3月が迫ってきた。
世間では年度末である。
オカブ商会の決算期は5月末だが、世間が年度末だと、なにかと忙しい。
飯もゆっくり食ってもいられない。
そこで、今日の晩飯はサラダ。かーたんが作ってくれた。
昨日の晩のおかずの鶏の笹身をサラダにしたものである。
ところで、フランス人は確かに「美食家」である。
しかし年中、ご馳走を食っているわけではない。
家計の懐具合をにらみながら倹約に努め、世知辛い世の中と闘いつつ、その範囲で食える限りの美味いものを食べることには、やぶさかではない、という意味での「美食家」である。
フランス人は「美食家」である以上に「シブチン」である。
それでも、日曜日の晩は、 彼らも結構なご馳走を家で作って食う。
すると月曜日の晩には、日曜の晩のメインの残りものが適当なサラダかスープになって出てくる。
こういう涙ぐましいやりくりをしながら、フランスの庶民は暮らしているのである。
オカブ家でも、フランス人に倣ったわけではないが、昨日の晩の残り物をサラダにして片づけた。
まあ、節約しながらも美味い夕飯だった。
年改むと思えば明日は弥生なり 素閑