昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

春休みの一日

2011-03-30 16:06:00 | 日記・エッセイ・コラム

東日本大震災が11日に起きた。その後、テレビも生々しい惨状を一日中放映して、しかも計画停電や、原発問題も重なり、社会の不安心理に同じく、オカブ家も落ち着かない。非常持ち出し袋を用意したり、家具を金具で壁に打ち付けて固定したりと、一両日中は地震対策に追われた。しかし最も大きな影響を受けたのは3月18日に出発予定だった、オカブのウィーン行き。計画停電が無く、成田まで電車が正常に運行されていれば行くつもりだったが、どうやら空港までたどり着ける目算も立たない。時局をわきまえぬ物見遊山だと非難されそうだし、非国民と後ろ指を指されるのも嫌ということもあり今回はあっさりキャンセルした。しかし、仕事を兼ねた出張&観光なのでこの計画中断は痛い。観光も兼ねた旅行で、税務署も怖いし、費用はすべて家計から出している。しかし、今回に限りエアもホテルも、キャンセルポリシーを柔軟に変更してくれて、全額をリファンドしてくれた。オーストリアの皆さんありがとう。そんなこともあり、一日中気が滅入る毎日が続いたので、かーたんのレッスンが春休みに入ったこともあり、平日の一日、郊外型の大型温泉スパ『成城の湯』にカーたんと行ってきた。なによりも震災の犠牲になられた方、寒空の下避難生活をしている被災者の方には申し訳ない気もするが、東京に住んでいてもこの震災後のストレスは尋常ではない。元気になるためにも気晴らしをさせていただくことにする。『成城の湯』は平日の午前中に行くと、モーニング割引と言って入場料が1050円になる。そこで10時過ぎに家を出て、不規則運転の小田急線に乗って千歳船橋まで。千歳船橋からスパの無料送迎バスが出ているのでそれに乗って11時に到着。結構混んでいた。湯はアルカリ単純泉。もちろん沸かし湯である。湯の色は黒いコーヒー色。しかし湯の具合は柔らかい。露天風呂につかり極楽極楽。女の長湯のかーたんが上がるのを待って、レストランへ。かーたんはランチ・スペシャルセットというのがあり、それは珈琲付きの食事と入場料で1680円なのでそれにした。中華風の弁当が出てきた。オカブはまず風呂上りの生ビールと、蕎麦に熱燗。なんとも言えません。そののちヒーリング・ルームで一休みして、もう一風呂浴びてくる。風呂から上がりリラクゼーションルームでベッドチェアでモニターテレビを見ながら、かーたんが上がるのを待ち、4時に退散。バス待ちで同じビルの一階にあるユニクロを冷やかし、6時前に帰宅。さあ、明日から日本復興に向けて頑張るぞ!

 

    やるせなしあまたの魂逝く春の奥     素閑


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またまたフォルツァ・ドンナ

2011-03-06 14:53:00 | グルメ

日曜。教会に行く日である。毎月第一日曜は役員会の開催日。夕刻遅くまで、あるいは夜間までも役員会は続くことがある。しかし、今日は5時前にお開きになった。大変早い終了時間で大変結構。かーたんといつもの若林の『フォルツァ・ドンナ』で待ち合わせる。オカブは教会から徒歩で、かーたんは出先から世田谷線の西太子堂から6時にご来店。西太子堂よりも若林駅から歩いたほうが近いとかーたんは言っていた。まずはビールと、サングリアで乾杯。お通しも美味い。パテを塗ったフランスパンにハム、プリッツエルのスティック。料理は白身魚とビーツのカルパッチョ。新鮮な魚とソースの取り合わせが絶妙。マグロの剥き身のカナッペ。これも、ガーリック味と香草が効いていて最高。そして定番のマグロとアボガドのタルタル。うーん美味い!生ハムとルッコラのサラダ。塩味の生ハムとさっぱりしたルッコラの取り合わせは斬新にして美味。鰯のガレット。ガーリックの下味とトマトソースで美味しくいただいた。青み魚が苦手のかーたんはパス。きのこのホワイトソースのステーキ。素晴らしい。生ハムに手打ち麺のパスタ。もうおなかが一杯です。そしてダメ押しのドルチエ。パンナコッタとキャラメル・アイスクリーム。デザートにも手を抜かない店の姿勢は最高。ビールジョッキ5杯でいい機嫌に酔っ払い、お腹はパンパンになってお支払いは9640円。いつもながら、味よし、値段良し、サービス良しに脱帽。若林から自宅まで南東南東に歩いていつの間に着いていた。9時過ぎにご帰館。

   ほろ酔いの灯りも揺れて暖かし     素閑

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キリンとの訣別

2011-03-05 22:29:23 | グルメ

ビールは公平な飲み物であった。昔、酒屋へ行くと、キリンもアサヒもサッポロもまったく同じ定価で店に並んでいた。日本酒に上は大吟醸やら、純米酒やら、下は合成酒と格差拡大し格付けが出来ても、ビールだけはその値段の公平さで酒の平等の精神の孤塁を守っていた。その間、日本酒は『越の寒梅』が、その格差社会の頂点から滑り落ち、『久保田の万寿』が王座に着いた。それでも、ビールの世界は頑なに平等の精神を守り通していた。しかし、階級社会のヨーロッパでは、その産する酒、ワインにおいて、歴然たる階級社会振りを発揮し、上はシャトー・ラフィット・ロートシルト、シャトー・マルゴーのヴァン・ダンジュものとその頂点を極めるものいと貴く、そんなこんなする間に『ロマネ・コンティ』などという超弩級の高級品が現れ、そのピンに値する5?1500円紙パックなどという狗が啜るべき泥水ともいえるワインとの価格差はそれこそ何万倍という想像を絶する格差社会の様相を呈するようになった。しかし、それでも、なお、ビールにおいては多品種生産の時代を経て、発泡酒、第三のビールなどの底辺層が形成され、上流界ではいくつかのプレミアム銘柄が誕生するに至ったが、それらを除いて、なお、名目上の平等を保っていた。オカブはこのビールの平等の精神をなんとも麗しいものと愛で、尊んできたものである。それがである!!今日、かーたんからやっとのビール飲んでもいいよん、の許しが出て、サミットの代沢十字路店にいそいそとビールを買いに行くと、いつも500ml缶260円で売っているキリン一番搾りがなっなんと280円で鎮座ましましているではないか!!同じ500mlのサッポロ黒ラベルと、アサヒ・スーパードライは255円である。ちなみに、サントリー・プレミアム・モルツは298円。思わず怒りがこみ上げてきた。キリンによるなんという仕打ちか!オカブはビールの値段が文字通り均一であった頃から、他の銘柄には目もくれずキリン一番搾りを求めてきた。なににも増して、キリン一番搾りを愛してきた。家飲みでは言うも及ばず、外食をする際も、キリン一番搾りを置いてある店を探して、優先して暖簾をくぐるのを常としてきた。いや、時にはあらぬ浮気をしたこともあったが、しかしキリン一番搾りは、長年連れ添った恋女房、古女房であった。オカブはこのキリン一番搾りと偕老同穴になる覚悟であった。ところがである。280え~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ん。まるで、長年連れ添った亭主に稼ぎが悪いからという理由で、三行半を突きつけるようなものではないか。(三行半を女房が亭主に突きつけることの正否は置いておいて)キリンがビール事業の伸び悩みを背景に、経営資源をビール事業から他の分野へシフトする戦略をとるとの報道は新聞等ですでに知っていた。その経営資源のシフトの結果が20円の値上げということであるのは明らかだ。しかし、ビール屋がビール稼業を捨て去って何をしようというのか?サントリーのように万年赤字だったビール事業をプレミアム・モルツで一挙に巻き返して黒字化した快挙もあるというのに・・・255円と280円の価格差は単に高い安いの問題ではなく、明らかに平等であるべきビールの格差社会化である。ここでオカブは憤然と、長年のキリン一番搾りとの情誼を捨て去り、サッポロ黒ラベルをショッピングバッグに入れた。この20円の値上げの、ビール党の、ましてやキリン党のオカブとして、キリンの暴挙は許せない。それが原料高などの止むに止まれぬ値上げなら理解できなくもないが、ビール屋がビール稼業を疎かにするという愚かな経営判断からの値上げである。ビール屋として健闘、奮闘しようという気概もキリンには残っていないようである。もはや、オカブはキリンの出す商品を手にとることはあるまい。一番搾りも飲むことはあるまい。家に帰って飲んだ、サッポロ黒ラベルの感想は、一番搾りのようなキレの良さがなく、まったりとした味わいで、マイルドといえばマイルド、慣れれば愛おしくなるような味わいである。サッポロがキリンのような愚挙を犯さない限りは、これで行こうと思う。以上がオカブのキリン訣別宣言である。

 

    朧の夜愚痴の酔漢となり果てぬ     素閑

 

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