もう六月になった。
本当に月日の経つのは速いものだ。
これから暑い憂鬱な夏がやって来る。
夏が待ち遠しいというのは、長期休暇のある学生の身なればこそで、そんなもののないこちらとしては、ただ暑いだけだ。
しかし、日本にはそれなりに夏の風物というものがある。
それを楽しみに待っている。
鈴蘭や優し羽虫の経帷子 素閑
うつろいて世をふる身にぞ君影草 素閑
生き抜いてすずらんの目に神信心 素閑
小鈴蘭水の逍遥湖の浦 素閑
鈴蘭を語る絵巻の雨降り月 素閑
けふを過ぎ明日は待たざる君影草 素閑
一隅にすずらん輪どりてそのの態 素閑
すずらんや澄める原への想ひ湧く 素閑
すずらんのみつる息吹やかすかにも 素閑
鈴蘭やもてる果報を捨てにけり 素閑
俳句・短歌ランキング
伊藤博文はふしだらな漁色家として名高い。
というか明治の元勲と呼ばれる連中はみな『酔うては枕す美人の膝 醒めては握る堂々天下の権』
だから、多少なりとも酒色にだらしのないところはあった。
彼等を戊辰の権力闘争に賭けた山師どもと例えることはできる。
しかし彼らがいなければ、日本の近代化の偉業が達成されなかったのも事実だ。
人間完全無欠はいないし、毀誉褒貶があって当然だ。
ただ、一方的な見方だけは良くない。
弔問の客に番茶や卯月曇 素閑
山手線卯月曇の田端かな 素閑
稜線に卯月の曇る氷斧 素閑
田楽の木の芽の卯月曇かな 素閑
興行師不入りの卯月曇かな 素閑
深山の森昏き卯月の曇りかな 素閑
硝子戸の向こうに卯月の曇りかな 素閑
便箋に卯月曇の筆遅し 素閑
師を招じ卯月曇の小宴や 素閑
汚れたるコンクリの壁卯月曇 素閑
俳句・短歌ランキング
鰻の稚魚が不漁で今年の鰻は高騰が続くという。
別にそれほど鰻が好きではないので、たいして興味の湧く話題ではない。
しかし、少子高齢化・人口減少に悩む日本と裏腹に、世界全体では人口爆発が続いている。
そのため食糧の需要が跳ねあがり、海洋資源の枯渇ももうすぐ先のことだと言う。
鰻には興味がないが、魚好きのオカブにとっては忌々しき問題である。
中国などは領海の境を守り、しっかりと制限漁獲高を遵守してもらいたい。
人口食糧の実用工業化も間近というが、そんなものばかりは食いたくない。
生来の無精でありぬ晶子の忌 素閑
松葉さへみどり衰へ晶子の忌 素閑
いくたびも川に石投げ晶子の忌 素閑
新しき木綿のころも晶子の忌 素閑
病みてなほこころざし遂ぐ晶子の忌 素閑
むずかる子飴にてなだめ晶子の忌 素閑
鉄工場ひるのサイレン晶子の忌 素閑
晶子忌や急ぎて遅る妻の脚 素閑
晶子の忌心残りの旅芸人 素閑
大仰に喚く乳飲み子晶子の忌 素閑
俳句・短歌ランキング
先ごろ、スーパーなんかで売ってる豆腐の表示の仕方が変わるとかなんとか、新聞に書いてあるのを読んだ。
なんでも、大豆だか豆乳だかの含有量によって呼び方を変えるとか変えないとか・・・
なんの豆腐風情と思ったが、お上のやることだから騒ぐこともあるまいと黙っていた。
ところが豆腐風情と思っていた矢先、スーパーで豆腐を買ってびっくりした!
普段買っているのは一丁27円の一番安い奴。
それを、今回は一丁178円という超奮発した豆腐を買ってみた。
もちろん奴で食った。
美味い!!!
こんなにも同じ豆腐「風情」で味が違うのか、と驚いた。
もののいいものにはそれだけの価値がある。
今回で改めて思い知った。
野々宮のわずかなやしろ祭笛 素閑
嵯峨祭竹林の衣に後れ髪 素閑
愛宕より祭りの列の幼き児 素閑
中天のおほき木漏れ日嵯峨祭 素閑
愛宕社の祭りの人と詣でたり 素閑
置手紙嵯峨のまつりのゆくえかな 素閑
鹿の子に嵯峨のまつりのあないせし 素閑
神もまた人に混じりて嵯峨祭 素閑
鳳輦に乗る身とあらめ嵯峨祭 素閑
嵯峨祭桂の月に川かがみ 素閑
俳句・短歌ランキング
ゲーム、かけ事の類はパチンコ、競馬はもちろんのことトランプや将棋にも一切興味がない。
だから大学生の頃から、当時は喫茶店に置いてあったテニスゲームや、インベーダーゲームも全くやらなかった。
ゲームセンターなど入ったこともない。
ゲームはもとよりだが、点を取り合うスポーツにも興味がない。
だから日大のアメラグのことで世間が何であんな大騒ぎをしているか分からない。
所詮自分とは関係のない世界である。
ダービーの時の夕べの祈りかな 素閑
叔母の孫ダービーの日の初詣り 素閑
ダービーに多摩の川原の瀬音かな 素閑
老ひし母ダービーうつろに覚えたり 素閑
ダービーに木綿の巾着縫い上げぬ 素閑
ダービーや空の向こうの大すき間 素閑
安酒場ダービーの夜酔ひ尽きて 素閑
山里のダービー知らぬ朝支度 素閑
俳句・短歌ランキング
苦々しいことというものはあるものだ。
それをしみじみ味わうことも年に何回かはあるものだ。
避けようと思っても避けられない。
人生の性、定めのようなものだ。
致し方ない。
ふて寝して起きぬけに見る朝みどり 素閑
したたりてなおしたたりて新緑や 素閑
祟りなき新緑の神とのにおわす 素閑
山路来て水ともに増す新緑や 素閑
太古より生きた杉の辺みどり増す 素閑
よき人を訪ひかどの新緑や 素閑
高僧も鳥に語らむみどりさえ 素閑
集い来て花はなくともみどりかな 素閑
新緑やともに旅せむ連れのひと 素閑
気疲れのなお積もりけむみどりかな 素閑
俳句・短歌ランキング
なにかというと日大のアメラグである。
確かに有名大学のトップレベルの体育会の反則行為というか違法行為は見逃されるべきではなく、糾弾されるべきなのだが、このように世を挙げて騒ぐべきことかとげんなりする。
オカブの出身高校の隣には日大のアメラグ部の練習場があり、向かいには合宿寮があった。
だからまんざら縁がないわけではないが、もうお腹いっぱいという思いである。
薄紅に暮れる日の陰著莪の花 素閑
杣人の著莪を踏みつつ森に入る 素閑
雨降りを見上げ足元著莪の咲く 素閑
放浪記わずかに読めり著莪の花 素閑
続く雨花の重たし著莪の叢 素閑
陰咲ける著莪にもさす日のありぬるか 素閑
雲低く侘しき庭の著莪数輪 素閑
西に富士上に群雲下に著莪 素閑
俳句・短歌ランキング
今日はかーたんと二子玉の玉川高島屋の「北海道物産展」で『うにむらかみ』のうに丼を食ってきた。
『うにむらかみ』のうに丼は10年以上前、札幌店で「究極のうに丼」というのを食ったことがある。
今回のは東京で催されたこともあって淡水の馬糞ウニではなかったが美味かった。
久し振りの美食であった。
夏場所の湯屋の帰りの触れ太鼓 素閑
夏場所や風は襟袖通りたり 素閑
夏場所や伝法肌の大女将 素閑
夏場所や祖父の長押の単衣もの 素閑
夏場所や水面の灯影二つ三つ 素閑
日本橋夏場所通ひの隅田川 素閑
夏場所の夕の逢瀬の川堤 素閑
大芝居うって夏場所すくい投げ 素閑
俳句・短歌ランキング
春からずっと体調が悪いのだが、ここのところそれに輪をかけて調子が悪い。
頭が重く、不快だ。
何という病気か知らないが、歳のせいもあるのだろう。
無理をするつもりもないが、段々と自らが衰えていくのを見るのは寂しいものだ。
若く溌剌とした人たちが羨ましい。
夏燕踊りの列の乱れたり 素閑
娘ともしばし無沙汰に燕みゆ 素閑
鷹がきぬ急いで燕に知らせたり 素閑
母燕子の尊しは羽根に抱き 素閑
燕飛ぶ世に倦むこともなかりけり 素閑
軒下の燕の機嫌を問ひにけり 素閑
花の無く雲の多きに燕かな 素閑
豆腐屋の肩かすめたる燕かな 素閑
俳句・短歌ランキング
栗城史多が死んだ。
彼にはあまり興味がないので、あまり知識はない。
しかし野口健と同じく「登山家」と呼ぶには抵抗がある。
もちろん「登山家」にはいろいろな範疇がある。
しかしそれでも彼は「登山家」ではないと思う。
とまれひとまず合掌。
都草どろ酔いの果て呪い言 素閑
都草この命いつ果てるやら 素閑
都草大路に大の字月眺む 素閑
波乱なく都草咲く読み違え 素閑
丈足りぬ児と都草母おらず 素閑
夜更けて女給と戯れ都草 素閑
石蹴りの向こうに飛びぬ都草 素閑
ままははの乳房をさぐる都草 素閑
俳句・短歌ランキング