ブログ人またまた、ビフテキの話題である。またか、と思われるかもしれないが、何回でも書こうと思う。このフランス人の国民食である焼肉と揚げ芋は、牛肉輸入の半自由化に伴って、我が家の日常食になりつつある。スーパーのサミット・ストアで豚肉の安い時が100g98円、牛肉も98円、ステーキ用も同様である。であるならば、たまにの贅沢にステーキを食った気になるのも悪くはない。しかし、この値段だと、贅沢というよりも節約生活を強いられた末のお惣菜選びという感が強いのは、涙なくして語れない。さて、今日も、サミットのチラシを見ていたら、オージー・ビーフが98円との特売告知が掲載されていた。そこで、いそいそと買い物籠を下げ(レジ袋などという贅沢なものを貰おうとわ思わない。サミットではレジ袋を貰わないとポイントが2点(2円分)加算される。塵も積もれば山である)このビフテキ・フリット、フランス人の国民食と書いたが、その歴史は意外と新しく、イギリスから肉を焼いて食う料理がドーバー海峡を渡って、フランスに渡来したのは18世紀に入ってからだという。最初は、都市部のブルジョワだけが牛肉の焼肉を食っていたが(農村の貧農は肉といってもたまに豚肉の塩漬けを食べられるくらいだった)だんだんに、普及していって、いまや普通のフランス人はこの手軽にして美味な料理を毎日のように食う。ビフテックは肉に塩・胡椒をしてフライパンにバターをしいて焼いたもの、フリットはジャガイモを拍子木に切って、油で揚げたポンム・フリット(フランス人はチップスとも呼び習わしている)。この組み合わせを昼は勤め先の近くのカフェで、夜はうちに帰ってかみさんの手料理でフランス人は食いにくいまくる。なんともイージーな食生活だが、連中はこれに大量のレタスをサラダにして食うので栄養のバランスは取れている。そこで我が家の今晩の夕飯のおかずもフランス人にならってビフテック・フリット。100g98円の肉では大したご馳走ともいえないが、ささやかな贅沢といえなくもない。
頬赤く染めて歩くや春浅し 素閑