会社に勤めていた頃は、ずっと企画・広報宣伝の仕事をやってきた。
今流にいうと、「マーコム」というやつである。
今時、男でこの仕事をやる人間は少ない。
ちょっと気の利いた短大出の位の女の子の方が向いている場合もある。
ただ、この仕事をしていて、余りにも企画の立て方を知らない連中が多いのには驚く。
企画作成の基本は、組織の大目標を抑えることだ。
会社なら、利益を極大化しよう、とか売り上げを倍増しようとか、組織を拡大しようとか、あるいは上場しようとか、組織の大目標があるはずだ。
その目標から、次第に具体的な下位の目標にブレークダウンしていって、適当なところで掴み取って、当該の企画の位置づけと具体的内容を練ればいいのである。
大目標を外した企画は形式的にどんなに優れていても、決して通らない(トップがボンクラだったら別)
こんなことをして現役時代を過ごしてきた。
古老より魔の淵聞けり夏の海 素閑
夏の海瑠璃群青の果てなきを 素閑
夏の海松方かけて砕け散り 素閑
夏の海日の中天に青く照り 素閑
消えた恋ビーチの白砂夏の海 素閑
波白く岬の磯の夏の海 素閑
白電灯田舎芝居に夏の海 素閑
夏の海岬を廻りて白き船 素閑
板張りの家の続くや夏の海 素閑
大島や雲にかくれむ夏の海 素閑
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かーたんの手術が終わり、入院生活に入って数日が経つ。
何といっても開腹手術の痛みが治らない。
こればかりは替わってやることができないので、不憫だ。
早く完治することを願う。
今日、病院の見舞いの帰りに三茶の『武屋』で蕎麦屋酒をやってきた。
本来は美味いはずの酒が、苦く染み渡った。
トマト生り過ぎ経し日々も日暮れなり 素閑
光芒の荒れたる原にトマトかな 素閑
意志あれと導かれし日やトマトの日 素閑
虫の殻蟻引く地になるトマトかな 素閑
ただ赤くサナトリウムにトマトあり 素閑
冷えた水流れる川のトマトかな 素閑
トマト染む赤子の胸の前掛けや 素閑
僧堂のトマトの似合う法師かな 素閑
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ある学校が入試改革をするという。
今まで、入試の必修科目になかった数学を必修科目にするという。
オカブはこの学校の入試に数学がなかったから入れたようなもので心中複雑である。
もう一つの学校は数学必修であった。
確かに、現代の実証的社会科学は数学的思考を必要としている。
しかし、もっと根本の理念の把握の方が優先ではないかと考えるオカブである。
夏柳ともに落ち来る夕の風 素閑
夏柳吾妻橋を渡りけり 素閑
言い合わせ逢瀬のしるし夏柳 素閑
夏柳どぶがわ死せり深く濃く 素閑
相和してなほ心残り夏柳 素閑
仲見世の夏の柳とおほき水 素閑
両頬に伝う涙や夏柳 素閑
夏柳かげらふ恋の去らじとも 素閑
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こうは見えるが、若い頃は山に登っていた。
想い出に残る山行は、槍ヶ岳から入山して、雲ノ平に遊び、剣岳まで縦走した夏山合宿だ。
雲ノ平では、黒部源流の支流の幾つもの沢を探勝し、岩魚釣りにも挑んだ。
しかし、オカブのようなぶきっちょに掛かる岩魚はいなかった。
もはや、老いてアルプスの稜線に立つ体力も残されていない。
しかし青春の思い出は強烈に焼き付いている。
台風上陸で大荒れの天気だ。
圏内地域の方は十分ご注意を。
雪の川岩魚を挿して燃え盛り 素閑
渓谷の奥の岩魚の昏き淵 素閑
焼き岩魚小枝の串に泳ぎたり 素閑
這松と濡れ笹掻き分け岩魚釣り 素閑
明日はまた仮泊の宿か岩魚かな 素閑
這松の小屋掛け久し岩魚焼く 素閑
奥の沢瑠璃色の滝岩魚棲む 素閑
老ひた爺子らの岩魚にかぶりつく 素閑
釣りし岩魚笹に連ねて夕の尾根 素閑
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かーたんの手術が成功した。
一応、患部と反対側の臓器も全摘したが縫合不全もなく経過は良好という。
ただし、今回の腫瘍は大腸癌からの転移の可能性が高い。
今後の対応については、退院後、外来で外科の主治医も交え検討する予定。
しかし、当面の危機は除かれた。
諸兄にはご心配をおかけしたと思う。
向日葵の日に昂然と顔向けり 素閑
饗宴となれば向日葵舞踏服 素閑
明るしと向日葵に寄せたたずまむ 素閑
四つ目垣向日葵畑の集めたり 素閑
砂利道にバス待てる間の向日葵や 素閑
向日葵の日差しに蜻蛉動かざる 素閑
労働のあたひとせるや向日葵草 素閑
くわつと咲く向日葵昼の憂いかな 素閑
音もなく向日葵の影戯れて 素閑
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明日は、かーたんが手術の日である。
不安で眠れない。
早く無事に明後日になってくれればとも思う。
腫瘍は早期発見されたので、悪性のものでも治癒する可能性が高いが、手術は重い部類に入るそうだ。
うまくいってくれることを祈る。
水飯や明日はわがつま手術の日 素閑
祝福の日のこともあり水飯や 素閑
ちり芥水飯なべて流し去り 素閑
水飯に木戸の鳴りぬる涼風や 素閑
古漬けに山椒の箸洗ひ飯 素閑
水飯や鋳物工場そばの家 素閑
棕櫚の葉の大きく揺れぬ洗い飯 素閑
おほ茶碗水飯盛ってざくざくと 素閑
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暑さは全く緩む気配がない。
外に出る気もしないので、クーラーを全開にした部屋で机の前で一日パソコンに向かっている。
これで、健康にいいわけがない。
今年の秋口には、北海道を除いた日本全国で健康被害が出るのではないか?
こんな妄想をしている。
草いきれ癲狂院の裏庭や 素閑
草いきれ昭和の札を拾いたり 素閑
夏照りや草いきれする分岐場 素閑
草いきれたうたう嘘も知られけり 素閑
山の田の稲の埋もれる草いきれ 素閑
水鉄砲アイスキャンデー草いきれ 素閑
いしぼとけ名越にかかる草いきれ 素閑
草いきれペンキの剥げた廃店舗 素閑
草いきれ草を分けたり相模湾 素閑
草いきれ清水もたうに涸れにけり 素閑
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体がだるい。
きっと冷房病だ。
しかしオカブは暑いのが大嫌いで、夏はクーラーで室内をキンキンに冷やしていないと気が済まない。
それが天罰覿面、体調不良の原因となったようだ。
気をつけようとしても本人に気を付ける気がないのだから仕方がない。
木曽駒と天龍清し河童の忌 素閑
青蔦の荒れ這う茶房河童の忌 素閑
肌黒く敷物熱し河童の忌 素閑
河童忌の東京タワーのネオン映ゆ 素閑
外商員腕をまくりて河童の忌 素閑
寄留子も不思議におぼゆ河童の忌 素閑
言の葉のさやけききざはし河童忌や 素閑
河童の忌行きそびれたる鈴の市 素閑
素通しの座敷二間や河童の忌 素閑
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暑中お見舞い申し上げます。
春が過ぎ夏が訪れ、やがてそれも過ぎ秋が過ぎ冬となる。
人生の流れもだいたいこんなものではなかろうか?
今は、夏の盛り。
やがて暑さは去り、涼が訪れ木の葉が色づき、散り果て、寒さの中に籠る。
その間にいろいろな出来事があるが、やがては夢に様に消え去る。
別に虚無感ではない。
避けがたき現実である。
清流に顔と手を浸け大暑かな 素閑
我が町に音無きをもて大暑かな 素閑
あしたにも雀の去りて大暑かな 素閑
浦の海波はよせ引き大暑かな 素閑
校庭の梧桐の影大暑かな 素閑
冷や飯の大暑の膳やなまじろき 素閑
おとなへる大暑の門にあへぎたり 素閑
夜に目覚め今日は大暑と覚へたり 素閑
時すでに大暑の午はまわりたり 素閑
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かーたんが今週の金曜27日に開腹手術をして、腫瘍のある臓器を摘出することになった。
なんとも言い表せない気分。
ここ数年で、かーたんが手術をするのは3回目。
なんともやるせないというか、言葉がない。
手術前の栄養をつけるために、三茶の『きゃんどる』へ行ってきた。
マスターやママさんに励まされ、美味しい料理に元気づけられ、勇気をもらった。
明日は、麻酔科で問診と、執刀医による手術の説明がある。
これから一か月、手術と療養生活だ。
駒草や霧に現れまた消えぬ 素閑
駒草の豁の暮れゆく岩畳 素閑
朝焼けの山巓燃ゆる駒草や 素閑
駒草のドッペルのザイル5級壁 素閑
駒草の色合い惑ふ単独行 素閑
駒草の雲の平に遊ぶかな 素閑
駒草の木曽路のふもと夏に照る 素閑
立山よ駒草の果て峰白し 素閑
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