ・コラム

だいぶブログの更新に間が空いてしまった。この前のエントリーは正月のものだったが、もう春酣である。野暮用が重なって、なかなかブログを書くところまで手が回らなかったという事情だった。さて、うちの一人娘エルさんが、晴れて大学に入学することになった。この子はいろいろな天分を持っているのだが、唯一お勉強の才能がないというのが玉に瑕。しかし、昨年の年末から、彼女なりにラストスパートを掛けて、幸いなことに第一志望校に合格した。まあ、目出度いことである。大学合格というと、人生のゴールであるかのようなある種の錯覚を抱くことが間々あるが、人生の試練難題はこれからである。ただ、もう大学生!親があれこれ心配しても始まらない。子どもの自分の未来は子にすべてを託し、子どもが自ら切り拓いていくのを見守ってやるしかない。大学四年間、勉学に打ち込むのもよし、スポーツに青春を燃やすのもよし、何かを求めて彷徨うのもよし、ただ充実した毎日を送ってもらうことを願うばかりである。最近の大学は面倒見が良いというか、手取り足取りというか、入学の前からガイダンスやオリエンテーションが目白押し。今日のの入学式までも数日前からエルさんは毎日朝早くから遅くまで大学に足を運んでいた。そして入学式、よせばいいのに親父も親バカから仕事の予定を空けて行ってきた。ところでどこの大学に入ったかというと、エルさんに明かしたのがばれると怖いから秘密にしておくが、この子なりに頑張ってこの子なりの希望の学校に入ったとだけ申しておこう。さて、明日から新生活が始まる。エルさんの新たな門出に乾杯。

 

   入学の娘に言葉かけそびれ     素閑

 

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