昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

田螺

2018-04-30 20:18:06 | 俳句

数が苦手だ。
算数、数学の成績は、いつも尻の方だった。
しかし、中学の時、なぜか学年一位の成績を取ったことがある。
三次方程式の問題が解けなくて、家に帰り飯を食う時も、道を歩いているときも、その問題のことを考えていた。
解けないと、数学の授業が終わっても、いつまでも学校に残されるので必死だった。
そして、ある時、禅坊主が悟るように、問題が解けた。
それと同時に、他の問題もすらすらとけるようになった。
その学期の数学の試験は、中間も期末も学年トップだった。
ただ惜しむらくは、数学での活躍は続かず、それきりで後は鳴かず飛ばずだった。
しかし、それが基になって、論理的な思考がある程度できるようになった。
その時の数学の先生には、今でも感謝している。

田螺棲む水底に届く星影や   素閑

田螺鳴く雲のかかれる月の夜   素閑

にきびづら田螺とよばる娘かな   素閑

草繁る原に田螺の池かくる   素閑

大震の逝ける魂あり姫田螺   素閑

山風の野に渡りたる田螺かな   素閑

静まりて田螺の息を聞き分けむ   素閑

静まれる星屑の化す田螺かな   素閑

聖職という男らが田螺取る   素閑



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荷風忌

2018-04-30 20:15:54 | 俳句

連休中に、我が町内では芸術祭というのを催している。
音楽の公演が中心だが、これを目当てにというか、連休のツマに時間を潰そうと思う。
なかなか、聴きごたえのある芸術祭である。

残照や窓辺の風の荷風の忌   素閑

喬木に青蔦からめる荷風の忌   素閑

筆二本そろえ墨する荷風の忌   素閑

荷風忌の絹の淡きネクタイや   素閑

荷風忌に彩りもなき宿の膳   素閑

荷風忌のうしおの鯛の身の無きや   素閑

荷風忌の壜の並べる酒房かな   素閑

荷風忌の集まり悪き同期会   素閑

荷風忌の老ひたレコード収集家   素閑



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天皇誕生日

2018-04-29 22:23:29 | 俳句

大型連休中で、天気も良いし、日差しが強くて、気温も高い。
春というより夏である。
ところで、天皇誕生日というと、自分の感覚では、春のものである。
十二月二十三日は、どうも天皇誕生日という気がしない。
あそこは、もう全てクリスマス一色である。
そこで、俳句の世界では掟破りだろうが、この時期に「天皇誕生日」を詠んでみた。
しかし、天皇誕生日の九音節は非常に長い。
詠むのが難しい。

野遊びや子らの天皇誕生日   素閑

工夫らのひるげ天皇誕生日   素閑

飛行機の雲や天皇誕生日   素閑

やまひ得てひとり天皇誕生日   素閑

荒れた田の土に天皇誕生日   素閑

野仏と遊ぶ天皇誕生日   素閑

妻連れて天長節の磯の香や   素閑

握り飯焼き鮭天皇誕生日   素閑

夜を明かし天長節に脱稿す   素閑



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朝寝

2018-04-29 00:30:05 | 俳句

ゴールデンウィーク初日。
別に何をすることもなく過ごした。
朝も、何のことに急かされることもなく寝呆けた。
こういう日もあっていい。

折り敷いて草のはな閉ず朝寝かな   素閑

たおやかに朝寝の空の雲一刷け   素閑

朝寝して庭の端めぐる雀かな   素閑

荒涼の火の山想ふ朝寝かな   素閑

巖頭の波濤のとおね朝寝かな   素閑

老ひ痴れて朝寝の果ての蓬髪や   素閑

昨晩の覚えも無かり朝寝かな   素閑

雨の音や床のぬくもり朝寝かな   素閑

カーテンの薄日を知れり朝寝かな   素閑



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猫の子

2018-04-28 00:18:19 | 俳句

やっと週末だ。
ここのところ一週間が長い。
今週からはゴールデンウィーク。
とりたてて予定はないが、なんとなく楽しい。
いまだ娑婆っ気が残っている証拠である。

初子猫我が子としても良き思ひ   素閑

荒れる海子猫を抱いて夜を過ごし   素閑

猫の子やこれより幸あれ願かけぬ   素閑

子猫来てさかえの春のちぐさかな   素閑

猫の子を飼わしめたまへと父に問ふ   素閑

のっけから猫の子かたる叔母なりき   素閑

北国ののづらの便りや初子猫   素閑

猫の子を残して旅にいづるなり   素閑

裁き待つ囚徒となりて子猫愛ず   素閑


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金鳳花

2018-04-27 05:01:43 | 俳句

連休の大体の予定が決まった。
結局、どこにも行かない極めてエコな休み。
2月にはパリに行ってきたし、3月には秩父にも行った。
まぁ、文句は言えないだろう。

柴庭のメヌエットかな金鳳花   素閑

金鳳花乙女のため息後れ髪   素閑

野の草の中よりひいでし金鳳花   素閑

朝に夕べに祈りとともに金鳳花   素閑

あしたに咲いて炉にくべらる花金鳳花   素閑

白き風金鳳花なで西に去り   素閑

いずこへと行く当てなき旅金鳳花   素閑

金鳳花原の果てなる水車小屋   素閑



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花の都

2018-04-26 00:03:39 | 俳句

肌寒さも感じる陽気だが、まぁ、心地よい。
いろいろ世間では騒がしいようだが、我関せずである。
日々是好日・・・なにに特に不満ということもない。
ただ、時が経ち、老いていくのみである。

大ひなる花の都のまなこかな   素閑

垣の草花の都を遠く想ふ   素閑

癩院に花の都の風一はけ   素閑

郎党を率い花の都出で   素閑

講釈を聞きて花の都豊楽や   素閑

枕抱き花の都に臥せ寝する   素閑

珈琲とパフェの花の都かな   素閑

猫逝きて花の都の姫女苑   素閑

蘭州の西より花の都かな   素閑



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若鮎

2018-04-25 00:27:51 | 俳句

ホラを吹くつもりはないが、今でも日本酒なら一升は空けられるだろう。
ウィスキーならボトル一本だ。
食う方も負けてはいない。
すき家のメガ牛丼をぺろりと平らげられる。
別に自慢しているわけではない。
無芸大食という奴である。
その一方で、生命力の方は日に日に衰えていく。
言うまでもないことだが、酒が飲めなくなったら、飯が食えなくなったらお終いである。
今、鱈腹、飲んで、食えているところを見ると、お迎えは、あと少し先か?
因果なものである。

若鮎の鱗光れる乙女かな   素閑

巷間に聞こゆまがごと若き鮎   素閑

吉日の風の運べる若鮎や   素閑

夢をのみ追いて果てるや若き鮎   素閑

仙山を若鮎の川映しける   素閑

若鮎の山裾川に濁りなく   素閑

若鮎の上りて状の封開く   素閑

針仕事手休め鮎の上るを聞く   素閑

かれはる菊晒さる岸辺若鮎や   素閑

かうかうと照る三日月の若き鮎   素閑


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春日傘

2018-04-23 21:51:34 | 俳句

朝、寝覚めが悪い。
目が覚めても、しばらく床の中でうだうだしている。
思い切って、床を出て珈琲を沸かす。
苦い濃い珈琲を啜って次第に頭のもやもやが解けてくる。
こんな朝をもう何か月かに亘って過ごしている。

春日傘かんばせ少し曇りけり   素閑

日輪に夢託したる春日傘   素閑

宣伝車塵舞いたてて春日傘   素閑

千円が労働の賃春日傘   素閑

鎧戸の見下ろすひなた春日傘   素閑

春とても日傘にかくす言い訳か   素閑

京舞を観むと出かける春日傘   素閑

山息吹春の日傘の淡き影   素閑

春日傘噂ばかりを従えて   素閑

冷えた粥残し出かける春日傘   素閑

春日傘格子の門に竹の垣   素閑



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都をどり

2018-04-22 21:14:03 | 俳句

どうも銀行が人減らしをしているらしい。
銀行員もどんどん辞めているらしい。
それで、どこに再就職するかというと、くいっぱぐれのない親方日の丸の地方公務員が目立つという。
しかし、今の世の中、公務員も、そうそう甘い世界ではない。
そこで、自分で起業ということになるかもしれないが、起業家の条件として欠かせないものがある。
それは、人を殺しても金はとるという覚悟、そして何よりも金が好きという金への執着。
これなくしてメジャーな起業はできない。
昔は、機械が飯よりも好きとか、事業を通して人助け、とかの動機で起業できたが、競争の激しい現代ではそうは通用しない。
いかにキャッシュを稼ぐかだけが勝負である。
潰れなくても、せいぜい生業の範囲でのビジネスしかできないだろう。
世の中は綺麗ごとでは済まない。
その最前線にいるのが起業家ともいえよう。
起業して青息吐息のオカブが言うのだから間違いはない。

東国に都をどりの世に生まれ   素閑

四条過ぎ都をどりに乗り入れぬ   素閑

ゆかしこと都をどりと申すなり   素閑

同業と都をどりを語るなり   素閑

萌え出でて都をどりのけわい花   素閑

京のぼり都をどりと花めきて   素閑

疑獄など都をどりの世のちまた   素閑

血の湧きぬ都をどりの頃の前   素閑

紅炎や都をどりにたたしめて   素閑



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