とうとう今年も今日をもって最終日となった。オカブのように年寄りの部類に入る人間にとっては、年が改まるということはそれだけ感慨深いものがある。「門松は冥土の道の一里塚目出度くもあり目出度くもなし」と詠んだ一休の心境に相通ずるものがある。昨日、今年の会計の締めの作業で朝まで仕事をしていたので、今朝は10時過ぎまで寝ていた。しかし、今月分の自分の給料も満足に払えていない。どうなることやらである。くよくよしても始まらない。来年に期するばかりである。わずかながらも新規ビジネスで売上も上がった。まあ、よしとしよう。6時過ぎに、毎年オカブの担当となっている年越し蕎麦つくり。サミットで一匹280円也の海老天を買ってきた。オカブはお銚子がついた分、海老天はなし。いや、ケチでそうしているのではなく、蕎麦っ食いの矜持としてオカブは蕎麦と天麩羅を一緒に食わないことをポリシーとしているのだ。いいかげん、酔いも回ってきたところで8時から大晦日恒例の第九。結論から言うと、今年の第九は近年にない名演。指揮の大御所、クルト・マズア、ソロの福井敬、福島明也と大物をそろえたキャスティング。そしてN響もマズアのトレーニングがよほど効いたのか無様な場面を見せなかった。そして福井、福島のテノール、バリトンの掛け合わせはお馴染のもので安心して聴いていられた。さらに、合唱は国音に加えて東京少年少女合唱団が入ったのがいい。思うに国音のソプラノの声質の太い歌手をアルトに回したのではないか?その結果、あれだけ透明感のあるハーモニーが完成されたのだろう。第九が終わって、「こうもり」のDVDをかけながら、「クラシック・ハイライト」を続けて見る。ズービン・メータ指揮のウィーン・フィルの東京公演のベートーヴェンの録画を聴いて、ちょっと第九のN響の演奏に比較感からがっかり。さすがに世界の最高峰とはまともに勝負できないようだ。「こうもり」とテレビの「カルメン」がごっちゃになってきたので、残念だがDVDを止めた。シンシナティ響の「新世界」があまり長かったので、途中から東急ジルベスター・コンサートにチャンネルを換える。今年のカウントダウンはホルストの木星。今年は曲の終わりがぴったり23:59:59に合った!
新年おめでとうございます。
鍋を煮つ床を拭きつつ晦日かな 素閑