数が苦手だ。
算数、数学の成績は、いつも尻の方だった。
しかし、中学の時、なぜか学年一位の成績を取ったことがある。
三次方程式の問題が解けなくて、家に帰り飯を食う時も、道を歩いているときも、その問題のことを考えていた。
解けないと、数学の授業が終わっても、いつまでも学校に残されるので必死だった。
そして、ある時、禅坊主が悟るように、問題が解けた。
それと同時に、他の問題もすらすらとけるようになった。
その学期の数学の試験は、中間も期末も学年トップだった。
ただ惜しむらくは、数学での活躍は続かず、それきりで後は鳴かず飛ばずだった。
しかし、それが基になって、論理的な思考がある程度できるようになった。
その時の数学の先生には、今でも感謝している。
田螺棲む水底に届く星影や 素閑
田螺鳴く雲のかかれる月の夜 素閑
にきびづら田螺とよばる娘かな 素閑
草繁る原に田螺の池かくる 素閑
大震の逝ける魂あり姫田螺 素閑
山風の野に渡りたる田螺かな 素閑
静まりて田螺の息を聞き分けむ 素閑
静まれる星屑の化す田螺かな 素閑
聖職という男らが田螺取る 素閑
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連休中に、我が町内では芸術祭というのを催している。
音楽の公演が中心だが、これを目当てにというか、連休のツマに時間を潰そうと思う。
なかなか、聴きごたえのある芸術祭である。
残照や窓辺の風の荷風の忌 素閑
喬木に青蔦からめる荷風の忌 素閑
筆二本そろえ墨する荷風の忌 素閑
荷風忌の絹の淡きネクタイや 素閑
荷風忌に彩りもなき宿の膳 素閑
荷風忌のうしおの鯛の身の無きや 素閑
荷風忌の壜の並べる酒房かな 素閑
荷風忌の集まり悪き同期会 素閑
荷風忌の老ひたレコード収集家 素閑
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大型連休中で、天気も良いし、日差しが強くて、気温も高い。
春というより夏である。
ところで、天皇誕生日というと、自分の感覚では、春のものである。
十二月二十三日は、どうも天皇誕生日という気がしない。
あそこは、もう全てクリスマス一色である。
そこで、俳句の世界では掟破りだろうが、この時期に「天皇誕生日」を詠んでみた。
しかし、天皇誕生日の九音節は非常に長い。
詠むのが難しい。
野遊びや子らの天皇誕生日 素閑
工夫らのひるげ天皇誕生日 素閑
飛行機の雲や天皇誕生日 素閑
やまひ得てひとり天皇誕生日 素閑
荒れた田の土に天皇誕生日 素閑
野仏と遊ぶ天皇誕生日 素閑
妻連れて天長節の磯の香や 素閑
握り飯焼き鮭天皇誕生日 素閑
夜を明かし天長節に脱稿す 素閑
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ゴールデンウィーク初日。
別に何をすることもなく過ごした。
朝も、何のことに急かされることもなく寝呆けた。
こういう日もあっていい。
折り敷いて草のはな閉ず朝寝かな 素閑
たおやかに朝寝の空の雲一刷け 素閑
朝寝して庭の端めぐる雀かな 素閑
荒涼の火の山想ふ朝寝かな 素閑
巖頭の波濤のとおね朝寝かな 素閑
老ひ痴れて朝寝の果ての蓬髪や 素閑
昨晩の覚えも無かり朝寝かな 素閑
雨の音や床のぬくもり朝寝かな 素閑
カーテンの薄日を知れり朝寝かな 素閑
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やっと週末だ。
ここのところ一週間が長い。
今週からはゴールデンウィーク。
とりたてて予定はないが、なんとなく楽しい。
いまだ娑婆っ気が残っている証拠である。
初子猫我が子としても良き思ひ 素閑
荒れる海子猫を抱いて夜を過ごし 素閑
猫の子やこれより幸あれ願かけぬ 素閑
子猫来てさかえの春のちぐさかな 素閑
猫の子を飼わしめたまへと父に問ふ 素閑
のっけから猫の子かたる叔母なりき 素閑
北国ののづらの便りや初子猫 素閑
猫の子を残して旅にいづるなり 素閑
裁き待つ囚徒となりて子猫愛ず 素閑
連休の大体の予定が決まった。
結局、どこにも行かない極めてエコな休み。
2月にはパリに行ってきたし、3月には秩父にも行った。
まぁ、文句は言えないだろう。
柴庭のメヌエットかな金鳳花 素閑
金鳳花乙女のため息後れ髪 素閑
野の草の中よりひいでし金鳳花 素閑
朝に夕べに祈りとともに金鳳花 素閑
あしたに咲いて炉にくべらる花金鳳花 素閑
白き風金鳳花なで西に去り 素閑
いずこへと行く当てなき旅金鳳花 素閑
金鳳花原の果てなる水車小屋 素閑
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肌寒さも感じる陽気だが、まぁ、心地よい。
いろいろ世間では騒がしいようだが、我関せずである。
日々是好日・・・なにに特に不満ということもない。
ただ、時が経ち、老いていくのみである。
大ひなる花の都のまなこかな 素閑
垣の草花の都を遠く想ふ 素閑
癩院に花の都の風一はけ 素閑
郎党を率い花の都出で 素閑
講釈を聞きて花の都豊楽や 素閑
枕抱き花の都に臥せ寝する 素閑
珈琲とパフェの花の都かな 素閑
猫逝きて花の都の姫女苑 素閑
蘭州の西より花の都かな 素閑
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ホラを吹くつもりはないが、今でも日本酒なら一升は空けられるだろう。
ウィスキーならボトル一本だ。
食う方も負けてはいない。
すき家のメガ牛丼をぺろりと平らげられる。
別に自慢しているわけではない。
無芸大食という奴である。
その一方で、生命力の方は日に日に衰えていく。
言うまでもないことだが、酒が飲めなくなったら、飯が食えなくなったらお終いである。
今、鱈腹、飲んで、食えているところを見ると、お迎えは、あと少し先か?
因果なものである。
若鮎の鱗光れる乙女かな 素閑
巷間に聞こゆまがごと若き鮎 素閑
吉日の風の運べる若鮎や 素閑
夢をのみ追いて果てるや若き鮎 素閑
仙山を若鮎の川映しける 素閑
若鮎の山裾川に濁りなく 素閑
若鮎の上りて状の封開く 素閑
針仕事手休め鮎の上るを聞く 素閑
かれはる菊晒さる岸辺若鮎や 素閑
かうかうと照る三日月の若き鮎 素閑
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朝、寝覚めが悪い。
目が覚めても、しばらく床の中でうだうだしている。
思い切って、床を出て珈琲を沸かす。
苦い濃い珈琲を啜って次第に頭のもやもやが解けてくる。
こんな朝をもう何か月かに亘って過ごしている。
春日傘かんばせ少し曇りけり 素閑
日輪に夢託したる春日傘 素閑
宣伝車塵舞いたてて春日傘 素閑
千円が労働の賃春日傘 素閑
鎧戸の見下ろすひなた春日傘 素閑
春とても日傘にかくす言い訳か 素閑
京舞を観むと出かける春日傘 素閑
山息吹春の日傘の淡き影 素閑
春日傘噂ばかりを従えて 素閑
冷えた粥残し出かける春日傘 素閑
春日傘格子の門に竹の垣 素閑
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どうも銀行が人減らしをしているらしい。
銀行員もどんどん辞めているらしい。
それで、どこに再就職するかというと、くいっぱぐれのない親方日の丸の地方公務員が目立つという。
しかし、今の世の中、公務員も、そうそう甘い世界ではない。
そこで、自分で起業ということになるかもしれないが、起業家の条件として欠かせないものがある。
それは、人を殺しても金はとるという覚悟、そして何よりも金が好きという金への執着。
これなくしてメジャーな起業はできない。
昔は、機械が飯よりも好きとか、事業を通して人助け、とかの動機で起業できたが、競争の激しい現代ではそうは通用しない。
いかにキャッシュを稼ぐかだけが勝負である。
潰れなくても、せいぜい生業の範囲でのビジネスしかできないだろう。
世の中は綺麗ごとでは済まない。
その最前線にいるのが起業家ともいえよう。
起業して青息吐息のオカブが言うのだから間違いはない。
東国に都をどりの世に生まれ 素閑
四条過ぎ都をどりに乗り入れぬ 素閑
ゆかしこと都をどりと申すなり 素閑
同業と都をどりを語るなり 素閑
萌え出でて都をどりのけわい花 素閑
京のぼり都をどりと花めきて 素閑
疑獄など都をどりの世のちまた 素閑
血の湧きぬ都をどりの頃の前 素閑
紅炎や都をどりにたたしめて 素閑
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