昨晩、娘と二人きりで夕飯を食べた。
菜はオカブが作った。
豚の冷しゃぶである。
野菜に茄子と人参とキャベツを茹でて添えた。
二人とも言葉少なに食べた。
しかし楽しい夕餉だった。
思い出に残るほど。
原爆忌白い灯台浜伝ひ 素閑
原爆忌岸の葦の葉ちぎれとび 素閑
よしなにと迎えた紳士原爆忌 素閑
水汲みて原爆忌の朝新たなり 素閑
頬赤くいまだに女子や原爆忌 素閑
雲晴れぬうつにこもりて原爆忌 素閑
原爆忌富士の稜々雪の無く 素閑
娘らは納涼遊びや原爆忌 素閑
病院を出るに出られぬ原爆忌 素閑
赤子泣く産科病棟原爆忌 素閑
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かーたんが入院して10日足らず。
慣れぬ洗濯をしたりとか、掃除をしたりとか生活が変わった。
まあ、いい経験だ。
昨晩は、かーたんを病院に見舞った帰りに、行きつけの三軒茶屋の『きゃんどる』に行って、状況の報告をして、一杯やってきた。
暑い夏、いろいろとあったが、それなりに過ごしている。
かき氷思ひ出の刷毛いろどりて 素閑
水をまく老女を見つつかき氷 素閑
かき氷とまれ進級できにけり 素閑
かき氷いつもと違うと言はれけり 素閑
日暮しの散歩のついでかき氷 素閑
遅れきてかき氷のさじもてあそび 素閑
かき氷素顔のおもて素前髪 素閑
かばん捨てかき氷にて集いたり 素閑
いずれまたとは言えざりきかき氷 素閑
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8月はヴァカンスの季節だ。
日本でも学校は夏季休暇に入り、会社・官庁でもわずかながらお盆休みをくれる。
しかしフランスのヴァカンスは壮大だ。
もちろん一ヶ月ほどの休みが取れる。
フランス人はこのヴァカンスのために働くといわれている。
この季節の旅行先への移動は「グラン・デパール」と言われ、ローヌ川沿いのハイウェイなどキャンピングカーなどが疾駆する(渋滞しないところも日本とは違う)。
しかし、お金がなくてどこへも行けず、パリから離れられない人たちもいるわけで、そういう人たちを「ウーティアン」」(8月族)と呼ぶ。
見栄っ張りのフランス人は、さも旅行に出かけているかのように、窓の鎧戸をぴったりと閉めて、モグラのようにアパルトマンに閉じこもることになる。
このヴァカンス前の6月とヴァカンス後の9月がパリの社交シーズンだ。
前者ではヴァカンスの予定を話し合い、後者では結果を報告して自慢しあう。
考えてみればつくずく幸せな国民だ。
瓜漬けのしをのつよきを争ひぬ 素閑
山すそのけぶりたりけりきうり漬け 素閑
瓜漬けと白い冷や飯豆腐汁 素閑
手のかかる孫たちどもやきうり漬け 素閑
友のつま漬けたる瓜を黙し食ふ 素閑
北の空黒雲おおふきうり漬け 素閑
山しづかただ漬けし瓜はみし音 素閑
新たなる白き木の家瓜漬けぬ 素閑
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かーたんの退院が決まった。
主治医が言うには、明日退院しなさいということだったが、かーたんがゴネて、もう少し病院でのんべんだらりと過ごしたいということで、来週の火曜、7日に退院することになった。
早期の退院で良しとしよう。
退院までに、かーたんが家で過ごせるよう、家の中を整えておかねば・・・
せみなくや虚ろに空へ抜けにけり 素閑
せみ時雨林がわれをつぶさんと 素閑
友はみな故郷にをりし油蝉 素閑
つかの間にいのちながらえなけよ蝉 素閑
葉も刈らず蝉を抱きて荒れし木々 素閑
戦終え蝉のなくのみ残りたり 素閑
汽車降りて蝉の時雨にむかへられ 素閑
大地燃え林の炎蝉の声 素閑
病身の枕にうずめせみ時雨 素閑
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多くの国で「老」ということはそれなりに価値を持つようだ。
英語でOLDというと尊敬の念が込められているし、中国では「老」を貴び、動物に「老」の字を冠せられたのは「老虎」と「老鼠」の二つだけだそうだ。どちらも賢さや峻厳さの尊崇である。
日本とて例外ではないのだが、しかし日本では他国と比べて、その度合いは少ない気がする。
昔から白木の新木の建築を尊び、伊勢神宮も数年に一度遷宮する国である。
女房と畳は新しいほうがよい、というが、これは文化的な基盤となっていて、良い、悪いの問題ではない。
だから老いぼれて独り言ちているオカブとしては、日本の方が都合がよいのである。
白鷺の舞降る岸辺人の無く 素閑
光輪に白鷺一羽飛びにけり 素閑
荒れた田に白鷺のさま映したり 素閑
けうはありてあしたはあらめ白鷺や 素閑
いつも来る白鷺おらず北の沢 素閑
白鷺に子らどぜう籠さらけ出し 素閑
白鷺の初めて自転車乗る子供 素閑
暮れの岸白鷺低く飛びにけり 素閑
白鷺のおほいなるさま雲となり 素閑
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甲子園が始まっているが、炎天下の運動はしんどいだろう。
2020年の東京オリンピックがこの時期になっているが、本当にできるの?という声が上がっている。
オカブも疑問だ。
事故が起きてからでは遅い。
時期をずらすか返上するかの勇気を持った人はいないものか?
熱風や都表のしかめづら 素閑
熱風や草原なまく双胴神 素閑
荒神の祟りや熱風頭裂き 素閑
東方の島より来たる熱風や 素閑
砂埃熱風強くはらいたり 素閑
かうほねの池を熱風過ぎ去りぬ 素閑
熱暑の風浮御堂をば干乾かす 素閑
熱風よ崖の赤土崩れたり 素閑
炎風や心頭滅却涼しかな 素閑
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